どうやらS級相当に昇格した様です。
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応接室っぽい立派な部屋に通されたオレとサテランティスは座りながら総長を待つ。タマはオレの肩の上で髪の毛をワシャワシャしてる。
「アレス、お菓子とか出ないのかのう?」
「お菓子ならここに来るまで散々食べたでしょ?まだ食うの?」
「お菓子は別腹なのじゃ。知らぬのか?」
「ハイハイ…別腹別腹…」
そんなくだらない話をしてるとドアをノックする音がして三人の男女が入って来た。
「アレスとサテランティスだね?私が総長のアッシュ=カーランドだ。今回は呼出しに応じてくれて有難う」
アッシュ=カーランドは現役時代に【戦術の神】と異名を取った魔法剣士である。二つの顔を持っていた彼は、一つは冒険者として伝説のSSS級パーティー【オーディン】のリーダーとして活躍し、もう一つは魔法騎士団を率いる王国の魔術将軍として、全てに関して不敗を貫いた伝説の”二刀流”である。20年前に将軍を辞め、隠居してからは冒険者ギルドの総長である。因みにカーランド家はウチの父、ランカスター家とはライバル関係にある。
「初めましてアレスです」
「我はサテランティスなのじゃ」
「ニャア〜」
「おっ、利口なネコだねぇ…アタシが副総長のミラ=ロードフリートよ。宜しくね”後輩”クン」
この人がオレ達の前に特待員となった【ゴッドイーターのミラ】ことミラ=ロードフリートその人か…。3歳の頃にドラゴンをなぶり殺しにして有名になり、5歳の時に冒険者ギルドで60年ぶりの特待員になった。その後も不倒と呼ばれた《マルスダスダンジョン》の単独制覇や『邪神ゴドー』や『魔神ネプリカント』の討伐等々…数々の伝説に彩られた”現役最強魔導師”の副総長である。
「俺は本部長のアレックスだ、お前等の噂は聞いてるぜ」
アレックス=リカント…【鋼の巨神】の異名を持つ戦士である。2m50cmの身長と筋骨隆々とした身体は魔法を使えないが怪物級の魔力で”超身体強化”をする事により、素手でドラゴンを真っ二つにしたり、ドラゴンブレスの直撃を食らっても火傷はおろか、かすり傷も付かないという怪物である。
…何この怪物オールスターは…オレ達ココで殺られるんか?
「早速だが、あの双頭の竜はコチラで預かっても良いかな?中々お目にかかれない代物なのでね」
「魔石だけ貰えれは後は良いですよ」
「おや、魔石が欲しいのかい?…そう言えば各所ギルドからの報告で魔石は全て引き取ってるそうだね?何か理由でもあるのかい?」
「魔導具を作るのに必要なので、魔石はいくら有っても邪魔になりません」
「ほう…君は魔導具を作るのか。どんな物を作ってるんだい?」
「そうですねぇ…生活用品が多いですけど、後はオレ達が乗ってる馬車の馬とか…」
「ソレってオートマタって事かい??こりゃあ驚いたね!」
「全くだ…それならば魔石が欲しいのは当然だな…」
このまま魔石が貰える流れなら良いのだが…。まあ、最悪貰えなくても仕方無いな…この三人に喧嘩売る程馬鹿じゃないしな。
「実は…ある筋から有る物全てが欲しいと言われていてね…魔石も欲しいと言われているのだよね…」
やはりそう来たか…仕方無いな。但し、流れた先だけは教えて貰おう。それさえ判っていれば後で如何とでもなるからね。
「あ〜そうですか…仕方無いかな。因みにある筋って何処ですかね?」
「それを聞いて如何するんだ?」
「その人の依頼は永遠に請けない事にしますので」
「プッ!フハハハ!!こりゃあ良いぜ!俺はこの小僧が気に入ったぜ!フハハハ!」
「中々言うわねぇ〜将来楽しみだねぇ〜」
「分かった。但し内密にな…コレはな王国の魔法研究所からの依頼でな…つまりは国王様の依頼って事さ。コレでも国王様の依頼は請けないかい?」
「教えて頂き有難う御座います。勿論、絶対に請けませんね」
「分かった。国王様の依頼は回さないから安心してくれ。その代わり詫びも含めてなのだがある程度のお金とクラスを今のB級相当からS級相当にランクアップするよ」
おっと、S級相当にランクアップって凄いパワーワードが出て来たぞ!こりゃあスゲェーなあ!S級ってのは基本的に何処の国でも貴族扱いになるし、完全フリーパスで何処の国でもダンジョンでも危険地帯でも行ける。制約から開放されるランクなんだよね。
「それでは獲物を渡します、どちらに持って行けば宜しいですか?」
「それは後で案内させるよ…さて、これからが本番というか…君達に聞きたい事なのだけどね…先ずはアレス君、何故君は本当の名を隠しているのかね?アレス=ランカスター君」
ヤバっ!バレてんのかよ俺の本名…こりゃあ絶体絶命って奴か…さっきの王様の件もあんなにウケてたのはこの事を知ってたからなのか…してやられたな。
「そうですか…ご存知だったのですね。だとしたら、オレが父にどの様な扱いを受けてるかご存知だと思うのですが」
「廃嫡の噂や魔法を使えない為に使用人扱いされているとは聞き及んでいるが」
「つまり、オレがランカスター家を名乗るのは恥だと思っているからです。少なくとも父がランカスター家の当主である間はこの家名はオレの恥なのですよ」
「なるほど…分かった。この件は納得出来たよ。では次は君だサテランティス君、君はどこからやって来たんだい?どの様に調べても全く出て来ないのだよ」
「我は魔女の国の王族である。訳あって五百年もの長い間眠りについておったのをアレスに起こされたのじゃ。アレスは我と魔女の国を探し当てて姉様と逢わせてくれた恩人じゃ」
「ま、魔女の国??聞いた事がないが…」
「魔女の国…ちょっと待って…確か何処かで…そうだ!『ターディス』の石碑か!確か魔女の国が如何とか勇者が如何とか書いてあったはずよ」
オレは500年前の『魔大戦』で魔女の国が魔族に侵攻され壊滅寸前に勇者により助けられた事、魔女族を逃がす為に勇者が他の土地に連れて行った事などを話した。
「なるほど…俄には信じ難いが、サテランティス君の力量から考えると魔女族と言うのは間違いない様だね。まあこんな所かな?皆は如何だい?」
「俺は問題無いぜ。この小僧は気に入ったしな!ガハハハ!」
「ワタシもまあ良いかな。ちょっと気になる事はあるけど…取り敢えず昇格については問題無しね」
「それでは君達のランクアップは承認された。S級相当昇格おめでとう!」
ふう…何とか大丈夫だったか…イヤな汗が出たよ…まあ、無事にランクアップ出来たのだから良しとしよう。この三人には逆らえ無いからね。ミラさんが言ってた言葉が気になったけどね…。
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