どうやら勇者は魔法の天才だった様です。
お読み頂き有難う御座います!!
少し短めです。
バーベキューを楽しんだオレ達が片付けをしていると商人さんがワイバーンの肉を分けて欲しいと言ってきたので、捌いたワイバーンの肉の残りを半分渡した。
代金を払うと粘られたが、まだ27匹も残ってるから持って行ってと言うとビックリしてたな。
オレ達は商人さん達と別れて『レオクレータ』に向かっていた。
トールさんは寝ずに走り続ける鉄馬と『シュワ』ちゃんがオートマタと聞いてびっくりしていた。
「24時間休み無く走れば半分の時間で済むか…良く考えたものだねぇ」
「最初は馬を調達する予定だったけど、オレ達は冒険者になれないからって『シュワ』ちゃん造って冒険者にさせようと。『シュワ』ちゃんなら24時間平気だし、それなら馬もついでに作るかって」
「ついでにしては物凄くいい馬だよ。僕も良い馬に乗ってたけど、流石に五百年じゃあ如何なったのやら…」
「あの【次元の竜穴】には乗って行かなかったの?」
「彼処は雪深いから街に置いて来たのだよ。直ぐに戻るつもりだったから…如何なったのかなあ」
「もし良かったらトールさん用に鉄馬を作ろうか?マイケル兄さんのトコ行けばミスリルも手に入るし」
「ホントかい?アレス君の造った鉄馬なら是非!」
「じゃあ向こうに行ったら造るとしよう。この鉄馬より若干小さい方が良いよね」
「そうだね。馬車よりは乗る事の方が多いからさ」
「なるほどね。乗馬用に作らないとなぁ〜」
そうだ、当初は『シュワ』ちゃんに冒険者に仕立てて旅をするはずだったのに、いつの間にかオレ達は冒険者になってしまったからなぁ。でも『シュワ』ちゃんと鉄馬のお陰で快適かつ早い移動が出来るのだから感謝しなきゃね。もうこの馬車以外ので移動とかしたく無いよ。
それからは『レオクレータ』まで特に襲撃なども無く普通に移動出来た。またワイバーン来るかと思ったのに…チッ。
『レオクレータ』は壁を隔てて街が二つ存在していて、壁が国境になっている。【トルキュトス=レーム連合王国】側から入ってそのまま壁の国境までやって来る。
もしかしたらエリオット兄さんが居るかもと思ったが、国境警備の人に聞くと、もう王国魔法騎士団は王都に戻ってしまったらしい。
「エリオット兄さんは王都に帰ってしまったのか…残念だなあ…」
「アレス君のお兄さんは王国魔法騎士団なのかい?凄いなあ」
「エリオット兄さんは魔法の天才で合成魔法のマグマ魔法を使えるんだよ」
「ほう〜、合成魔法かぁ〜アレ難しいんだよね。マグマって事は土と火だよね〜。それだとは相性良いからまだ楽だけど、光と闇だと反発や相殺するから大変なんだよね」
「…トールさんって合成魔法使えるの?」
「マグマはやった事無いけど光と闇の合成魔法なら使えるよ【エクリプス】って魔法」
「エ、【エクリプス】…ソレって【禁書】の魔法だよね??広範囲殲滅魔法の…」
「えっ?【禁書】??それを知らないからなぁ…」
【エクリプス】は光魔法と闇魔法の合成魔法で広範囲殲滅魔法としては【禁書】の『最厄の十魔』の一つで、その威力の恐ろしさから【禁書】曰く『その魔法は全てを蒸発させ無に還す、魂でさえも』と注意書きがされている。その最厄の魔法に多分この人は才能だけで【禁書】レベルの魔法に辿り着いたのだ。チート過ぎる。
「…ソレって使った事有るんですか?」
「有るよ!魔将軍の1人が一万の軍勢を率いて来た時に一度だけ。アレってホントに何も残らないんだよね…魔石や装備品まで消えちゃって凄く叱られたからなぁ…」
ヤバい。多分この人は怒らせちゃイケないタイプの人や。
『レオクレータ』を通過して『アクロティナ』に向かう2週間程の旅だ。
オレは転移魔導具の小型化に着手した。目指すは腕時計型である。今が大体ピザ屋のMサイズ位だからなあ…魔石の大きさだけでも結構デカいし厚みが2つ重ねてるので更に倍のデカさである。
先ずは小さい魔石で賄える為の魔導炉の小型化と増幅回路の強化である。コレがかなり難しい。超小型化は出来ては居るのだが出力は限られるとても耐えられない…魔力不足である。となると大きさはある程度は必要…となると…隠すしか無い。ジョルフィーナさんの生命維持装置を隠した様にこれも隠せば…スイッチと転送魔法陣の展開のみを出しておけば…イメージは固まった。
今の転送魔導具の先端を一部伸ばし、それにスイッチと魔法陣術式展開用の照射装置を組み込む。後は本体をマジックポケットで隠せば問題無い筈であるが…中々上手く起動しない。
「うーん…何が悪いのか…さっぱり分からんん!!」
こういう時は何をやっても駄目だから他の事でもやろう。気分転換でもすれば何が閃くかも知れないしね!!
と言っても馬車の前に陣どって『シュワ』ちゃんの隣でボーっとしてるだけである。
「アレス君…何やってるの?」
「ちょっと気分転換です。魔導具造りでちょっと行き詰まったので…」
「気分転換は必要だよね〜僕もさ、五百年も経ってたとか言われても困っちゃうよね…だから気分転換しようって」
重過ぎる…トールさんの話は身につまされるわ!!
しかし考えるよね…五百年は長過ぎる。ジョルフィーナさんが生きてるから目的も定まってるけど。もしオレが今のトールさんの立場ならとても耐えられないかもなあ…
「このお菓子美味いね」
「そうじゃろう?この良さが分かるとは、トールは只者ではないのじゃ!」
おーい…オレのこの気持ち如何してくれんのよ?
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