④ 由真、復活
どうやらハンターの出番のようね、と少し考えると葵は言った。
「ハンターか……」
秋月も反芻するように呟く。その口調に驚きの色はなく、むしろ当然という響きがあった。
DDはそのサイズにより分類されている。
10メートル以下をカテゴリー1、10~30メートルぐらいのものをカテゴリー2と呼称していた。30メートルを越え、MDF能力を持つDDはカテゴリー3以上となる。
カテゴリー2まではMDFを持たないため拳銃でもダメージを与えることができる。ただ、耐久力があったり、硬い皮膚を持っていたりするケースが多く、人間サイズのカテゴリー1クラスでも拳銃で倒すことは難しかった。特に厄介なのはカテゴリー1の2~10メートルクラスのDDだ。対人用の携帯火器ではパワーが足りず、かといって飛天のような大型兵器では運用時の周囲へ被害を考えると使い勝手が悪すぎた。家にいるネズミを駆逐するのに火炎放射器を使うようなものだ。そこで開発されたのがハンターと呼称されるカテゴリー1対応兵器だった。
「ハンターを使いましょう!」
葵は決断を再度、宣言した。
「いすずは遠距離から《0020》を監視。
私と麻衣はハンターを使って避難の支援とカテゴリー1の排除をします」
「りょーかーい」
「了解」
いすず、麻衣が反応を返す。と、その会話に割り込む声があった。
「ハンターなら私も参加できるよ」
葵の全面スクリーンにフェイス画面が浮き出る。ユーマオペレーションルームのフェイス画面に一瞬工藤曹長の顔が映ったがすぐに押しのけられ、替わりに超ショートヘアーの女性の顔がアップになった。
名取由真、2等陸尉だ。
「由真、あなたはさっきまで心臓止まっていたのよ。今はおとなしくしてなさい」
葵はあきれ顔でたしなめた。それも当然。由真の飛天は初戦の《0010》の光学兵器を受け大破した。その際のシナプスリンケージシステムからのダメージインパクトで心臓停止に陥っていた。オペレーターチームの必死の蘇生術でついさっきようやく回復したのだ。
「話を聞くとカテゴリー1の数は1体、2体じゃないみたいじゃない。ならハンターの数は多ければ多いほど救える人が増える。そうでしょ?」
「それは、そうだけど……
いいわ。分かった。
では、私と麻衣、由真はハンターで双美市内のカテゴリー1を殲滅しつつ、市民を保護します」
葵は素早く決断を下す。
「了解。
ハンター起動準備!」
オペレーションルームに秋月の声が大きく響き渡った。




