さて、アルゴーへの船内見学でも開こうか。
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主に冒険者ギルド本部と『コックスナル』の十老頭を相手にした就航パーティーも無事に終わり、馬車や荷物、旅行者を下ろし終えてヴィーグル船長とタマとゆっくりしていた。
「船長の煽りが中々良かったですね。もう少しチャンスがあるかと思ってたのに」
「まあ、あのゴチャゴチャ言ってたジジイに一発カマせてスッキリしたぜ。あのサガンってのは十老頭の実質トップで凄い奴だぞ」
「なるほどね…噛ませ犬を吠えさせて、その対処を見ながら肝心な所でいきなり出て来たからね。やっぱりそういう人か…」
「ところでアレス、船内の見学会を開くって??」
「ええ、結構昨日から見せて欲しいって話が何度も来たそうなんだよ。まあ『ダーラムス』の人達に良い印象を与える為にも悪くないかなって」
「こないだのコソ泥みたいのがわんさと来るんじゃねーか?」
「それこそ来たら『アルゴー』の警備システムの見せ所さ。変なのは直ぐに確保するからね。それに警備用の映像魔導具やカメラはみんなに教えるよ」
「は?教えたらまずくねえか??盗人に情報をやるようなもんだぞ」
「こないだの映像を見せるつもり。盗みは出来ないのを知らしめる良いチャンス」
「なるほどね、先に脅しを掛けとくってか?流石は『オークロード殺しのアレス』だな。ソツがねぇや」
「それ、やめなさいよ」
見学会では『アルゴー』による説明で回るようにして、1組につき乗務員1人とオートマタ2台をつける事にする。また、魔導具カメラは赤外線探知もしているので密航者は直ぐに捕まる。実際6人ほど捕まって船長に船から蹴り落とされた。
この見学会は大評判となり6日滞在を1日延して欲しいと、街の人だけで無く領主からも嘆願が来たので1日延ばす事にしたほどである。
見学会に来た街の人の多くは船の大きさと娯楽や生活用設備の充実と馬車用の設備がしっかりしてるのも評判良かった。オートマタの多様さ多さにはビックリした様だね。警備体制評価の声が大きいのには驚いた。
領主様がやって来た時にはオレが説明に付いて行った。ほとんどは『アルゴー』が説明して、オレは領主様がビックリする度にフォローを入れる感じで面倒臭い役回りだった。領主様が一番気にいったのは食堂である。
領主様のみならず、街の人にも評判が良かったのは食堂である。見学会の人は有料なのだが、ほとんどの人が食堂を利用して降りていった。この食堂の料理長はランカスターの屋敷に居たあのコックのチャックである。
チャックはカノーが筆頭執事を
クビになった時に多くの使用人と共にデュミナス領にやって来たのだ。料理の腕前を知ってるオレは街でレストランを開いて欲しいと金と店を用意してたのだが、巨大交易船に食堂があると聞いてそちらで勤めたいと頼まれたのだ。
船長室から食堂にやって来たオレはいつもの定食を食べに来た。
「チャック!オレA定食ね!街の人に食堂が大評判だよ!領主さんがウチでレストラン開かないかってさ!」
「アハハ!アレス坊っちゃん、アッシはこういうバタバタやる食堂が好きなんですよ!旅も好きだったし、今の天国みたいな職場は抜けられませんや!はい!A定食お待ち!」
「調味料とか色々足りなければカルタスさんに行ってね。次の港で入れてもらうから」
「アハハ!坊っちゃん、それは『アルゴー』がやってくれるから平気ですよ」
「おっ、『アルゴー』そこまで管理してるのか…スゲーな」
「あれ、坊っちゃんが造ったんてすよね?」
「う〜む…恐るべし『アルゴー』オレの想像以上に働いてるな…」
「客の入りとか人数とかも予め予測して下ごしらえしてるからね。今回の見学会でも慌てずに出来たし」
「なんと…そこまでやるとは…」
「そのうち味見までしそうですよ。『アルゴー』は凄いです」
むう…ある程度の自由度は認めた『アルゴー』の擬似魂魄ではあるが…ここまでの進化をこの短期間に…船を動かす為には必要な自由度を持たせたのであったが、他の事に関してもここまで…ちょっと考えさせられるな色々と…だからこそ面白いのだけどね。
「おっ!これ美味いね!香辛料が効いてて魚のフライはサクサクだし。流石はチャックだよ!」
「へへへ…坊っちゃんに褒められるのはいつでも嬉しいねぇ〜」
この船の上でもチャックの料理を食べれるオレは幸せモノだ。
食堂を後にしたオレが部屋に向かおうとすると『アルゴー』からの連絡があった。
『アレス様にお客様です。漁船のリーダーと言えば分かると仰ってますがどうなさいますか?』
「おっ!リーダーが!すぐにコチラに案内して!」
『かしこまりました。しばらくお待ち下さい』
オレの部屋で待ってると『アルゴー』の案内でリーダーがやって来た。懐かしいな。
「アレス!!お帰り!!」
「リーダー!ただいま!ちょっと前に海ですれ違わなかった?」
「おお!気付いてくれてたのか!大勢、手を振ってくれたからアレスが見えなかったよ」
「アハハ!『ナガースフ』からのお客が多かったからね!どう?漁業はやってける?魚は獲れてるの??」
「アレスのおかげで海は大人しくなったよ。だから連日大漁さ!」
「良かった〜〜。何か有ったら相談してね。漁船はウチでも造れるからいつでも相談してよ!安く請け負うからさ!」
「いやあ、こんな立派なのは…」
「いやいや普通の船も造れるよ!木製のだってさ」
「そうか!デカいのしか造らないのかと…」
「まさか…今は交易船を造ってるから終わったら何時でも構わないよ」
「もし、買う様になったら頼むよ。この船くらい速いのか?」
「漁船ならもっと速く出来るよ。漁のやり方で色々必要な物が違うだろうし、そう言うのも出来るだけ聞くよ」
「まあ造るのには数カ月掛かるだろうから…」
「漁船だったら1週間掛からないと思うよ。大きさとか特注品にもよるけど、リーダーの使ってたのなら魔導船で2日か3日で出来るね」
「なっ!嘘だろ??そんなに早く出来る訳が無いだろうに!!」
「この船で3か月だからね…木製の小さい魔導船ならそんなもんだと思うよ」
「こ、この船が3か月?たった3か月で出来たのか??そんな馬鹿な…」
「超巨大造船用オートマタで自動的に作ってるからね。24時間休み無しで機械が造るのだから人力よりは早いと思うよ」
「アレス…お前は神か??」
「違うよ、ボク貴族の三男で8しゃい」
「そんな8歳が居るかよ!!」
また年齢詐称疑惑を掛けられてしまう…不憫過ぎる。有能過ぎるが故の弊害なのか…。
とにかく一度見に来てくれとリーダーには言っておいた。百聞は一見に如かずだからね。
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