さて、誕生日パーティーを船上でやろうか。
お読み頂きありがとう御座います!!
デュミナス領の『ミレーナ』を出た『アルゴー』は王国の『ナガースフ』を目指す。と言っても3日程なので直ぐに着く様なものである。
魔導具の無線通信でエリオット兄さんにデュミナス領の港町が『ミレーナ』と言う名前になった事を連絡すると「私の名前は使ってないだろうな?」と物凄い低い声で言われたので、マイケル兄さんが言った事もあながち冗談じゃ無かったんだなぁと胸をなで下ろした。
今の領主の街は『デュミナス』と決まったと聞いたエリオット兄さんはご機嫌だったよ。ミレーナ姉さんには伝えずにこちらに来たときに驚かせようと言ってたが、多分その前に噂話でバレると思うよ。
タマとフクゾウは何かしらの意思疎通をしながら遊んでいる。
一方のガンミはオレに付きまとっている。常にオレの側に居るが、光学迷彩なのか消えているので他の者にはまず分からない。オレは魔力感知で常に把握しているので、時々ミスリルの鋼糸でからめ取って遊んでいる。
《ち、ちょ!ワタシで遊ぶのは止めなさい!!》
「ん?何か問題でも?」
《ま、またそうやってフクゾウに電撃アタックをさせようと言う腹積もりですね?そう何回もやらせませんよ!》
「え〜〜何かつまんないな〜。サターンの話でもしてよ」
《サターン様の話は約束なので話せません》
そう、フクゾウの電撃アタックを喰らっても結局肝心な事は口を割らなかったからね。何かしら重大な約束事をしているのだろう。仕方無いかな…。
「今度はタマに猫パンチして貰うよ」
《ちょ!!止めて下さい!流石の私も壊れます!!》
「自動再生能力くらいはあるでしょ?それに中身も見てみたいんだよね…」
《ま、ま、まずはお、落ち着きましょうね…どうどう…》
人を馬扱いしてるし…ただ、中身が気になるのは本当なのだけとね。
サターンは後継者を見定めて何をさせるつもりなのだろう?
「ニャア〜」
「おっ、タマ良い所に来たな!」
《ひええええ!!お助け〜〜〜!!》
「あっ、逃げたか…タマに猫パンチしてもらおうと思ったのにさ」
オレはいつでも本気だ。
『ナガースフ』に到着したので早速カルタスさんは王都や『レオクレータ』などに帝国の品々を運んで行かせた。『ダーラムス』や『コックスナル』で売ると帝国から来た商人達と品が被るので大半は税率も有利な王国内で売る予定である。もちろん王国の品々はガッチリ売らせてもらう。
後はリュピタルの『セリュース』で売る予定だ。『セリュース』の領主様とは税率を10分の1にしてくれる話になっているので、帝国、王国、連合の品々を売りさばくのだ。
リュピタルからは資源を中心に貴重な品々を仕入れる予定だ。鉄鉱石や銅、オリハルコン等々を輸入するのである。
『ナガースフ』では領主様が屋敷に招待してくれた。帝国との交易が出来る事で相当な利益も期待出来ると有って手放しの喜び様であった。オレは帝国で買った銀製の食器類を土産として渡すと大変に喜ばれた。
『ナガースフ』での停泊を終える中、定期便の『シルフィード』がやって来た。客の入りはソコソコかと思いけや、ほとんど満席で馬車も7割は埋まる大盛況だった。
『アルゴー』はそのまま『ナガースフ』を出航し『ダーラムス』に向かった。こちらはさほど天候は荒れないので平和な船旅である。
ヴィーグル船長とカルタスさんとオレは食堂でチャックの料理を楽しんでいた。
「このオークの味噌焼きってのは絶品だな。いつ食っても美味いぜ!」
「そうでしょう?コレもアレス坊っちゃんのレシピなんですよ」
「はぁ?アレス坊のレシピって…アレス坊は料理にも精通してるのか??」
「アレス坊っちゃんは私の知らない様な料理まで簡単に作れてしまうんですよ」
「へぇ~ソイツは知らなかったぜ!」
「オレはアイディアだけだよ。ちゃんとした料理にしてるのはチャックだから出来てるんだよ」
「アレス様の奇想天外な発想力は料理にも活かされてるんですねえ〜」
「大したもんだぜ、てかホントに8歳か?」
「あ〜そうか、そろそろ9歳だな。忘れてた…」
「やっぱり忘れてたんですね…アレス坊っちゃん…」
「まだ『ダーラムス』には時間がありますからね…じゃあ船上パーティーなんていかがですかね?天候も良さそうだし」
「いやいや、そんなのやらないで良いから…」
「おっ!やろうやろう!アレス坊の誕生日パーティー」
ううう…船長まで乗り気なのかよ…パーティーってホント苦手なんだよな…。
何だかオレの手を離れて三人で色々やってるからもうやるしかねぇ…。
そして2日後の誕生日に船上パーティーが催された。何か結構な人数になっててビックリしたが、船の上で何も無く過ごしてるから皆もそういうのに飢えてるらしい…。
チャックが作った料理と冷えたエールは大人気であった。オレはケーキを散々食わされたので腹一杯で料理はほとんど食べれなかった…。あ〜こんな時にサテランティスが居たらケーキは全部食ってくれたのにな…アイツ元気にしてるかな?
「ニャア〜」
たらふく肉料理を食ったタマとまんべんなくつまんでたフクゾウがやって来た。どうやら満足したらしいね。タマはモフモフ要求して来たのでモフモフする。とても可愛い。
フクゾウは肩の上でぴょんぴょん跳ねている。とても嬉しそうだ。
最後に挨拶させられて船上パーティーは終わりになった。ヴィーグル船長とカルタスさんとチャックは終わってからもエールをガチ飲みしてた。ホントにご苦労様。
まあ、そんな事も有ったりしたが基本的に静かな海だったね。あれよあれよと言う間に『ダーラムス』にゆっくりと入港したのである。
『ダーラムス』では帝国からの商人達が『コックスナル』に向かって競争する様に行ってしまった。ここからは初航海となるので皆疑心暗鬼の様だね。魔の海峡を越えられるのかどうか…。
まあ、様子見すれば良いよ。信じたものだけが儲かる様になってるのだからね。
帝国からも肝の座った商人達はリュピタルに向かう事を選んでいる。まあ、あの嵐てもスピードを落とさず爆進してたからね。
流石に3分の1くらいの馬車スペースになってしまったが、まあ仕方無いね。
さあ、後2日でリュピタルに向かう事になる。果たして『アルゴー』は魔の海峡を越えられるのか??
ブクマやご評価頂きまして感謝しかありません。
また、ご感想や誤字脱字、修正依頼など皆様の応援が高いモチベーションを保っている要因です。本当にありがとう御座います。
これからも楽しい物語を書いていければと思っております。
素人の小説モドキですが、皆様に楽しんで頂けたら嬉しいです。




