第一章2 『違和感』
昨日見た景色だ…
もう、次の日になってたのか?寝過ぎだよな、おい!
バン!
とドアの開く音。
「おいおい! またか、その入り方しかできないのかよ!」
「おはようございます!! ノヴァ・エレクシュタイン様の補助役様!!びっくりさせちゃいましたか?!」
「おはよう! いい朝だね~! 補佐役君!」
「失礼ですよ、アル! 妹がすみませんでした、補佐役様、よくお眠りになられましたか?」
「お、おぅ! おはよう! 今日もいい朝だね! ユアちゃんとアルちゃん、それとルナさん!」
目を見て話すくらいの礼儀はつけていかないとね、そう思ったから、彼女らの目を見ながら最低限の会話を済ました。
「あれ~!? 何で、私たちの名前を知ってるの? 補助役君?」
明らかな疑いの目で、アルが見てくる。視線が痛い…
「え、は……? なんで……」
答えが聞かなくてもわかるような質問に、思わず気の抜けた回答をしてしまう。
「だーかーらー! 何で私たちの名前を知ってるのって聞いてるの!」
「は…………? いや……昨日……」
「なんなの! この男は! 会ったそばから、私たちのことをバカにしてるのかしら。」
この、可憐な美少女はそう言うと、ふん! とそっぽを向いてしまった。
「あの、えっと、実は、俺は昨日もここで、君らと会って少しばかりお話を…そのときに、君たちの名前を知って…」
そっぽを向いてた顔がこちらに傾き、ジーッとアルはそのきれいな青色の瞳でこちらを覗き込んだあと、ふぅー、とため息をついてこう言った。
「悔しいですが本当のようですね、アルは人の心、考えてることが少し読めますので、補助役様が嘘をついていない、ということは分かりました。ですが! 昨日というのは嘘のはずです。昨日……この部屋は、空き部屋でしたもの」
は・・・・・・?
あ き べ や ?
ーー ー ーー ー ーー
「そんなことよりルナ姉さま、たった今重大な連絡がアルに届きました」
-前と同じで丸聞こえだけど-いいのかな?-
「そうだ!、それ、俺が『受付』とやらを通ってないって連絡だったりするか?」
「……………… 違うわよ」
アルってば典型的な嘘ばれちゃうタイプの人なのかな?これもこれで、かわいい。
「そのー、なんだ、受付ってのは通らないといけないものなのか?」
「はい! そーですよ、そーですよーだ! テンプレだもん通んないといけないよ! 通らないと殺されちゃうんだし、その説明も受付の役目なのに! それとね…」
「アル! それは言ってはいけない約束でしょ!」ルナがその見た目からは想像できないほど迫力に満ちた声でアルの話を遮った。
「それはそうと、補助役様、あなた、死んでますわよ」唐突に…
「ま~た、その笑えない冗談を言って~、俺は『死んだ覚えなんてない』!」
え!? 頭が…
グッ… クッソ… ハァ…… ハァ……
まただ…まただよ…この感じだよ…意識が飛びそうで…頭クラクラ……目に水が入ったみたいに…霞んで見えなくなる。
ハァ… クッ
頑張って目を凝らすとルナが不適に笑っていた………
なにを…し…た………
シ…… ヌ…………
もし最後まで、読んでいただけたとしたら、心のそこからありがとうございます
!!!!!
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