手籠の花
お久しぶりです。
ふと金木犀の香りが鼻を掠める。
金木犀は
私が大嫌いな花だ。
金木犀が周りいっぱいに咲いていた頃
私は君と別れた。
君のことが大好きだったのに。
どうしようもないくらい
好きだったのに。
君は泣きながら私に
微笑んでいた。
私達は近くに居すぎた。
私達の関係は誰にもバレちゃいけなかったのに。
好きでも別れなきゃいけなくて
手離したくなくても離さなきゃいけなかった。
苦くて苦しい私と君の思い出。
好きだった思い出。
嫌いな思い出。
大嫌いじゃないけど
大嫌い。
そうしないと私は
君を手離せないから。
ほんのり失恋的なものです。