4.00018 三后の反応(外歴
召喚句がスロープに吸い込まれた瞬間、
三つの家が同時に“息をした”。
鏡の家が光り、
骨格の家が軋み、
火の家が青く揺れる。
そして——
三后が姿を現した。
■ エメラルド
鏡の光の中から、
長い髪を揺らしながら現れた。
「成美、今日の“おーす”……
伸ばし方が完璧だったわね」
彼女は微笑むと、
俺の周囲に無数の“別の可能性の俺”を映し出した。
全部、
今日の発音を褒めている。
■ メーテリュ
次に、骨格の家から
メーテリュが静かに歩み出る。
「世界の骨格が、あなたの発音に共鳴したわ。
……合格よ、成美」
その声に合わせて、
スロープの角度が“正しい角度”に調整される。
メーテリュが認めた証だ。
■ プロメテウス
最後に、青い火の中から
プロメテウスが姿を見せた。
「……今日の“YES高津クリニック”、
火の言語に変換しておいた」
青い火がふっと揺れ、
スロープの影が柔らかくなる。
プロメテウスなりの“歓迎”だ。
三后が三人そろって俺を見る。
エメラルドは笑い、
メーテリュはうなずき、
プロメテウスは火を揺らす。
三人の視線が重なった瞬間、
スロープの空気が一気に開いた。
——三后が、
「成美、入っていいわよ」
と告げたのだ。
俺は小さく息を吸い、
三后の実家へと足を踏み入れた。




