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さて、ダーラムスで商人の度肝を抜こうか。

お読み頂きありがとう御座います!!

いつもより多めです。宜しくお願いします。

もう少しでダーラムスに着くという頃にマイケル兄さんから連絡が入った。


「マイケル兄さん、何かあったの??」


「やあ、アレス。航海は順調かい?」


「もちろん順調そのものですよ。もう少しで『ダーラムス』に着きますよ」


「も、もうそんな所まで…やはり早いな…」


「速度が違うからね。帆船だとこうは行かない。3倍は掛かるね」


「アレス、次の船なのだが…中型の交易船を数隻造りたいのだ」


「中型?『アルゴー』クラスより下ですか?」


「うむ、先程材料が届いたのでな。で、カノーと相談した結果、そろそろ父が動くのではないかと予測してな」


「父か…カノーは何と?」


「恐らくは街道を封鎖してくるのではないかと。そうなると陸路は完全に断たれてしまうからね」


ウチのデュミナス領は現在陸路に関してはランカスター領のみと繋がっている状況なので、封鎖されれば陸路は完全に使えなくなる。それもあって海路を得ようと急いで開発したのである。


「しかしながらそこまで強引な手を打ってきますかね?もし仮に封鎖して来たのであれば王都に相談したら良いのでは?」


「それは出来ない。王都に居るエリオット兄さんとミレーナに事が及ぶ。ランカスターの恥は二人の恥になる。絶対にそれは出来ない…分かるね?」


「…なるほど…二人の立場は絶対に傷付けられませんね。そこで中型交易船ですか。王都とデュミナス領専用ですね?」


「流石はアレス、良く分かってるね。それが有れば『ナガースフ』まで送れる。数隻有れば日に1便出せるからね」


「分かりました。では『オケアノス』の方はおまかせします。中型ならドラゴンの魔石で充分な速度が出ます。魔石は数個『オケアノス』に保管させてますから大丈夫です」


「手回しがいいな…想定内って奴かな?」


「備えあれば憂い無しって奴ですよ。中型ならば1ヶ月で行けると思いますよ」


「うむ、『アルゴー』の噂が父の耳に入ってから動かれるまでに1隻でも多く造れれば被害は少ない。むしろ、向こうの被害が大きくなるはずだ」


確かにランカスター領に入る人は少ない。取引がほとんど何も出来ないからである。今の筆頭執事が色々とやってる様だが、カノーを首にしたせいで何も引き継げずに苦労しているだろう。何せ父は何も出来ないし、何も知らないのだから…。

今やあの街道を使うほとんどはデュミナス領に来る為の馬車や人である。もし封鎖などすれば逆にランカスター領に来る商人など居なくなるだろう。


「そこまで計算してるとは…流石はデュミナス卿です。恐れ入りました…」


「それ、やめなさいよ」


とりあえず船の件はマイケル兄さんにお任せと言う事で通信終了である。最後にサクッとマイケル兄さんイジリが出来たオレは大変満足である。


いよいよ『ダーラムス』に我が巨大交易船『アルゴー』のお披露目である。『ダーラムス』…いや『コックスナル』の商人共の度肝を抜いてやるのだ。特にあのジジイ…いやいや、あの『老頭館』の連中には一発カマしてやりたいと思ったので、冒険者ギルド本部を通じて先日のお詫びと言う事にして就航パーチーに呼び出したのだ。もちろんオレの名前では無く『デュミナス卿』の名前でね…ウヒヒヒ…。


「おい、アレス坊…物凄え悪い顔してるぞ。お前何企んでる?俺にも噛ませろ」


「仕方無いですねぇ…実は…ゴニョゴニョ…」


「フハハハ!!!ソイツは愉快だ!!あのジジイ共には俺もムカついてるからよ!コレはやらない手は無えな!」


長年交易船をやって来たヴィーグル船長もあのジジイ共は気に要らない存在らしい。コレ最強タッグの結成っぽいね!!


『ダーラムス』の港は深さもあり幅も長いので無事に接岸出来た。馬車の入り口を開けて馬車が出て来ると歓声が上がった。

オレは上から双眼鏡で下を見ながら知った顔を捜すとここのギルマスと何と本部のアッシュ総長が居るではないか!コッチがビックリしたわ!!その後捜すと『老頭館』のジジイが二人来ている…ターゲット発見!!

先ずはヴィーグル船長が拡声器で挨拶だ。


「『ダーラムス』の諸君!!俺は王国デュミナス領から来た交易船『アルゴー』の船長ヴィーグルだ!!王国の港『ナガースフ』から16日掛けてやって来た!!就航パーティーは船上で行うので招待状がある方はもちろん、『ダーラムス』や『コックスナル』から来られた商会関係者など沢山の参加をお待ちしております!!後、『アルゴー』の所有者であるデュミナス卿の代理から挨拶が有るので聞いて欲しい!!」


ヴィーグル船長の脇からひょこっと顔を出して拡声器を持ち挨拶する事にする。


「お集まりの皆様、お久しぶりで御座います!!我が兄マイケル=デュミナスより全権を賜り戻って参りました、冒険者ギルドS級特待員アレスです!!黒のクラーケン討伐以来の『ダーラムス』ですが、皆様との交流もして行きたいので皆様の御参加お待ちしております!!」


すると集まっていたダーラムスの人々からのやんややんやの大歓声を受けた。皆んな覚えててくれたのね…とても嬉しいよ。


船上でしばらく待っているとまずはアッシュ総長がギルマスを従えてやって来た。


「やあ、アレス、久しぶりだね。報告は聞いてるよ、アレックスをやり込めたそうだね!クックック…君は話題が絶えないよな」


「総長直々のお出でとは…わざわざありがとう御座います。アレックス本部長はカンカンでしたか?」


「そりゃあもう大変さ。次来る時は腕の一本くらいは覚悟すると良いよ。フハハハ!!」


「あちゃ〜、しばらくは本部に近寄らない様にします…」


「まあ、冗談はさておき…物凄いものを造ったね…最初は巨大な魔物かと思ったよ。コレって鉄製なのかい?」


「そうですね、鋼鉄製です。アルミと言う軽い金属もふんだんに使われてます。動力は魔導炉を使い魔法力によって推進力を得ています」


「ま、魔導船なのか??コレは??」


「そうですね、魔導船でもあり巨大なオートマタでもあります。『アルゴー』!!ご挨拶を」


するとふわりと浮いた球体がやって来てアッシュ総長に挨拶をする。


『アッシュ総長、始めまして。私がこの船の管理者で船長補佐の『アルゴー』と申します。本日はお忙しい中お出で頂き感謝します』


「こ、コレは凄い…コレをアレスが造ったのか??」


「正確に言うと、オレの造った超巨大造船用オートマタ『オケアノス』が自動的に造り上げたのがこの『アルゴー』です」


「…すまんな…ちょっとついて行けない…」


どうやら総長の頭の中はパニックを起こしてるようだ。


「ギルマスもお越し頂き感謝します」


「お、お、おう…何かもう凄すぎて何も言えんぞ…」


「あの時倒した黒のクラーケンから取り出した魔石がこの船の魔導炉に使われてるんですよ」


二人とも開いた口が塞がらない様だが、大丈夫だろうか?


「後はこの『アルゴー』に船内の案内をさせますのでゆっくりと見学なさって下さい」


二人は『アルゴー』に連れられて船の見学に行った。結構掛かるけどね…。


さて、お目当ての獲物がやって来ましたね。『老頭館』のジジイ共め…目にもの見せてやるぞ。


「これはこれは『老頭館』の…。お久しぶりで御座います。今回は我が兄マイケル=デュミナスより全権を委任されましてこちらに参りました。御招待に応じて頂き誠に感謝致します」


「う、うむ…この船を造り上げたのがお主なのか??」


「私が造ったのは超巨大造船用オートマタの『オケアノス』という自動ドックですよ。この船は『オケアノス』によって自動で造り上げたのです。3ヶ月もかかってしまいましたよ」


「さ、さ、3ヶ月じゃと??まさか…あり得んわい!!何かカラクリがあろう??」


「私が帰った日にちを逆算すれば制作日数がわかる筈ですが…この船は魔導炉で動く魔導船でこの船自体がオートマタになります。魔導炉に使われてるのは例の黒のクラーケンの魔石ですよ」


「そんな…もっと前から造り上げてたのじゃろう?」


「おい、爺さんもしつこいな。だったらアレスは何処からこの船に乗るんだよ?それとも頭がイッパイイッパイでそんな簡単な計算も出来ねーのか?フハハハ!!」


「船長!言葉が過ぎますよ!大変申し訳御座いません…海の男故の言葉遣いですのでご容赦の程を…。さて、色々とご説明しますので…『アルゴー』!!こちらへ!」


また先程と同じ様な球体がフワリとやって来た。


『始めまして、私がこの船の管理者で船長補佐をしております『アルゴー』と申します。遠くからお越し頂き感謝します』


「こ、こ、これは??」


「先程言った様にこの船はオートマタですからこの船自体が『アルゴー』なのです。モノが巨大ですから人と話すのにこのオートマタを介して話が出来ます」


もう完全にパニック状態だな。船内の装備やオートマタの話、食堂やプール、大浴場などの話、馬車ごと移動が出来るというメリットなどをそれぞれ話して聞かせる。もう完全にヤラれてるな…頭から湯気出てねーか?


「あ、アレス君…この船は王国との航路を結んでくれるのだな!」


「はい、今後はリュピタルとの航路の予定がありまして、その他も現在交渉中です。恐らくは半年以内にケリが付くかと」


「リュピタル??魔の海峡は大丈夫なのか??それに他と言ったら…」


「魔の海峡はこの船なら問題無しと見ております。優秀な船長を雇い入れましたのでね」


「ムムム…確かにこの船の能力と『不沈のヴィーグル』が乗っているなら…」


「その他とは帝国と言う事で宜しいかな?」


さっきから全く喋らねえ爺さんが突然喋ったからビックリしたわ。


「はい、もう既に財務大臣とは話を通しておりまして皇帝陛下の下知が下ればその時点で連絡が来る予定です」


「なんと…あのハウアーともう会っているだと…うむ…お主の実力を舐めて掛かっていたわ。ここ迄とは…いや参ったぞ」


「恐れ入ります…」


「申し遅れたな…ワシはコックスナル老頭館『十老頭』の一人サガンと申す。アレス殿、これから先コックスナルはデュミナス卿との商業交易に関してしっかりとした提携を結びたい。コチラからデュミナス卿の元にワシを含め数人で伺おう。日付についてはコチラから連絡をする。兄上にくれぐれも宜しくとお伝えして欲しい」


「サガン様、今回のご提案、誠に感謝致します。兄上には私の方から話しておきます」


「くれぐれも宜しく頼む。そちらデュミナス領の交易品も素晴らしいものばかり。今回持って来られた物は全てコチラで引き受けよう。確かカルタス商会が専属だったな、そちらに話をしよう」


「カルタスさん来てますので呼びましょうか?」


「それは手回しが良いな。お主は商才も有りそうじゃ、この際、冒険者はやめて商人にならんか?ワシが直々に教えても良いぞ。フォッフォッフォ」


するとコチラにやってくる足音が…。


「おやおやコレは聞き捨てなりませんなぁ、サガン老師。ウチの有望株を横取りしないで頂きたい」


アッシュ総長がサガン老師とバチバチだ…うわぁ〜、すげぇ〜やべぇ…。


「そ、それなら…オレは二刀流を目指しますよ!!」


アッシュ総長とサガン老師は顔を見合わせてから大笑いしだした。


「フォッフォッフォ!!二刀流とは面白い!アレスよ、やって見せよ」


「二刀流はオレの二つ名なのだがな…クックック…アレスならその二刀流、免許皆伝になるかもな!フフフ」


まあ、何とかバチバチが収まったのでホッとしたよ。ありがとう!メジャーの二刀流!!ってかそこで退屈そうにアクビしてないの!タマ!


ブクマや評価を頂きまして大変感激しております。

つたない小説モドキですが、皆様の応援が大きなモチベーションになっております。

また読みたいと思われた方はブクマと星な評価をお願い申し上げます。


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