婚約破棄された令嬢はやり返す
皆様の作品を読み、勢いで書き上げました。
読みづらい点、お作法に反している点がございましても、お目こぼし頂ければ幸いです。
「余は、レイチェル嬢との婚約を破棄することを宣言する!」
ダンスホールで開催された新入生の顔合わせのパーティーの席上、我が国の第二王子であるペレーサ王子が、爆弾発言を投下した。
緊急事態と判断した担任は、直ぐに会場の外に走り出した。
私は、呆れながらも、真意を確認すべく、王子に問いかけた。
「失礼ながら、ペレーサ様、私達の婚約は王命であり、ペレーサ様の一存で破棄できるものではございませんが」
王子は、「二人の同意があれば、なんの問題ないはず、そもそも、余は、在学中に真実の愛を見つけたいのだ。そのためにも、レイチェル、君と婚約破棄する必要があるのだ。」
(はー、そんな理由で王命を破棄するの?あのクソ王子)
同級生も唖然とした表情で見守っている。
私は、決意を秘め、ひっそりと会場から飛び出した。
悦に入った王子は、周囲を気にする様子もなく、滔々と自説を語り、「貴族、平民、身分の壁をなく接することで、王国に新たな気風をもたらすのだ。レイチェル、婚約破棄に同意してくれるな?レイチェル何処だ?」と私が居ないことにようやく気づいたようだ。
「ペレーサ様、私は、ここにおります。」私は、バルコニーから呼び掛けに応じた。
クソ王子は、「君は、そんな所で、見投げする振りでもして、余の憐れみを誘い婚約破棄を撤回出来るとでも思ったのか?」とのたまいやがった。
私は、すぐさまバルコニーの手すりに登り、「ふざけるなぁ!そんな訳あるか、クソ王子」と叫び、両手を広げ、宙に飛び立った!
プランチャ・スイシーダ!
私の身体は、覆い被さるように、見事クソ王子に命中。クソ王子は、グロッキー状況。
私は立ち上がり、無駄に端正な顔を踏みつけ、「ワン、ツー、スリー」、右の拳を天高く突き上げた。
(あー、やってしまった、これは反逆罪で処刑間違いなしだな...)
君子危うきに近寄らずで、目も会わせてくれない同級生達、気まずい時間が経過する。
そこへ、担任が、国王と学園長を連れて、ダンスホールに戻ってきた。
国王は、「皆の者、折角の宴を、愚息が興醒めさせて申し訳ない。父として謝罪させてもらう。ペレーサ、婚約破棄は無効だ。婚約破棄をしたいなら、在学中に、レイチェル嬢から見事スリーカウントを奪い返せ!話はそこからだ。まあ、みっちり身体を鍛え直さないと奪えんだろうが。レイチェル嬢、在学中、戯れ言に付き合ってやってくれ、在学中、見事に逃げ切れば、王家が有責で婚約の解消を約束しよう。」
私は、国王の鶴の一声で、いつ何時も、クソ王子の挑戦を受けることになった。
その刹那、青白い顔をしたクソ王子が、「レイチェル!」と叫んで詰めよってきた。
私は、クソ王子の顎に、掌底を撃ち抜き、KOした。
婚約解消まであと、二年と360日
拙作をお読み頂きありがとうございました。