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超弦天使 レヴァネーセス ~ 夏に降る雪  作者: 風風風虱
epic 8 時は残酷な女王の吐息
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③ 優先すべきこと

『各SSIBの位置補正は終わりした。後は時間設定をします。現在、時間のキャリブレーション中です。それに3分ぐらい必要で、それから設定に入ります。

それで時間は幾つに設定するんですか?』

「ごめんなさい。まだ、決めれてないのとりあえずいつでも設定できる状態にしておいて」


 葵はSSIB設置チーム『ワークホリック』との回線を切る。

 一度、ため息をつくとオペビークルへと繋げた。


「秋月さん、聞こえますか?」

「聞こえる」

「そちらの方はなにか分かりましたか?」

「やはり双美市内以外とはどことも連絡がとれん。ただ、市内ならば色々なところと連絡が取れた。無線で繋がるところ限定だけどな。

一言で言うと混乱している」

「混乱?」

「周囲は完全に白い正体不明なものに囲まれている。これは地下にも浸透しているらしい。脱出は不可能な状態ということが警察や消防の方からの連絡で分かった」

「つまり民間人が取り残されてしまったって避難ができないってことね。

……厄介ね」

「ああ、厄介だ。そいつも厄介だが、もっと厄介なことがある」

「もっと厄介なこと?」

「市内に化け物が出現しているらしい」

「化け物? 

《0020》以外にDDが現れたって言ってる? 

侵食球も侵食体も発生していないでしょ?」

「してない、いや、俺たちが知らないだけかもしれない。まあ、その議論は置いておくとして、警察やらの情報を総合するとカテゴリー1クラスのDDがいたるところに現れて市民を襲っているという話だ」

「カテゴリー1クラスがいたるところにって……」


 そこで葵は言葉を切った。次に言うべき言葉を見失ったという方が正解だ。代わりに秋月が会話を引き取った。


「警察の装備ではカテゴリー1クラスといえどもDDに対処するのは無理だ。

こうしている間にも市民に被害が出ているようだ。まず、こっちのほうをなんとかすべきだと思う」

「外部の支援があてにできない今、DDに対抗できるのは私たちだけってこと?」

「そういうことになる」

「それにしても、私たちだけで全市民を保護することはできないわ」

「今、双美研究所と連絡をとっている。

あそこの警備は自衛隊の管轄だから、装備も訓練とそれなりの人員が揃っている。

そっちの協力を得ながら、市民を一ヶ所に集めて保護しようとしている」

「なるほど」


 秋月の提案に葵は一応納得をする。


「では、市民の安全確保を最優先としましょう。市民の誘導はどうするの?」

「そっちは警察と消防の方でやってもらっている。今、手分けしてやってもらっている」

「そう。じゃあ、私たちは市内のカテゴリー1を始末すれば良いのね」


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