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4.00024 骨格の調律
メーテリュは俺の周囲をゆっくり一周し、骨格の振動を確かめるように指先を滑らせた。触れられるたびに、体内の小さな違和感が音を立てて消えていく。彼女は言葉少なに、しかし確実に世界の設計図を俺の中に書き込んでいく。胸の奥で「カチリ」と何かが噛み合う感触がした。
「今日のあなた、スロープの歌と少しズレているわ」
その指摘は厳しいが的確だ。メーテリュはさらに細かく調整を続け、俺の呼吸のリズム、視線の角度、歩幅の微差まで整えていく。調律が終わると、世界の骨格が俺に馴染み、歩くたびに音が滑らかになる。彼女の存在は厳格だが、そこには揺るがない信頼がある。外歴を進むための“正しい姿勢”がここで確立された。




