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始まり

人間理解が及ばない時、本当にピタッと止まってしまうらしい。

多少の勉学ができれば入れるような私立学校に通い、そのすべてを無碍に捧げていることを決めた俺に対し、その瞬間が来るときは無いと、なんとなく思っていた。

場所は校庭、桜の並木道で有名なその一角。目の前にいるのは一人の少女、名前はまだ知らない。

「あの…三崎くん!」

少女はこちらをしっかりと見て、頬を赤らめながら話しだした。

「その…実は。」

「その…入学式前に何なんだけど…。」

「私と…付き合ってくれませんか?」

風。一旋の風が吹き、桜の花びらが飛び散る。少女の顔を隠す。まるで壁を作るかのように。

その顔は赤く染まっているだろうか。

どこかで…彼女を見たことがある気がした。

「俺は…君のことをよく知らない。」

「でも、少しづつ分かるように努力しよう。」

風が吹き止み、彼女の顔は桜よりも比べ物にならないくらい明るい色に染まっていた。

俺も最近忘れていた『笑顔』を思い出した。

「…これからよろしく頼む。」

その時、また一陣の風が僕らの頬をそっとなでたような気がした。


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