さて、戦の準備を整えようか。
お読み頂きありがとう御座います!!
直ぐに屋敷に戻ったオレはエリオット兄さんとカノーに連邦が絡んでる可能性を示唆した。
「連邦の手の者が父の側にいると言う事か??そんな馬鹿な!」
「それだと全ての辻褄が合うのです。父の自分の首を絞める様な行為も、ウチへの嫌がらせも…とにかく今は情報が必要なので父の所に『蜂影』先生
を向かわせました」
「エリオット様、アレス様の話が事実であれば、次の狙いは間違いなくエリオット様ですぞ。向こうに行けば必ず命を狙われます」
「なんて事だ…これでは父は逆賊ではないか!だが父が嵌められたとしても生き残る為には…」
「これが公になれば王国での地位を失います。もう連邦に寝返るしかないでしょう。となれば連邦に土産としてデュミナス領を全て手に入れるか、消失させて王国と帝国にダメージを与えるかでしょうね」
「エリオット様、直ちに我々は騎士団を率いて国境に布陣をし、砦を築きます」
「カノー、それなら開墾用オートマタで堀を作って港の工事用のを使って城壁を、高層用で見張り所兼攻撃用の塔を作ろう」
「なるほど!直ぐに手配してコチラに呼び寄せます。では失礼を…」
「オレは直ぐにやる事が出来たからここの指揮はエリオット兄さんにお任せします」
「分かった!とにかく守り抜くぞ!」
オレは直ぐに陸上兵器用『オケアノス』を制作する事にした。『シュワ』ちゃんに材料や魔石の確保に『ミレーナ』に行ってもらう。オレはミスリルの精製所に向かった。時間が無い為にタマが前に仕留めたフェンリルから魔石を引っこ抜いて使う事にした。まずはフェンリルの魔石を使った魔導炉の作成からとりかかる。
サガン師との会談を終えていたマイケル兄さんにカノーからの一報が入り、状況を把握したマイケル兄さんは、サガン師の出港を見送るとそのまま冒険者ギルドに傭兵の依頼を出した。そして『オケアノス』で造り終えられていた中型船をそのまま停泊させ、更に『オケアノス』を海上に移動させた。
『シュワ』ちゃんは『ミレーナ』に到着すると待っていたマイケル兄さんにオレのマジックバックと繋がっているマジックバックを受け取り鉄鉱石やアルミをその中に入れ込む様に指示した。『シュワ』ちゃんはそのままマイケル兄さんを連れて『デュミナス』にとんぼ返りである。
オレはミスリルで魔導炉と自走用のフレームに脚を4本取り付けた。その後、縦5m横3m奥行き2mの棺桶みたいな箱枠に6本の大型アームと20本の小型特殊アームを備えたのを5重に並べた。その枠を順番に通り抜けると骨格→動力→精密機器→装甲→魔法陣組込の順番で、工場の流れ作業で車を作る様に二足歩行のオートマタを全自動で造っていくのである。また箱枠は大きさを倍まで変えれるので大きなオートマタを造る事も可能だ。
早速オレは大型のオートマタを試作する。これで造れる限界の7mの巨人だ。魔石はアースドラゴンのを使っている。
コレには【禁書】の『サイレントキラー』を組み込んでゴリゴリの白兵戦用にする。総ミスリル装甲で全方位『ミラー』を展開させ、両手に鋼鉄の金棒を持たせて敵に突っ込み振り回わさせる。
動きは速く腕が太くて長い。足は短めだが装甲が厚めで太くて機敏に動く。
その後は2mのシュワちゃん型の鋼鉄量産機を造る。コレには魔法攻撃用と白兵戦用と盾兵用をそれぞれ造ってゆく。
魔法攻撃は火魔法と風魔法の遠距離広範囲である。盾兵用はデカい盾と分厚い装甲の壁役で、陣地確保や味方の防御専門だ。白兵戦用は鋼鉄とアルミの軽量型でスピードとパワー勝負のオートマタである。
「な、なんか凄いのが居るね…コレってオートマタなの?」
「あ、マイケル兄さんお帰りなさい。そうだよ〜もう量産開始してるよ。エリオット兄さんとカノーは会議室だよ、オレも調整終わったら行きます」
「分かった、待ってるよ」
オレはでっかい奴を『シュテン』君と名付けた。まだちょっと動きが鈍いので、少し訓練する様に言った。
「お待たせしました。量産機は順調に造られています。デカいのは『シュテン』君と名付けました。白兵戦専門です」
「もう造り出してるのか…早いな。カノーの方はどうか?」
「こちらはようやく堀が完成したので、他はオートマタの到着待ちてす」
「皆済まないと思っている。アレスに言われるまで気付かないとは情けない…」
「エリオット兄さん、それは私も同じです。もう少し注視して置くべきでした」
「とりあえず、騎士団と傭兵を集めて直ぐに動ける準備をして下さい。オレはオートマタの量産を続けさせて送り込みます。目処がつき次第オレも向かいます」
「私も行こう。これ以上の恥は晒せない。必ず戦場でこのカリは返すよ」
「住民の避難準備が整い次第、私も砦に入ります。では皆さん宜しくお願いします!」
オレはオートマタの製造を見守りながら『シュテン』の動きの調整をする。その最中『蜂影』先生から連絡が入る。
コレは屋敷の中の様子だな。父の横にいるのは誰だ?コイツが連邦の…。
「ランカスター卿、そろそろ宜しいのでは無いですか?」
「ふん…貴様はどうしてもワシを寝返らせたいらしいな。まあ、ワシを冷遇し続ける王国にも愛想は尽きてるがな」
「ならば早々にデュミナス領に侵攻なさっては?」
「そう焦らずとも既に兵の確保は終わっておるわ…後は何も知らぬエリオットを誘き寄せれば良い」
「我々連邦はランカスター卿にまだまだご協力出来ますよ」
「まさか貴様が連邦の手の者とは思わなかったが…都合良く来たものだ。狙っておったのか?」
「ランカスター領のあの筆頭執事が居なくなった事は我々にとっては丁度良かったのですよ。ですから後釜に入らせて頂いた…その後は我々の描いていた物とは違う方向に…ですからランカスター卿には是非こちら側に来て頂かないと」
「まあ良い…ワシを裏切った者は全員許すつもりは無い。王国であろうと家族であろうとな…」
「それならば宜しいでしょう?もう侵攻しては?」
「貴様らはエリオットを過小評価している。アレは相当な力を持っている。今の内に消さないととんでも無い化け物になるぞ」
「我々の懸念はデュミナス卿です。そしてあのアレスと言う三男は大変に危険です」
「マイケルは内政に関しては天才的だが、戦闘自体は大した戦力にはならん。アレスに関してはどうやらワシの見る目が無かった様だ…少々厄介だな」
「彼らは本当に我々の動きには気付いていないのですな?」
「エリオットの手紙ではワシを諭そうとする内容で一度お目にかかりたいなどと交渉しようとする内容だったからな」
「ではエリオット殿を待ってからに致しましょう…では」
男が出ていく…父はそのまま椅子に腰掛けたまま大きな溜息を付く…そして呟くように言っていた。
「ワシは…どうしてこんな事に…何が狂ってしまったのか…だがもう後戻りは出来ぬ…最早生き残る為に全ての情を捨て去るぞ…ワシは鬼になる…」
ここまで父を追い詰めたのはオレ達なのかもしれない…。だがこちらも情を捨て去るしか無いね…そちらが鬼になるのならオレは魔神にでもなってやろう。絶対に兄さん達はオレが命を懸けて守ってみせる。
この動画を見せたエリオット兄さんとマイケル兄さんは驚きを隠さなかった。カノーは泣いていた様だった。
「馬鹿な!!この俺を殺そうと…そこまで落ちていたのか…無念だ…」
「愚か也…父上…もはや後戻りは出来ぬ…こちらもな…」
「…完全に王国から連邦に寝返るつもりなのがはっきりした以上、王国にも謀反を知らせるべきかと…」
「直ぐ私の従者に魔法騎士団団長に知らせる事にする」
「じゃあ音声だけ持たせる事にします。従者の方は『ミレーナ』まで『シュワ』ちゃんに連れて行かせます」
「船の用意はコチラで…お任せ下さい…」
カノーは俺が使ってた音声魔導具を持ち、従者と共に『ミレーナ』に向かった。
しばらくの間と言っても1週間は無いだろう時間で砦を作り、騎士団と集められる傭兵を募った。オレは本部のミラさんにも連絡し傭兵を募る。それと共にオートマタを300体を用意し、まだまだ造り続けて行く。
ランカスター軍の本体にぶち当てる予定の『シュテン』君は大分スムーズに動ける様になった。
『デュミナス』の街は簡易な塀しか無い為に皆には『ミレーナ』への避難を開始させた。もし、『ミレーナ』まで侵攻が開始された場合は中型船や漁船で海に逃げる様に用意させる。非常事態の為に『アルゴー』や『カスケード』『シルフィード』『アンディーン』を全て『ミレーナ』に呼び寄せて住民を避難させる。
こうして、デュミナス軍VSランカスター軍の戦が始まろうとしていたのである。
ブクマやご評価頂きまして感謝しかありません。
また、ご感想や誤字脱字、修正依頼など皆様の応援が高いモチベーションを保っている要因です。本当にありがとう御座います。
これからも楽しい物語を書いていければと思っております。
素人の小説モドキですが、皆様に楽しんで頂けたら嬉しいです。




