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閑話その壱、リュピタルへの就航。

お読み頂きありがとう御座います!!

閑話として戻るまでの旅を何話か書いていきます。

お楽しみに!!

魔女の国を出てから1週間、オレはリュピタルの港町『セリュース』に到着していた。

『セリュース』は商業中心の街であり漁業と貿易の港でもある。大きな島が点在している海洋都市リュピタルは船での移動が頻繁に行われている。

オレはまず冒険者ギルドに行き挨拶がてらドラゴンを持って来た。やはり冒険者ギルドとの太いパイプはドラゴンからってね。


「こんにちは!ドラゴン持って来たのだけど解体場は何処てすか?」


「ど、ドラゴン??ギルド証…と、特待員!!し、失礼しました!!少々お待ちを!!」


奥の方から左眼に眼帯をしたゴッツいおっさんがやって来た。


「お!!噂の特待員かい??確か二人と聞いてたが…」


「あ〜、片割れは実家に帰ってましてね。今日はご挨拶代わりにドラゴンを持って来たので…」


「ドラゴン…とにかく奥の解体場に行こうか」


ギルド内はちょっとした騒ぎになっていた。


「あのガキが特待員…」


「何でもオークロードを瞬殺だとよ…」


「新種の双頭の竜も倒したってよ…」


「ドラゴン持って来たとかマジか?…」


まあ、ギルドでは良くある光景でひそひそ話だよね。

裏の解体場でアースドラゴンと青ドラゴンと緑色ドラゴンを取り出した。


「ドラゴンって…アースドラゴンじゃねえか!!こりゃデケェ!!しかも青ドラゴンとドラゴンだと…」


「魔石だけ頂きたいので先に出して下さい。他はお任せしますね。急がないので売れたらギルド証に入れておいて下さいね」


「おいおい…良いのかよ?ギルドに出すより商人に卸した方が儲けが違うだろ??」


「特待員のS級ですからね、ギルドに貢献しないとですから」


「ウチとすれば大助かりだが…ホントに良いのか?」


「ええ、もちろん!その代わりにギルマスにちょっとお聞きしたい事が有りまして…」


「おう、何でも聞いてくれ!」


「実はウチの兄が船での交易を始めるのですが、こちらの港と定期便をと思ってるんです」


「ほう、兄さんは何処の人だい?」


「王国の西側の辺境領に居ます」


「あ〜、そいつは無理だな。諦めな」


「王国との交易は無理ですかね?」


「いや、そういう意味じゃないんだ。王国からだと『ダーラムス』の先にある『魔の海峡』を抜けないとコッチに来れないんだよ」


「『魔の海峡』??魔物が出るとか??」


「もちろん魔物も出るし、海流が激しいトコ来てほとんど天候が嵐だからな。船が通れる場所じゃねえからなぁ」


「ほうほう…そこさえ抜けられれば何とかなりそうですかね?」


「抜けられればな…だが帆船じゃ無理だな」


「そうですね帆船なら無理だな…帆船じゃなきゃ行けそうですが」


「まさか魔法でとかか?相当な魔法使いでもムズかしいぞ…でかい船なら余計だ、何人の魔法使いが要るか分からねえ」


「とりあえず船は考えがあるので…交易をするとして領主様に許可が要りますよね?」


「おう、そっちは大丈夫だ。領主様はな冒険者好きでな、冒険の話でもすれば直ぐにでも許可はくれるぞ」


「そ、そんな事で良いんですか??」


「ああ、何なら今から行くか?手土産でもあると良いんだが…」


「コカトリスとかでも良いですかね?魔石は貰いますが…」


「コカトリスだと??そんなモン隠し持ってたのかよ…充分だよ。そいつを庭で見せて話しをすれば喜ぶだろうからな」


「分かりました、じゃあ行きましょう」


コカトリスの魔石を取って貰い、そのまま異次元バックマックスに入れておく。そのままギルマスの案内でオレの馬車で領主邸に向かう。領主の屋敷は大きいが品があるね。

ギルマスの顔パスで屋敷に入ると警備の騎士がやって来た、どうやら隊長さんらしい。


「よお、ギルマス。久々だな」


「おう、お疲れさん。今日は珍しい奴を連れて来たからって言ってくれよ。アレス、キルド証を見せてやれ」


オレは隊長さんにキルド証を見せる。すると隊長さんの顔色が変わった。


「まさか…この子が噂の特待員か?!ちょっと待ってくれ、すぐ呼んて来る!」


慌てて隊長さんが屋敷に入りしばらくすると、これまた大慌てで隊長さんと一緒に出て来た人が居る。着てるガウンが豪華だからこの人が領主さんかな?


「と、特待員のアレスとはお主か??」


「はい、特待員のアレスです。初めまして領主様」


「おお〜良く来た!ささ、こちらへ屋敷の中に入られよ」


「その前に手土産が御座いますので、コチラでお見せして宜しいですか?」


「手土産??気遣い感謝するぞ。何を持って来たのかな?」


オレは異次元バックマックスからコカトリスを取り出して中庭に置いた。領主様と隊長さんが唖然としている。大丈夫かな?


「この間、デギアナ高地で襲って来たコカトリスです。魔石以外は全て御座いますので何卒お納めください」


「た、大義である!この様な貴重な品を手土産で持って来るとは流石は特待員だのう!」


この一発で完全なマウントを取ったオレはデギアナ高地での話しを色々と聞かせた。魔銃コルトに大分興味があったようでじっくりと見られた。


「ところで領主様、ウチの兄が船での交易をするつもりなのですが、王国からの船は無理だと言われたのです」


「ああ、それは『魔の海峡』があるから無理だ」


「じゃあもし、交易船をこちらに就航させる事が出来たら格安の税にして頂けないでしょうか?」


「フハハハ!!無理なものをやろうと言うのか?気に入ったぞ!!では特待員の名に賭けてやって見せよ!その時は税を格安にしよう。今の10分の1でどうじゃ?」


「ありがとう御座います!!では一筆頂きたいのですが!」


「うむ、よろしい。おい!紙と印を持て!」


太っ腹な領主様は出来無いと踏んだのか、それともオレに期待したのかは知らないが、一筆書いて渡してくれた。


「もし、本当に出来たなら我々にもたらされる富はとてつもない物になるからな。アレスよ、是非やって見せよ!」


「コチラとしてもリュピタルとの交易、就航は必ず成し遂げたいものなのです。領主様の御期待にそえる様に頑張ります!!」




◇◇◇◇◇◇




そして一年後リュピタル州『セリュース』にて…



「おい!!あの白いのは何だ??魔物か??」


「で、デカいぞ!!コッチに真っ直ぐ向かって来てる!!」


「ん?ありゃあ…錨か!?船なのか??帆が無いぞ!!」


「王国の旗を掲げてるぞ!!王国の船なのか??」


冒険者ギルドや騎士団なども警戒にやって来た。そんな中一人だけ口を開けたまま唖然としてる男が居る…冒険者ギルドのギルマスである。


「…オイオイ…まさか…あのガキの仕業か??」


その大きな白い船はゆっくりと右回転して後ろ向きで港に入って来た。船の上から何人もの人達が手を振っている。船はゆっくりと止まり、船の後ろの一部が港に向かって倒れてくる…それが港に掛かる橋のように設置された。すると船の中から人や馬車がどんどん降りてくるではないか!皆が呆気に取られていると一人の子供が船の上から声を出した。


「ギルマス〜〜!!アレスで〜〜す!!王国から交易船を就航させましたよ〜!!」


「やっぱりアレスか!!あの野郎!本当にやりやがったのか!!」


「領主様との約束を果たしましたよ〜〜!!今行きま〜〜す!!」


こうして王国の辺境領からリュピタルの『セリュース』までの交易ルートが確立された。


ブクマや評価を頂きまして感激しております。

つたない小説モドキですが、皆様の応援が大きなモチベーションになっております。

また読みたいと思われた方はブクマと星な評価をお願い申し上げます。


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