第一章 1 『始まりのテンプレ』
チュンチュン チュンと雀の鳴き声...
「俺はいつの間に寝ていたのか」
まぶたを開けると冬の低い日差しが目に飛び込んできて、俺は思わず手をかざした。
「え!? 俺の全く知らない場所だ、ここは?! どこなんだ?」
「え~と、寝てる間に捕まって外国に拉致されたとかか~? アハハ ハハ」
「もし、それが本当だとしたら監視とかいるはずだろ? しかも普通? もっと粗末な部屋のはずだよな? 」寝ぼけと混乱とが半々で、理解が全くできない。
でも今たしかに、知らない場所の、知らない建物の知らないベッドの上!しかも豪華なベッドで横になっている。
「これは! 」と目を見開く。
「まさか異世界!? いや、夢だよな、もし異世界転生なら、トラックに跳ねられて、きれいなお姉さんが、チートな能力とか職業とかをくれるはずだよな、それがテンプレなんだから!無いと困るだろ!そうだよなー、一瞬期待しちまったぜ!俺としたことが、夢なら夢とて早く起きないとな現実で...」
異世界なんて夢だよなと思いベッドに潜ろうした。
バン!!
とドアの開く音。
「うぉーぁ? あぁ?! 」「なんだ?!」
ドアが威勢よく開き三人の女の子たちが俺の寝ていた部屋に声をかけながら入ってきた。
「おはようございます!! ノヴァ・エレクシュタイン様の補佐役様!! びっくりさせちゃいましたか?!」っと黄色?金髪?の女の子。
「おはよう! いい朝だね~! 補佐役君!」っとお次はきれいな白い髪のシルバーちゃん!活発そうだな~。
「失礼ですよ、アル! 妹がすみませんでした、補佐役様、よくお眠りになられましたか?」とピンクゴールド色の髪の女の子がペコリとお辞儀しをした、お姉さんって感じ?
「えーと、目の前に瓜二ついや三つの美少女、三人組しかも髪色が金髪、シルバー、ピンクゴールドかよ...それに髪型も同じサバサバショートカット。服装は...メイド服………似合いすぎだろ!」
「それになんてった? 補佐役? 俺のこと。言っているのか?」
とりあえずベッドから起きて近くにあるレトロ風でおしゃれな椅子に座った。
そして「一旦落ち着こう」とため息をついた。
「ははぁぁー」
「どうしちゃったの? もしかして疲れちゃったの? 補佐役君?」
「しかもさっきからどこの言葉をしゃべってるの?」とアル、と呼ばれていた少女が不思議そうに首をかしげた。
首をかしげるのもかわいい。
「ん? 日本語って言葉だけど...」知らないのかな?
なんだろぅ?とアルが首をかしげる...視線が痛い。
「ねぇねぇ! ルナ姉は知ってる?」アルは目をキラキラさせて右にいるルナと呼んだ少女に聞いた。
「ん~。ごめんなさい! どこか別の国の言葉を話されているのはわかりますが。どこの言葉でしょうか?」
ルナと呼ばれたピンクゴールドの髪の娘も不思議そうに言った。
「ねぇ、もしかして、ユアならわかったりする?」
「はい! わかると思いますよ、ルナ姉さま、ユアは天才ですから! やるときはやりますよ!」とはにかむ。
「では補佐役様、もう一度、先ほど話されていた言葉を話してみてください!」と言うとユアは近寄って目の前に座る。
「わかったよ。俺の名前はソウジ、相沢 総司だよ。」
ユアはコクりとうなずいた。
「わかったの? ユア?」
「ん~~と、はい! わかりました。この言語は、第8異世界所属、、第26宇宙の五ケ星筆頭『地球』の言語NO.3『日本語』ですよ!」
「さすがユアね…」ルナは感心した様子でユアに言った
「もちろんでございます!なにせ、ユアはノヴァ・エレクシュタイン公爵様の言語翻訳兼、来客接待が主な仕事ですので!こんなことくらい朝めし前でございます!」すごい嬉しそうな、褒めて欲しそうな顔でユアが言う...
「かわいすぎかよ...」
ー ーー ー ーー ー ーー
「ところで~そろそろこの状況を説明してもらっても……?」
「あ! そうね!忘れてたわ。では、補佐役様いえ、ソウジ様、何なりとユアたち姉妹にお聞きください」
「さんきゅ!じゃあ一番聞きたいことを聞くが、なんでこんな平凡なやつをここにつれてきて、補佐役なんかにしたのか、理由を教えてくれるか?」
「わかりました…ここは人事兼文化担当の私、ルナがお答えしましょう。理由としては一つだけ...」こう言いながらルナは俺に歩み寄ってくると。
「ソウジ様には、見込みがあった、とうかがっております。なにせ、ここの領域とでも言いましょうか、この場所の所有者であるエレクシュタイン公爵様、直々の指名でしたもの。すごいことですよ!」一瞬微笑んだが、スッと表情は消える……
「ルナ姉様、ソウジ様は『受付』を通っていないとの連絡が……たった今入りました。ですがどうやって……」アル真剣な顔でこっそりとルナに耳打ちをした。
-聞こえちゃってるけどいいのかな?-
「………なるほど、そうですか…… 普通の人間なら四肢爆散して、死んでしまうはずなのに…」ルナはもはや人間かを疑うかのような口調で言った。
「おそらくあれですわね。それだから、引っ掛からなかったのか……… 」
「あなた…死んでるわよ?」とルナは唐突に重大なことを言ってきた。
-は?-
-何言ってんだ??? 死んでる? 俺がか……?-
『死んだ覚えなんてないぞ…』
そう思った瞬間、目の前が…クラクラしてきて……
意識が……… クッ… ハッ
ドサッ…………
もし最後まで、読んでいただけたとしたら、心のそこからありがとうございます
!!!!!
評価や感想をいくらでも書いてください!モチベや続きを書く気になります。
よろしくお願いします。




