さて、辺境領の港を更に大きくしようか。
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『ナガースフ』を出航する際、領主様はわざわざ見送りにまで来てくれた。コレはマイケル兄さんと話をして、礼状と何か手土産を持って来ないとマズいだろうね。こういう味方は多ければ多いほど良い。
出航してまもなくマイケル兄さんより連絡が入った。何かあったのかな?
「これはこれはデュミナス卿…本日のお日柄も良く…」
「それ、やめなさいよ!」
マイケル兄さんはかぶせ気味に突っ込んて来た。良い傾向だな。
「で、兄さん何かありましたか?」
「うむ、先程帝国のハウアー財務大臣よりの書状で、帝国の港町である『ラスカンフェル』への入港が許可されたよ。どうやら皇帝の下知が下ったらしいね」
「やった!これで帝国との交易も道筋が立ちましたね!!」
「これはデカいよ。『ラスカンフェル』と言えば帝国随一の商業都市『アナスレーダ』に一番近い港町だからね」
「早速、カルタスさんには話をします。何を持って行きましょうかね」
「じゃあ帰って来てから会議を開こう。このまま港で待ってるよ。船がもうすぐ出来そうだからそれの事も話したい」
「コチラも『コックスナル』の十老頭のサガン様からウチとの直接交易をしたいと申し出が有ったので、帝国との交易は目玉になりますよ」
「なんと『コックスナル』の…サガンと言えば十老頭のトップじゃないか!!」
「驚かそうと今まで内緒にしてたんです。そのうちサガン様が直接マイケル兄さんに挨拶に来ると言ってました」
「アハハ!こいつめ!相変わらず驚かされるなアレスには…が、これも朗報だな」
「はい!後はリュピタルまで結べば完璧ですよ」
「そうだね、そちらも重要拠点だからね。そちらの豊富な資源は必ず大きな取引を生むはずだよ」
「ですね!楽しみだなあ〜!」
「じゃあ帰りを待ってるぞ!」
マイケル兄さんとの連絡を終えたオレは早速カルタスさんに話をした。カルタスさんは大興奮していたが気持ちは分かる。船に居た商人達にもこの情報を流すと結構な騒ぎになった。
ヴィーグル船長にも帝国との交易が許可されたと聞くとかなり驚いていた。
「何だと!!『ラスカンフェル』に行ける様になっただと!!」
「はい!兄さんの所に書状が届いたらしいです。コレで帝国との交易が実現しますよ」
「港町『ラスカンフェル』は難攻不落と言われる海上要塞を持ってる。アソコにゃ苦労させられたぜ…」
「あ〜海賊時代の話ですか?そんな遠くまで良く行きましたねぇ…」
「まあ、若かったからな!ガハハハ!」
「ウチからだとどの位掛かりますかね?」
「そうだなぁ…『アルゴー』なら20日も有れば大丈夫じゃ無いか?」
「じゃあ少し時間を貰おうかな。港をもう少し大きくしないと」
「ん?今でも充分デカいぞ。何でまた大きくするんだ?」
「向こうは海上要塞が有るのだからコチラもナメられない様にしなくては…」
「そこかよ!!」
2日後、オレ達は遂にデュミナス領に帰って来た。港に入ると既に中型の船は1隻完成していた。思ってたより早い。
街の様相もソコソコ変わっていて街が大きくなっている。この港では8日ほど滞在する。
オレは帰って早々に港をデカくする為に開梱用のオートマタを港の工事用に造り替えた。
コレで港は更に大きくなる。そして巨大な灯台を作らせる事にした。高層建築用のオートマタを新たに造った。
いよいよマイケル兄さんと会議だ。会議の出席者はマイケル兄さん、カノー、カルタスさん、ヴィーグル船長、ギッデ親方、リッカさんである。
「遂に帝国との交易も繋がり、『コックスナル』にも正式な交易をする予定である。何か意見は無いか?」
「薬草の収穫は今最盛期でどんどん集まってるわ。マジックポーションを作る魔導具がフル稼働してるけど中々ねぇ…」
「じゃあもう1台くらい作るかな?リッカさんトコに置けばいい?」
「もちろんよ。いつ出来る?」
「すぐやります」
「次はオレだな!アレス!ミスリル製の武具はだいぶ出来てるぞ!鋼鉄製のも充分な数は揃えた。軽装用のアルミ合金製のも揃ってるからな!」
「完璧ですね親方…」
「そうだろう?ガハハハ!!」
「これだけ揃っていれば中々の取引が出来そうですよ。ウチは今回仕入れて来た『コックスナル』と王都の品を馬車で直接『アナスレーダ』に持って行く予定です。そこで帝国の品を揃えておけば船が来た時に積み込めます」
「じゃあカルタスさんも大丈夫と…」
「じゃあ帝国から帰ったら他を経由した後で問題のリュピタルまで行く事にしよう」
「良いんですか?船長?」
「今までの航海で問題無く航行出来ている。『アルゴー』の性能は間違いなく世界一だろう。これなら魔の海峡も大丈夫な筈だ」
「ヨッシャ!!コレで考えてた航路が全部繋がる!!」
「アレス、中型船だがもう就航出来るがどうする?」
「そうだなぁ…早速『ナガースフ』に定期便を出しますか?カルタスさんもそれの方が良いでしょう?」
「それは助かります。是非にお願いします」
「その船の船長は俺の舎弟にやらせるぞ。もうこの港に来てるはずだ」
「おお!流石はヴィーグル船長!手回しが早い」
「まあな、他にも舎弟が待ってるから船を造ってやってくれ!」
「後2隻の予定ですから、随時お願いします」
「分かったぜ。つなぎは付けとく」
「マイケル兄さん、『ナガースフ』の領主様へ礼状と何かを贈りたいのですが。後は帝国ですね」
「帝国には礼状とコチラの就航許可証を送る。品はギッデ親方が既に用意している」
「うむ、『目一』の剣を作っておいたぞ」
「それは皇帝に渡すという事で宜しいですか?」
「そのつもりだよ。ハウアー財務大臣には何を送ろうか?」
「マジックバックの特注品にしますよ。アルミ製のね」
「ほう!それは見てみたいな!!」
「後でギッデ親方の所に見せに行くよ!」
まあ、要はアルミ製のアタッシュケースをマジックバックにしたものを贈る予定だ。あの人は旅に出る事も多そうだから頑丈で軽いマジックバックは喜ぶだろう。
こうして会議は今後の色々な事を決めつつ、皆の提案を実行に移すべく動き出すのである。
次の日、リッカさんの店に魔導具を持ち込んだ。例のマジックポーション製造器である。
「流石はアレス君!仕事が早いわね〜」
「他ならぬリッカさんの頼みですからね。そりゃあ急いで作りますよ」
「ウフフッ、アレス君のそういうトコは好きよ。じゃあ製造開始するわよ」
「じゃあ宜しくお願いしますね!」
「任せといて!!」
リッカさんの店を出たオレは樹海に居る『オオワダ』君の所に行く。【魔虫ガイム】の成長具合を確かめに行ったのだ。
『オオワダ』君はいつもの土下座の様な格好で【魔虫ガイム】の世話をしていた。
「おーい、『オオワダ』君【魔虫ガイム】はどうだい??」
『ガイム、3匹繭になったアルヨ』
「マジか???コレで卵でも産んでくれたら…」
『他のガイムももうソロソロ繭になるアルヨ』
「頑張ってな。期待してるぞ」
まさかの朗報だな…コレで繁殖したらマジでヤバい気がしてきた。
樹海を後にしたオレは港の方に鉄馬と『シュワ』ちゃんの馬車で向かった。
かなり工事が進んで港も大きくなって来ている。灯台は流石にまだだけどね!!
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