さて、状況が動き始めたようだね。
お読み頂きありがとう御座います!!
【ムーガレド連邦、太守宮】
「では帝国に対する我が国の圧力が削がれているのだな?」
「はい、それどころか他の国や賄賂なとで通って居た者まで『ラスカンフェル』に向かっております」
「その船は王国の辺境領で造り上げた魔導船と聞き及んでおるが、事実か?」
「はい、先頃新たに出来た辺境領でして、ランカスター家の次男マイケル=ランカスターが男爵になりデュミナスと名を変えて辺境領を開発しているとか。そして、船を造ったのは三男のアレス=ランカスターです。冒険者ギルドのS級特待員でして、この者は魔導具造りの天才といわれ、今回の魔導船を造り上げるドック型の超巨大オートマタを造った張本人です」
「特待員の話は聞いている。オークロードを討伐したとか。その者が魔導具の天才とな?」
「そのオークロードを倒した兵器を自ら造った様なのです」
「うむ…まだ9歳になったばかりだと聞いておるが…」
「特待員になるほどですから…やはり規格外かと…」
「こちらも遠慮なくやらざる負えぬな。暗殺か?」
「それは無謀かと…私に策が御座います。不仲の父親を使えるかと存じます…」
「不仲?ほう…ランカスター家は親子が不仲であるか。分かった、そちに任せる!」
「ではその様に…」
◇◇◇◇◇◇◇◇
『ダーラムス』を出港した『アルゴー』は『ナガースフ』に向かって航海をしていた。
オレはランカスター領の嫌がらせに関して腑に落ちない事があり考えを巡らせていた。
いくら父が戦脳だとしても、こんな姑息な方法を取るのだろうか?と考えたのだ。
自らが自爆する様な手を打つ…本当にそこまで愚かなのだろうか?と…。
仮に父の身近な人物がやらせてるとすれば、それは父の為にやっているのでは無く、むしろ父にダメージを与える為にやっているとしか思えない。
そうなるとその者の目的が分からない…父に”何をさせたい”のか?
「う〜ん…分からんな…」
「ん?食堂のA定食は唐揚げだぞ!B定食はオークハンバーグだ!」
「イヤイヤ、定食のメニューじゃねぇし!!」
「違うのか?我はB定食のオークハンバーグにするのじゃ!」
「…どっちも捨てがたいな…タマはどっち?」
「ニャア…」
「タマも悩んでるのかよ…フクゾウ!お前どっちが良い??」
フクゾウは少し悩んだ様だが、オレがメモ書きした紙のAの方に乗った。
「じゃあA定食だな。食い行くか〜悩んでても仕方無いしな」
「大体食えば解決するぞ!」
オレ達は食堂に行って定食を頼んだ。唐揚げはタマとフクゾウの分で別盛りしてもらう。
そこに今日は珍しくヴィーグル船長がやって来た。いつもは艦長室で食事するのになあ〜。
「船長、珍しく食堂なんだね。何かあった?」
「たまには気分を変えてと思ってな。俺はハンバーグでな!」
「うむ、船長は見る目があるのじゃ!」
「そ、そうか?ハンバーグだと見る目があるのか?」
「そうじゃ!我と同じものを頼むのだからな!」
「ハイハイ…オレ達は見る目が無いですよ。ねぇ〜タマ、フクゾウ」
「ニャアニャア!」
タマは抗議の声を上げた。フクゾウもバチバチ電気を出している。
「そ、そんなに怒らなくても良いのじゃ」
サテラはハンバーグを口いっぱいに頬張る。これはオカワリしそうな勢いだな。
オレ達も唐揚げを食べながら話をしていると急にガンミが現れた。
「おっ、ガンミどうした?唐揚げ食うか?」
《か、唐揚げ…ワタシには…必要有りません…それよりもアレス、あなたは重大な見落としをしています。もう少し大きな視野で見ないと大変な事になりますよ》
「父の事か?それは今考え中だよ」
《そちらも絡む事になるでしょうが…もっと根本的な事を見落としています》
「根本的な…何?」
《くれぐれもご用心を…》
ガンミはそのまま消えてしまった…何だよ最後まで教えてくれれば良いのに!
確かにガンミの言ってる事は分からなくは無い。オレも何か引っ掛かってはいるのだから…。
「何やらさっぱりだな。アレス坊は例の件で何か悩んでるのかよ?」
「悩む…と言うより理由が分からない。何をしたいのか…いや、何をさせたいのか…」
「まあ悩み過ぎも身体に毒だぞ…おっ!キタキタ」
船長にはハンバーグの大盛りが来てた。アレ?大盛り頼んでたっけ?
「我もオカワリするのじゃ!!」
「うん、美味えな!チャックの作ったハンバーグはホントに最高だぜ」
その後サテラはハンバーグを平らげた後でしっかりとデザートを食べていた。ブレないな。
その後、タマとサテラが珍しく午後も稽古すると甲板に行ったので、気分を変えるべくオレは魔石の属性を使う魔導炉の事を考えていた。
属性を活かすための魔法陣を考えていたが中々上手く行かない。そもそも今までのやり方では魔力のみしか抽出出来ないのだから、根本的な事を変えないと上手く行かないのだろうね。
魔力だけ抽出した物を魔法陣で属性魔法として使う事は魔導船でも成功している。だが、それは純粋に魔力のみの話で魔石の属性は無視している。魔石には属性が当然ある訳だが、それを全く利用していないのだ。
今回の双頭の竜の魔石は属性が分かれてる珍しい魔石だ。このままいつものように使えば一個の魔石として使う事しか出来ない。が属性を上手く使えればそれぞれの属性による魔力の付加が付かないかと考える。
はてさて…どうしたものか…。
「若人、何かお悩みの様じゃな」
「おお…これはサガン様…お食事ですか?」
「食事はもう済んでしまったぞ。アレス殿が悩んでいる間にな。ホッホッホ」
「実は魔導具の事でちょっと考えてましてね…魔石の属性を上手く使えないかと…」
「属性を?それは聞いた事が無いのう…魔導具は基本的に魔石の魔力だけを使うものだからのう」
「ですよね…ちょっと思い付きだったのですが…」
「そうじゃな…魔導具の事に明るい人物ならば何か思い付くかも知れぬが…それと…」
サガン師は少し考えてからこう言った。
「優秀な錬金術師に話を聞くのも良いかも知れぬな」
「錬金術師??」
「うむ、彼らは魔石を使う際にその属性も考慮した上で物を作ると聞いておる。そこに何かしら使える技術が有るかもしれん」
「錬金術師がその様に魔石を使うのは知りませんでした…サガン様、お知り合いに優秀な錬金術師をご存知有りませんか?」
「う〜ん…そうじゃのう、『コックスナル』に魔導具師のゴードンと言う男がおってな、その男の知り合いなら優秀な者が居るかも知れんな。ただ偏屈な男でのう…」
「ゴ、ゴードンさんですか??何度も会ってるけどそんな話聞いた事無いですよ…」
「おお、ゴードンと知り合いか?ヤツはな元錬金術師なのじゃよ。だから昔の伝手で誰か知ってるかもしれぬよ」
知らなかった…ゴードンさんは元錬金術師だったとは…。だがそれなら話は早いな。
「ありがとう御座います!連絡取ってみます」
「しかしまさかゴードンと知り合いとは…魔導具師同士は引き合うのかのう…」
「今、共同で研究している魔導具が有るんですよ。ゴードンさんなら信頼置けるし」
「ほう、研究とな…では上手くいったらワシに一報をくれ。商品化や売り込み先の手配など一切合切ワシがやろう」
「ホントですか?それは助かるなぁ…宜しくお願いします」
やはり頼りは親友って事になるのかな!ゴードンさん頼むよ!
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これからも楽しい物語を書いていければと思っております。
素人の小説モドキですが、皆様に楽しんで頂けたら嬉しいです。




