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異世界に親友と共にトリップして彼の付き人として頑張りました!! に

作者: ヒジリ

地球に戻ってきたお話

「で、そんなお姫様の願いを振り切って帰ってきたのかあんたは!?」


「まぁ、な」


午前中の授業が終わり昼休み。

久しぶりの学生の義務を果たし気力が尽きかけている俺に幼なじみ(妹ver)が詰問してくる。

もうやめて、おじさんのライフはゼロよ!!


「はむ、馬鹿な事したねあんた・・・そんなチャンスもう二度とこないわよ」


「うっさいわ、母にも同じ事言われたわ!!」


一正の双子の妹真由美は心底呆れたように言った。

因みに彼女が食べている弁当は俺のお手製だ。

向こう側に行く前は俺が一正と真由美そして自分の分の弁当を作って昼休み学校の屋上で食べていた。

何か戻ってきたかんがするな・・・

そんな事を考えながら弁当を摘まむ。

今日の弁当のメインは豚の生姜焼き、懐かしい味を噛みしめる。

向こうじゃ和風の調味料少なかったからな・・・


「イチ、美味しそうに食べるね」


「当たり前だろ、一正。生姜焼き何て食うの数年ぶりだぞ!!」


「確かにそうだね、あっちだと作れなかったからね」


俺の食べっぷり一正が苦笑する。

その横いる真由美が呆れたように俺を見て・・・


「食べ物に比べられて振られたお姫様が可哀相・・・」


「うぐ、比べてねえよ!!一正、笑ってないで弁護しろ!!」


「はは、ごめん。でも、帰還の理由の一つだよねそれ」


「やっぱり、馬鹿だねイチは・・・」


「弁護なってねよ一正!?」


うぐ、親友に裏切られた!?


「大体イチが魔王を倒す旅に参加してたなんて信じられないし・・・」


「倒したのは一正だけどな」


「僕一人の力じゃないよ、イチや皆のお陰だしね」


流石優等生勇者様いうことが違うね、ありがとう親友。


「それに三年も異世界に居たって話し正直信じられない二人とも三日前と変わらないじゃない」


「嘘じゃね、マジだって。三年過ごしてたよな、一正!?」


「確かに僕達は異世界(向こう側)に三年いたはずだけど・・・」


俺の言葉に一正が応えるがその言葉は少し頼りなさげたった。


「カズ、最後のほう頼りなさげだよ」


「マユの言いたい事分かるけど・・・イチ」


「俺に聞くな、大体何でこっちに帰って来ると三日しかたってないんだよ!?」


そう、俺と一正の異世界ワクワク大冒険の旅は地球こっちでは三日しかたっていなかった・・・

しかも、異世界での激しい戦いで得た力と古傷が無くなっていた。


「おまけにせっかく伸びた身長が元に戻ってるし!!」


「イチ、喜んでたしね。身長170㎝越え」


念願の身長170㎝、目標と言うかある意味夢だったからな・・・

でも、今は元の160㎝・・・

せっかく伸びたのに!!


「それこそ想像できないわ、イチが私より背が高いなんて・・・」


真由美の身長は165、俺より5㎝高い。

一正も身長は180近く、2人の両親も身長は高めだった・・・


「まあ、分からなくもないけど・・・あんた、昔から身長欲しがってたし。でも、嘘つかなくても・・・」


「嘘じゃね!!伸びたよ、おまえより高く!!」


「ふっ(笑)」


「鼻で笑うな!!!!」


一々突っかかってくるな!!

真由美の奴昔から俺に対して楯突いてくる・・・

お陰で何時も喧嘩に発展して・・・


「2人ともせっかくの昼休み何だから喧嘩しない」


「「う、ごめん(なさい)」」


「分かればいいよ、2人とも」


一正になだめられる。

一正は滅多に怒らないけど怒らせると恐ろしい事は真由美も知っているからこれ以上ふっかけてこない。


「それよりイチ、時間大丈夫?」


「あ、」


一正に言われて慌てて携帯で時間を確認する。


「やば、もう行かないと!!」


残りの弁当を急いでかき込む。

う、時間が・・・


「悪い、もう行くわ。放課後な!!」


「うん、放課後ね」


「さっさと働け、劣等生」


「このクソアマ(怒)」


一々突っかかるな真由美の奴。

異世界行く前からこんなに突っかかてきたかコイツ?


「マユ」


「う、はやく行きなさいよ馬鹿イチ」


「あぁ、じゃ」


言い返そうと思ったけど真由美の隣で冷たい空気放っている一正を見てやめる。

時間も不味いし・・・


「一正、真由美。また放課後」


手を挙げて二人そう告げて走り出す。

次の授業に使う資料運び、担当の先生に頼まれてたんだよ・・・

一正と違って劣等生よりの俺が三日も学校無断欠席してな・・・

罰の意味合いもあって一週間先生達の手伝いをやる羽目に・・・


「ツイてねー、まったく・・・」


ぼやきながら資料がある部屋向かう。

サボったら追加だしな・・・

はぁ・・・

















「相変わらず素直じゃないね、マユ」


イチが走り去った後カズが私に言った。


「何言ってるのよ、カズ。私ほど素直な人間はいないわよ」


「クス」


「何で笑うのよ」


私の答えにカズが笑った。

何よ、本当の事じゃない・・・


「本当は僕達がいや、イチが居なくなった時泣くほど心配したくせに・・・」


「な、な何でその事をっ!?」


カズの言葉にびっくりしてお弁当の箸が止まる。


「静香さんから聞いたよ、泣きはらした顔で家に来たって・・・」


「む~、静香さん言わないって言ったのに・・・」


高校生の息子いると考えられ無いくらい若々しい幼なじみのお母さんを思い浮かべる。


『ふふ、ごめんねマユちゃん(笑)』


静香さん~、約束したのに・・・


「素直に言ったら、イチに・・・」


「な、何を・・・?」


「好きだって」


「ブフっ、!?」


カズの突然の言葉にむせる。

な、何を突然言い出すのこの兄は!?


「今どきいないよ、好きな子ほど虐めたくなるなんて・・・」


「そ、そんなわけ無いじゃない!!何で私が馬鹿イチの事を・・・」


そ、そうよ私が馬鹿イチ(あんな奴)がす、好きなんて・・・


「はぁ、素直になれないマユの為にこれ見せて上げる」


そう言って手の平にのっている小石を見せる。


「何、それ」


「念写石て言うもの、地球こっちで言うカメラみたいなものだよ」


カズは説明してくれた。


「で、それが何?」


「見れば分かるよ」


そう言うと突然小石が光り出して・・・


『 イチ、今まで有り難う御座います。貴方とカズマのお陰 で我が国と世界が救われました、本当に有り難う』


『姫さん・・・』


え、何これ

イチと誰この美人さん・・・

光り輝いて見える金髪、とても澄んだ碧い瞳・・・

顔立ちも整っていて見たこと無いよこんな美人・・・

だけどそれより・・・


『 姫さん、いやソフィ。それはこっちのセリフだ、右も左 も分からない世界に放り出されて困っていた俺達を君は助 けてくれた、もし君が助けてくれなければ俺と一正はこの 日を迎えて無かったと思う・・・』


『イチ・・・』


『それに・・・』


何よ、こんな真剣なイチ見たこと無い・・・


『 君と過ごした時間が俺の支えになった、今まで有り難う ソフィ。王様頑張れよ、向こうで応援してるぜ』


私にはそんな顔したこと無いのに・・・

ズキっ!?

あれ?

何か胸が・・・


『 嫌です、イチ。私は・・・』


胸がイタい・・・


『 貴方と別れたくない!!私は貴方の側にいたい!!!』


まるでドラマのワンシーンを見てるみたい。

涙で濡れた瞳でイチを見つめて・・・


『 わたし、ソフィリア・リ・エクリシアはイチロー・タナ カを愛しています』


想いを彼に告げた・・・















「マユ」


痛い


「マユ?」


痛い、イタいよ


「マユ!?」


胸が、胸がイタいよ

イタいよ、イチ・・・


「マユっ!!」


「っか、カズ?」


カズの言葉に我に返る。

いつの間にか映像は終わっていた・・・


「ごめん、大丈夫マユ?」


カズが申し訳なさそうに私の顔を覗き込む。


「大丈夫、大丈夫だよカズ」


カズを安心させるために笑う。

それを見てカズは・・・


「うん、ごめんね。でも・・・」


そう言ってから私の目を見て・・・


「マユに後悔して欲しくないんだ、僕・・・」


「カズ・・・」


「イチはさ、意外にモテるんだ。マユも知ってるよね・・・」


うん、知ってる。

何時もカズと一緒いるから目立たないけどイチはそこそこ女子に人気がある。

出来るだけ私がそばにいるから告白されたことはないけど・・・

顔立ちはそこそこ、成績もそこそこ。

でも料理、家事が得意。

それにすっごいお節介焼き・・・

そのお陰で色々な事に巻き込まれ女の子を引っ掛けてくる。

大体はカズに会ってそっちになびくけど・・・


「今回はそうじゃないんだね」


「うん、ソフィはイチ一筋だよ」


そうね、あの顔はイチしか見てないもの・・・

ふぅ~

初めてか、ライバル出現。

それに・・・


「カズの事だから何か考えてるんでしょ・・・」


「ん、不公平だよね。このままじゃ・・・」


私の問いにカズ頷く。

カズは真面目たから・・・


「勝負は公平にしないと、マユも納得しないよね」


もち、初めてのライバル正々堂々勝負!!

バチンっ!!

自分に活を入れる。

負けられない、カズのお陰で気付いたこの気持ち・・・


「ぜっったいに負けないんだから!!!!」


会ったこと無いライバルに向かっての宣戦布告。

そして・・・


「覚悟しなさいよ、馬鹿イチっ!!」


逃がさないんだから!!

私、佐倉真由美さくらまゆは田中一郎が好きです!!















「っクシュン!!」


あ、やべ、くしゃみがついでに悪寒が・・・


「風邪引いたか・・・?」


「何やってる、田中。さっさと運べ」


「うっす~」


サボるとどやされるしな、早くやろ・・・


「へっくしゅっ!!」


やっぱ風邪か・・・?





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