第2.000900303話 自動車修理工場にて(改訂版)
OSU
声が小さい。
お〜す。
おっ、まあいいでしょう。
今日はね、自動車修理工場に来てるんだ。
そんな感じで言ってみよう。
回転劇場がまわりだす。
「いや参った……こんな時に限ってサイコミュの調子が悪いなんて。車検は通ったんだけどな。修理工場でどれぐらいかかるんだろう」
成美がため息をつくと、リラが丸いエルメスを撫でながら言う。
「わたしはこの丸いの、すきなんです」
「そろそろ買い替えかな……最新式 NEOジオング〜ぐるにするか?」
そこへ――
「ようよう兄ちゃん、かわいい子つれてるね。3分貸してくれないか?」
成美「……あなた誰ですか?」
「わたしは、へんな重主義です。だっぷんだ」
成美「行きましょう、リラ」
だが重主義おじさんは続ける。
「ねえねえ君たち、エルメスなんて古いよ。今どき“ビット”とか言っちゃって恥ずかしいでしょ。今はフェンネルの時代だよ。ファンケルじゃないよ、ファンネルね」
成美「僕たち、間に合ってるんで」
「そう言わずに……」
その瞬間、空気が切り裂かれた。
「待てーい!」
冬野まふゆ、OWPS48 冬組練習生が登場。
まふゆはポケットからハーモニカを取り出し、
「ど・み・そ・ふぁ」 のリズムを刻む。
重主義おじさん「そのリズム……まさか……ショパン《エチュード10-4》!? こんなところでビッグバーンを使う気か?」
札幌コミュニティドーム召喚。
重主義おじさん「なぜ数あるドームからそれを選んだ?」
まふゆは答えず、ドームのグラウンドをひたすら走り出す。
24時間テレビの“さらい”っぽい音楽が流れる。
――24時間後。
「えいっ!」
ロイヤル場急務(疲労MAX)パンチ。
重主義おじさん「お嬢さん、そんな攻撃はわたしには効かないよ」
「と〜う!」
背後からチョップが落ちる。
脳天に。
振り返ると、一人の少女が立っていた。
「わたしは、秋のやきぐり。OWPS48 秋組練習生」
「はいはいはいはい……はいはい」
焼き栗が踊りだす。
ダンシング・オール・オール・ナイトみたいな音楽が流れ、
彼女は踊り続けた。
そして――
工場の空気は、なぜか少しだけ温かくなった。
おわり




