どうやら王宮で怪盗がひと仕事した様です。
お読み頂きありがとう御座います!!
さて、もうそろそろ満月まで一週間ほどに近付いて来た頃、王都に向かった『蜂影』先生から画像が送られてきた。
コレはライブ映像である。この映像をどうやって飛ばしているのかと言うと、前までは魔法陣で映像を飛ばしていたのだが、効率が良くないので今は『蜂影』先生のマジックポケットとオレのマジックポケットが繋がっているのを利用して、そちら経由でライブ映像が見れるのである。
今の映像は王都の魔法研究所に入り込んで映してるらしい…流石は『蜂影』先生だ。
魔石を研究してる最中なのか?それとも保管しているのか?どちらかで難易度が変わるからね。
最奥の実験室だろうか?ここに来るまで何重にも結界が張られていたので、本命はここだとの判断だな。そして入り口のドアが開くのを待っているとスーッとドアが開いたので『蜂影』先生はそのまま中に入り込む…。
中では研究者の中でも偉い人なのかな?真ん中に無精髭のオッサンがデカい魔石を魔法陣に置いて何かを測ってる様だ。
特出すべきはその魔石か半分で赤と青に綺麗に色が分かれている事…これは見た事が無い魔石だ。これだけの特性がある魔石だと、単なる魔力抽出の為だけに使うのはもったいない気がする。はてさて…何に使おうか非常に悩ましい…。
オッサンが何を測ってるのか見てみると、何かの濃度計の様なものを持っている。何だありゃ??見た事無い計測器だな…。
「おい!食事にするぞ!」
職員達が出て行ったぞ!チャンス到来!!
先ずは魔法陣に仕掛けがしてあるか確かめる…一応はこの魔石をここから取るとアラーム音が鳴りこの室内に閉じ込められる様だな。では魔法陣の術式を少しイジって魔石を感知したままにする。
こうして魔石をマジックポケットに収納。『クラウド』と書かれた紙を置いておく。コレで『怪盗クラウドミスト』の仕業である。
あと、あのおっさんが持ってた計測器もついでに頂戴した。
そのまま研究所を出て王宮の宝物庫を探す。王宮の結界は全部で7つも有った。流石は王宮だけはある。王宮に行った事が無いので勘を頼りに宝物庫を捜索する。
まあ、地下でしょ…みたいないい加減な感じで行くといかにも宝物庫で御座います的な部屋に行き着いた。警備の衛兵も居るので間違いなさそうだな。さて、入り口をどう突破しようか考えてたところ、急に扉が開いたのですぐに中に入る!ラッキー!
中も警備装置が至る所に備わっていてかなり厳重な警備体制である。部屋が更にいくつかあるので魔力が強い部屋を探すと、一際魔力が噴き出している部屋があるので、その部屋から探索開始。
その部屋の扉は魔法陣による開閉機能でそれに合致する鍵的な魔法陣をかざすと開く仕組みである。オレにとっては大したものでは無いのでサクッと書いて『蜂影』先生に送る。『蜂影』先生がかざすと扉が開いたので中に入る。
やはり当たりだな。物凄い魔力を噴き出してる魔剣やら沢山置いてあるわ…中でも封印してるのに魔力を抑えられない魔剣がある。材質は…アダマンタイトだと??おいおい…何で魔力を帯びないはずのアダマンタイトから魔力が噴き出してんだ??鞘も無い片刃の大剣だな…変わった形をしている。
よし、コイツを頂こう。
『蜂影』先生は躊躇した様だが置かれていた台座や他の場所にも仕掛けが無いのを確認してマジックポケットに大剣を入れた。他のは…コイツに比べるとイマイチに感じてしまう…。大剣の台座の上にも『クラウド』と書いた紙を置く。
後は魔導具などを探したが全く見つからないので、オリハルコンの鎧と盾をいくつか頂いた。
その時けたたましい音が鳴り響き何か大騒ぎになっているようだ。研究所の魔石を奪われたのにやっと気付いたかな??
宝物庫の外でも大騒ぎになっているようだ。そのうち宝物庫の扉が開いた。さっき出て行った人が戻ったのだね。ではありがたく部屋から出るとしよう。
コレにて任務完了につき、『蜂影』先生には大至急こちらに戻ってもらう。
さて、オレは魔導具で部屋に結界を張り、更に魔法陣で結界を張り、アダマンタイトの大剣をマジックポケットから取り出した…物凄い魔力!!だがオレは大剣に触れて【金属使役魔法】を使い『ひれ伏せ!!』と一喝するとアダマンタイトの大剣は大人しくオレに使役された。
名前は『魔神剣アジル』と言って魔神が創り出した剣であると言う。なるほど…魔神なら魔力を帯びないはずのアダマンタイトに魔力を封じ込めるなんて、こんなデタラメな事が出来るのだね。なるほど…この様にすれば魔力が込められるのか…使えるなコレ。
さてと…使役したのは良いけど、王宮の宝物庫から失敬した武器をそのまま使うほど馬鹿じゃない。やはり魔銃に変えるのが一番かな…魔銃コルトの時は有無も言わさず魔銃に変えてしまったが、今回は一応お伺いを立ててみる…形式上ではあるが。
すると『魔神剣アジル』はリクエストを出して来た。アジルは一撃必殺を求められる剣であったので銃に変わっても一撃必殺を貫きたいと。ふむふむ…そうなると…大口径…”本家シュワちゃん”が使ってた奴…ショットガンタイプのグレネードランチャーだ。
早速、イメージを展開…中折式で一発装填、魔銃コルトのアダマンタイトシリンダーの様に一撃必殺。魔力を握りの部分に集中、小型魔導炉に繋げて単発グレネード弾に放出し圧縮。反動を『ミラー』を展開し威力に更に乗せる。銃身には発射される魔力を集束させる為の魔法陣を展開させ広がる事なく一点集中させる。グレネード弾は弾では無く魔力を圧縮するシリンダー的な扱いとして使い回しにする、コレを3発分作る。グレネード弾は1回使うと冷却させる為のインターバルが5分くらい掛かる。銃身には魔法陣の文字が装飾の様になっている。オレ以外は使えない様にロックも掛ける。
かなりの魔力量を消費したがそれなりの武器になった様だ。『魔神銃グレネードランチャー』の完成である。本来のグレネードランチャーとは違う感じだけど、まあ良しとしよう。う〜ん、中々の出来だと思うよ。ヘビーモスの時に使いたかったね!
続いては双頭の竜の魔石を調べてみる。
左右が違う属性の魔力を放出していて、色は赤と青に分かれている。
見れば見るほど不思議な魔石である。この性質を活かすにはオートマタの動力としてではないものが良いかと思われる。とりあえずは保留して考える事にする。
ついでに失敬して来た計測器は魔力を数値化出来る優れものだった。中々面白い物で作られている。見た感じでは水銀を使用している様だが…。とりあえず中身を調べるより使ってみた方が面白そうである。
後はオリハルコンの武具は全部素材として何かに使う予定である。恐らくはドック用オートマタに使われる可能性が高いね。とりあえずオリハルコンの棒にしておけば色々と使えるから便利だ。
こうして『怪盗クラウドミスト』の盗品は魔石と計測器以外は姿を変えた。
そして、王都では魔法研究所と王宮の宝物庫から双頭の竜の魔石と武具を盗まれた事が発覚し、かつて無い規模での大調査が行われたにも関わらず何一つとして証拠や犯人が判る事は無かった。ただ一つ…『クラウド』の紙一枚のみを残して…。こうして人々は怪盗の存在を知る事となり、『クラウド』の紙一枚を残し、まるで雲か霧の様に姿を消した事から『怪盗クラウドミスト』と呼ばれ、噂が他国へと広がっていった。それは数ヶ月後に帝国にも知れ渡る事となり、かつて現れたのがその怪盗であったと知る事となる。
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