01.現状
「あははは、まじありえないよそれ」
「や、あたしもそう思ったんだよね。けどさあ・・・」
学校ならできるであろう仲間で固まる、いわばグループというもの。
グループに入っていないと、正直ぽつんと1人ぼっちにされるため、女子は少なからずどこかグループに入りたいものだ。
最初は席の近くの子から話の合う子を見つけ、2、3日で多方グループが決まった。
人と話すのが苦手だった私は焦ったけれど、なんとかこのグループに勧誘された。・・・ってよりは、拾われたって感じだけど。
しかし、話が合わない。全てが合わない、ってわけじゃないのだけれども、5人という数字のため自然と私は1人になってしまう。みんな悪い人じゃないけど、きっと4人グループ作れと言われたら、余るのは私だ。
一緒にいても、孤独を感じるそんな友達。友達とすら言えないクラスメイト。
できることなら1人になりたい。弱い私は到底できないことだけれど。
「ねえ、真白はどう思う?」
突然話を投げかけられ、4人からの視線が集まる。
どうしよう、聞いてなかった。
こういうときの返し方だって分からない私のコミュニケーション力の無さに泣ける。
背中に冷たい汗が流れようとしていたとき、昼休みが終わるチャイムが鳴った。
「あー、終わっちゃった。じゃあまた後で」
そう言ってみんな席へ戻っていく。
た、助かった。今日は運がいいみたい。
必死に話を合わせようとして、価値観の合わない話を笑顔で聞いて。
私の日常は毎日こんな感じだから、正直息苦しかった。