04.初会話
実行委員決めの時間が終わり、休み時間。
グループの中の1人の小鳥遊くんが好きな子が珍しく私の席に来る。
「真白いいなぁ、小鳥遊くんと実行委員」
代わってほしいー、とぶりっ子ぎみにいうその子。
じゃあやれば良かったじゃん。てか私のほうが代わってほしい。切実に。
はあ、と重いため息をつくと、光があたっていた机が暗くなった。
見上げると、小鳥遊くん。
「話すの初めてだよね。小鳥遊結月です。実行委員よろしく」
口角をにっとあげて、手を差し出される。握手ってことなのか。
「えっと、はい。よろしく」
差し出された手にそっと手を添えると、弱く握り返され、じゃあ、と定位置に帰っていく。
隣では、というかクラスの大半がこちらを見ていて、特に女子はひーとかきゃーとか騒いでる。
そうか、中心の小鳥遊くんの行動は注目されるんだった。
「ま、真白、手、手!」
同じグループの子は口をパクパクしている。
私が頭にはてなを思い浮かべていると、
「小鳥遊くんと手を握れるな、なんてすごい!羨ましい!」
と前のめりになって興奮気味に言う。あ、そっか。好きな男の子と握手したいのか。
でも私は好きな相手でもないのに嬉しいわけない。
その子とは対象に冷めた気持ちでため息をついた。