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4.00037 影の形
影の形スロープの影が形を取り始め、見慣れない生き物のように蠢く。影は過去の後悔や未来の不安を具現化したものだ。視界の端でそれらが絡み合い、時に美しく、時に恐ろしく見える。俺は影に向かって歩を進める。逃げることはできない。影と向き合うことで初めて、次の旋律が生まれるのだと身体が教える。
影の一つが近づき、俺の足元で踊る。そこには幼い日の自分がいて、別の影にはまだ見ぬ自分がいた。触れようとすると、影は冷たく、しかし確かな手触りを持っていた。俺はその手を取る。影は驚いたように震え、やがて静かに溶けていった。影を受け入れることが、次の一歩を可能にする。




