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さて、カニでも食ってから帰ろうか。

お読み頂きありがとう御座います!!

『ダーラムス』での船内見学も大盛況のうちに終わり、そろそろ出発まで後一日という頃にアッシュ総長を送り出したギルマスが俺の所にやって来た。


「アレス、ちょっと冒険者として頼みたい事が有るんだが…」


「内容によりますけど。どんな内容でしょうか?」


「ココからリュピタル方面に10キロ程行った小さな島にカニの魔物が出てな、被害が大きくなっている。そこでチョチョイ〜とやっつけて欲しいのさ」


「討伐依頼か…SS級クエストっぽいね…」


「よ、良く分かったな…」


「俺に頼んでくる時点でS級クエスト以上でしょうに…で海の魔物なら…SS級。簡単な推理ですよね。良くチョチョイ〜とか言いますね」


「ううう…報酬は総長に上げてもらったから何とか頼む!」


仕方ねぇなあ〜船で行くのは厄介だし…10キロなら転移装置使えるか。


「了解しました。その代わり魔石と珍しい部位は頂きますよ」


「わ、分かった!とにかく頼む!」


オレは『アルゴー』のカジキ型オートマタに5キロごとに転移装置を持ってもらい、そこにジャンプする事にした。


『アレス様、準備が終わりました』


「了解、タマ行くよ!!」


「ニャア〜!!」


あらかじめ魔力を分けてあるタマは久々の戦闘でやる気満々である。転移装置に魔力を通すといきなり海の上に出た!


「うぉっとっと!」


カジキ型オートマタも2m位だからさほど大きく無い。足場が無いので海に落ちそうになる。オレは落ちそうな体勢で転移装置に魔力を通す。するとまた海の上だったが何とかカジキの上に片腕で逆立ちをしてバランスを取る。サーカスかよ!!

そして、そのままカジキの上にまたがって前の島に向かうと、15mくらいのデカいカニが島からいきなり出て来た!!


「ニャア!!!」


やる気満々のタマはそのデカいカニに飛び掛かって行く!!オレは魔銃コルトを構えてタマの援護に回る。タマの攻撃は硬い甲羅が邪魔をして中々通らない。オレの攻撃も強設定にもかかわらず弾き返される。

オレはシリンダーをアダマンタイトの奴に交換し狙いを絞った…。タマが攻撃し離れた後に発射!!カニが盾にしようと前に出した右のデカい爪の関節部に当たり、爪がボトッと落ちた。

タマはカニの目玉を切り落としていた。そこに向けて魔神銃からヒントを得て新たに作製した『魔力を帯びたアダマンタイト』のシリンダーに交換し、狙いを定める…タマが渾身の猫パンチを出すと目玉のとれた辺りからガッチリと爪の跡か付く。

そこに向けて引鉄を引いた。

するとそのまま甲羅を貫通してカニは絶命した。


「タマ!良くやったね!」


「ニャア〜」


タマがオレの肩に乗り頭を擦りつけてくる。満足した様で良かった。それに可愛い。


異次元バックマックスに獲物を入れて、もう慣れたカジキの転移で船に戻った。

ちょっと様子見してくると言っておいたギルマスがオレが戻って来たので


「どうだ倒せそうか??」


「もう倒して来たのでギルドに行きましょうか?」


「へっ??た、倒しただとおお!!!」


驚くギルマスを連れてギルドの解体場に向かい、着くとカニをぶちまけた。


「で、デカいな!!コレを倒したのか??」


解体場の主任が驚いている。そこにギルマスが彼らに言った。


「15分位で戻ったんだぞ!!実質10分掛かってないぞ…マジで」


「う、ウソだろ!!そんな…バカな…他の連中がどれだけ苦労して…」


「じゃあ爪だけ貰いますね。カニ鍋したいので…」


「…じゃあちょっと待ってろよ」


主任が水圧で切る魔導具でカニの爪を切って行く。へぇ〜水圧のカッターがこの世界に存在するとは…転生者のしわざか?

きれいに4つに切れた爪を異次元バックマックスに入れていく。


「魔石は急がないので次に就航した時でも取りに来ますよ。後はギルドでオークション出すなりして下さいね。お金は急ぎませんから後でギルド証にテケトーに入れといて下さい。宜しくお願いします」


「そりゃあ助かるぜ!!なあギルマス?」


「オークションに出せればかなりの値がつく…いやぁ、討伐も含めて助かるよ、アレス」


「ギルドに少しでも貢献するのがS級の役目ですからね。それじゃあカニ鍋するんで失礼します」


ギルドを後にしたオレは『アルゴー』に戻ってそのままチャックの所に行った。


「おや、坊っちゃん、どうしたんです?食事にはまだ早いですよ」


「チャック!これ見てよ!」


オレはカニの爪を食堂にドカンと出した!スタッフからも「おお!!」と声が上がる。


「こ、これは…どうしたんですか?」


「さっき討伐依頼が出たんで倒してきたの。カニ鍋したいから爪だけ持ってきたよ!!今日の夜はカニ鍋パーティーだ!!」


「うおおお!!」


スタッフからヤンヤの大騒ぎ。『アルゴー』に乗組員全員集めさせて『ダーラムス』最後の夜はカニ鍋パーティーとなった。

準備万端整った所でヴィーグル船長にスピーチを任せる。


「お前ら!!今回の航海と船内見学、色々とご苦労だった!!アレス坊がデカいカニの討伐をして爪を持って帰って来た!お前らの労をねぎらってのカニ鍋パーティーだ!!どんどん食えよ!!」


「うおおおおお!!」


「それじゃあ乾杯!!」


「カンパーーイ!!」


皆飲みながらカニ鍋を突っつくと「ウマーーー!!」とか「コリャたまらねぇ!」など大騒ぎである。

オレもチャック特製のカニ鍋をいただく…う〜ん美味い!!味噌仕立てにしてる所がヤバい。隣で船長のをよそっていたチャックがオレの方を見たので


「チャック!!すげぇ美味いよ!味噌味が良いね!」


「坊っちゃんの好みですからね!」


「いやあ、チャックの料理は何でも美味えが、コレはまた特に美味えな!」


「船長の口に合ったなら良かったですよ」


チャックは船長にも褒められて嬉しそうだ。

皆も次々と鍋をおかわりしている。オレ達は具が無くなった時点でご飯を入れて玉子を掛けて蓋を閉じる。


「何やってんだ?おかわりしねーのか?」


「船長、コレは鍋のシメって奴ですよ」


「さあ、そろそろ出来ますよ〜ほい!」


「キタァ〜〜〜シメの雑炊やあああ!!」


船長は引き気味だけどオレ達は嬉しさMAXだよね〜〜〜!!


「あっつ!!けど美味い…ハフハフ…」


「船長もどうぞ…熱いから気を付けて」


チャックから渡されたシメの雑炊を怪訝そうに見ながらひと口食べる。


「おおお!!こ、こりゃあ美味えええ!!」


「でしょ〜?この残り汁にはカニや野菜のうま味が凝縮されてんのよ。それを米が吸い取るからね!」


他でもシメをやり始めると一気に広がり雑炊一大ブームになりそうな予感だ。コメが無くなるかと思ったが『アルゴー』が予測して米を炊いて待っていた…恐るべし『アルゴー』予測だ。



翌日、客と馬車の乗り込みを始めて行った。積荷だけは前日までに終わらせている。

出発はお昼頃である。

前の日に酒も鍋も雑炊もたらふく飲んで食べたヴィーグル船長だったが、翌朝は平気な顔をして馬車や人の流れを双眼鏡で確認してる。タフだなぁ〜。


「うむ、馬車の積み込みも順調そうだな。『アルゴー』客の入りはどうだ?」


『後、1時間ほどで並んでるお客様は船内に移動出来ると予測します。馬車の方も順調ですので、定刻までには充分な時間が御座います』


「うむ、ご苦労。アレス、このままなら定刻で出発出来るぞ」


「了解です。じゃあ定刻まで見回り行ってきます」


オレはタマを連れて見回りという船内散歩を始めた。見回りは専任が居るし、警備用オートマタも居るし、『アルゴー』の監視もあるから要らないのだけどね。

こうやって見回ってみると『ナガースフ』からコチラに来る時よりも間違いなく客も馬車も多い。船内見学の効果なのか?などと実感出来る。肩に飛び乗って来たタマの喉をゴロゴロしながら甲板の方に出た。良い天気だし良い出航日和になりそうだね。


「良し、定刻だ!錨を上げろ!!」


『アルゴー』は錨を巻き上げて行く。街の人達が多数見守る中で『アルゴー』は岸から離れてゆっくりと回転して行く。

そして、ヴィーグル船長がゆっくりと立ち上がり言い放す


「回転良し…『アルゴー』発進!!微速前進!!」


汽笛を鳴らして別れを告げる『アルゴー』に街の人達は大きく手を振っている。

微速前進からしばらくして全速前進に移ると岸がどんどん小さくなって行く。


こうして、オレ達は『ナガースフ』に向けて航海を開始した。


ブクマや評価を頂きまして大変感激しております。

つたない小説モドキですが、皆様の応援が大きなモチベーションになっております。

また読みたいと思われた方はブクマと星な評価をお願い申し上げます。


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