第二話
数分後意外にも生き物は簡単に見つかった。
・・・というか見つけられた。
目の前に出てきたのはドラゴン?的なものを小さくしたような生き物だった。
小さいといっても映画とかマンガとかに出てくるものと比べてだ。
軽く2メートルぐらいある。
現実も直視できず目をかたく閉じる。
・・・ないない。
ドラゴンとか空想上の生き物だし実在するわけないじゃん。
あっそうか,これは見間違いね,そうに決まってるわ。
いきなりジャングルに飛ぶとかいろいろなことがあって頭が疲れてるに違いないわ。
そうよ,気持ちを落ち着けて見ればたいしたことないものに違いないわ。
実はドラゴンじゃなくて大きなワニだった・・・みたいな。
・・・あれ?どっちにしろ死ぬ?
ゆっくりと目を開きちゃんと姿を確認してみる。
目に入ってきたものは・・・
身体じゅうに余すところなくびっしりと生えているどんな刀剣も通しそうにない黒色の鱗。
両手足にあるどんなものでも切り裂きそうな鋭利な爪。
力強い羽ばたきを感じさせる巨大な翼。
口から垣間見えるのは中に入ったものの存在を許さない全てを食い千切る牙。
・・・本当にドラゴンみたいにみえるなー
アハハハ・・ハハ・・・
・・・マジでドラゴンですか?
「ガルルルル」
あまりの出来事に呆然としているとドラゴンは
いかにも腹が減ってますよ~といいたそうに
口からヨダレをいっぱいに垂らしだした。
たべられちゃうの?
「ハ,ハハハ・・・」
あまりに突然の死の匂いに足がすくみにげようにも足が動かない。
蛇に睨まれた蛙ってこんな感じかなぁ。
本当に動けないもんなんだ。
蛙くん今まで疑っててゴメンよ。
にしてもいきなりバッドエンドか・・・もうちょっと
選択の余地を与えてほしかったというかなんというか・・・
「ガアアアアア」
「キャアアアア」
くだらないことを考えているとドラゴン大きく吠えがこちらへ飛んで来た。
「に,逃げなきゃ あっキャッ」
逃げようと身を翻すが足がもつれ思いっきりこけた。
これマジで死んだかも。
10メートルぐらいあった距離を一瞬でつめてくる。
身を起こすとすでにドラゴンの顔が目の前まで来ていた。
目の前でみると迫力が違うな~
とか感心している場合じゃない。
「ガアアアアア」
座ったまま後ずさる。
立ち上がろうとするも腰が抜けて立つことができない。
ドラゴンが口を大きく開く。鋭い牙ががっつりと視界に入る。
あ,これ死んだな。
つまんない人生だったなー,でもまぁ仕方ないか。
これが私の運命だと決めつけ覚悟を決める。
「ガウッ」
私の肉を切り裂く音の代わりにさっきまでと違う可愛らしい鳴き声が聞こえた。
「へ?」
恐る恐る目をあけると犬のようにお座りしているドラゴンの姿があった。
「???」
意味がわからないけどその姿は餌をもらえるのを
お行儀よく待っている犬そのものですごく愛らしかった。
しばらくそのままフリーズしていると待ちきれなくなったのかドラゴンが鼻先で私のポケットをつつく。
「ひっ」
行動そのものは可愛らしいものだが2メートル強もある生き物にやられるとチョー怖い。
・・・しかもドラゴンだし,鼻先に角みたいなものもついてるし。
どうやらなにかをほしがっているようだ。
といっても私なにももってな・・・あ,
「もしかして・・・これが欲しいの?」
飴玉を一つ取り出しドラゴンに見せる。
「ガウッ♡」
あたりみたい。
ドラゴンはここにのせてと舌をこっちにつきだしてくる。
舌の上に飴をのせてあげると待ってましたといわんばかりの勢いで口の中に放り込む。
すごい嬉しそうな顔して飴をなめている。
よかった~ 本当に死ぬかと思った~
まさか飴玉に命を救われるとはね~
もう一度ドラゴンを見てみる。
本当に嬉しそうだ(たぶん)
端から端までしっかり見てもやっぱりマンガとかにでてくるドラゴンにしか見えない。
「君は本当にドラゴンなの?」
「ガウッ」
首を縦に振った。
さっきも返事をしてたし言葉はわかるみたいだ。
てゆうかドラゴンがいるってどういうこと?
ここは本当に現実なの?
・・・もしかして・・・異世界?
悩んでいると飴を食べ終わったのかドラゴンがすりよってきた。
懐かれたみたい。
懐かれるのはいいんだけどなぁ,動物好きだし。
でもここまで大きいとちょっと・・・ねぇ。
頭をなでてあげるとさらに頭をすりよせてくる。
「さて,これからどうしようかなぁ」
ドラゴンがいるってことは少なくともここは異世界ってことよね。
どうやったら帰れるんだろ?
誰かに詳しく聞きたいなぁ。
この世界の事とか,
なんで私この世界に呼ばれたのかとか,
帰れる方法とか。
そもそも呼ばれたのかすらもあやしいしなぁ。
呼ばれたなら王子様とか騎士とかとうはうはな生活になるはずだし。
「ねぇ君は人がいるとこ知ってる?知ってら案内してほしいんだけど」
とりあえずドラゴンに聞いてみた。
返事をせずしゃがんで私に背中を向ける。
乗れってことかな?
「乗れってこと?」
「ガウッ」
背中によじ登るとドラゴンはむくっと立ち上がった。
意外と高いなぁ,高いのは苦手なのに。
ドラゴンがはばたきはじめた。
すごい砂ぼこりが立ち昇る。
どきどきするなぁ,飛ぶのは初めてだし。
・・・当たり前か。
ドラゴンが力をこめ勢いよく地面をけるとその勢いで一気に上空まで飛びあがる。
いままでいたジャングルがはるか下方に見えるようになった。
「・・・すごい・・・すごいよドラちゃん」
「ガゥ?」
「ああドラちゃんて言うのはあなたの名前よ
ドラゴンだからドラちゃん ・・・いや?」
ドラちゃんは首を横に振ったどうやら気にいってくれたみたいだ。
「じゃあドラちゃん一気に人がいるところに連れってってちょうだい」
「ガウッ」
どんどんスピードをあげていく。
風景が瞬く間にかわっていく。
風を追い越しているみたいだ。
空の旅は思いのほか楽しくこのままずっと乗っていてもいいぐらいだった。
やっぱり文章を書くの難しいですね
なかなか思った通りに書けません(笑)