気まぐれ女神は苺が好き〜苺が食べたたい女神様、原因は巫女でした〜
初めまして、異世界のお話は初めて書いたのですが、荒っぽい言葉が出てきます。それでもよろしければ下へお進み下さい。
誤字などがあれば指摘して下されば幸いです。
嫌だ嫌だ。何が女神だ。都合のいい時にだけ縋りやがって、何が成人の義だってーの。ふざけるな。いつテメーらに力を上げるなんていった?そんなもん昔、たまたま気が向いて投げつけたもんを何が毎年貰えるとか、ふざけるなよ。都合が良すぎやしねーか?
欲しいなら欲しいなりに、それなりの供物を寄越せや!なにが女神様は果物がお好きであられる、だ!いつ!誰が!好き!って言った!私は、苺が好きっていったんだよ!誰だよ苺が果物だと思って伝えたの!バカ巫女か!ふざけてんじゃねーか!
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白い空間の少し靄がかかった先に白いキトンを身にまとった女性が座っていた。
女性は陶器のように白い肌をしており、髪は透明感をもった金髪である。目は海のように深い色をしている瑠璃色で、腰に締めているベルトは胸の膨らみを強調し、裾から出ている脚はスラリと長い。座っている石の椅子も細かい彫刻が施されており、白く光っていた。
白い空間の中で女神と称される女は、その空間に相応しくない黒い雰囲気を醸し出していた。
「あー、なんでこんなことを続けなきゃいけなの!帰りたい!天にかーえーりーたーいー!」
この騒いでいる女は女神である。見た目は女神らしいが、態度は女神らしくない女神である。
こんなことになったのはこの女神の上司(と言っても会社のようなかんじではない。)が言い出したことがきっかけである。
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ある日、女神は気まぐれに地上に降りてきていた。すると、獣に襲われている人間を見つけた。気まぐれに見続けていると、死にそうになっていたので、これまた気まぐれに力を授けた。
そしたら、天界に帰った時に上司にバレて怒られた。で、反省として「その地に身を置きなさい」ときた。あー、あんな気まぐれやらなきゃ良かった。
最初は、教会にいるだけ(教会って言っても空間の中だから誰にも見えない。)だったが徐々にその地の人間が女神に力を求めるようになった。どうやら例の人間が力を突然授かったのが女神様のなんやらー、とか言いふらしていたせいである。誠に遺憾である。あー、ふざけんな。
女神様の言葉を聞くためには巫女が必要だとその地の人間は思いたち、女神の声を聞ける巫女を探し始めた。
で、来たのは何ともちんちくりんな餓鬼である。頭がどうも足りてないようで何を言っても自己解釈して間違ったことを伝え始める。なんだこいつは?!巫女とかいう前に言葉を覚えさせろ!と言っても餓鬼が聞きとるのでその地の人々は女神様からのご神託だと喜ぶ。うん、帰らせろや!
力が欲しかったら苺を寄越せと言ったら、大量の果物、病気を治して欲しければ苺を寄越せ!といっても大量の果物、傷を治して欲しければと言えば……
あの巫女、私に喧嘩を売ってやがる。こっちは貢物を貰ったらその分、力を使わないと天の法に背くことになるから嫌々やらなきゃいけねーが、もうそろ嫌になってきた。
てなことで私の授ける力は今日から役に立たないものに変更させていただきます。
ある時には戦う力が欲しいと言った者には戦うのに役に立たない力を与え、商売に役に立つ力が欲しいと言った者には商売に役に立たない力を与えた。
これくらい、いいだろ!だってこっちは要らないものを貰ってるし、苺が果物とか馬鹿なこと言ってる奴のせいで苺が食べられねーし、最後に苺を食べたのいつだ?
てな感じのことを繰り返していたら、上司にバレた。「授ける力をなんだと思っているんですかー!」ってな感じで、しこたま怒られた。
その時に次、同じことをしたら女神から使徒に格下げすると言われた。それは願い下げだ!折角この地位を手に入れてなんでもやり放題をモットーに生きようとしているっつーのに、実際できてねーけど、けど!これじゃあ、その夢も叶えらんねー!あー、クソッタレ!
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そんな感じで五年ぐらいだった頃、人間が教会に入ってきた。で、供物を置くようのテーブルに赤い果実を置いた。そう、小さくて、緑のヘタがついた果実。
苺だ!苺がきた!やっふぃ苺!でかした人間!お前には最高の力を与えてやろうではないか!
で、与えようとしたら、供物のテーブルから苺をかっさっらった奴がいた。
あ?ふざけるなよ。私のいちごを返せ!
よく見ると巫女だ。「女神様は果物がお好きであられる!野菜を置くなど女神様を冒涜してる!」とか言った。
こいつ、私言ったはずだよね。苺が好きだって、なんでこいつ私から聞いた時は苺は果物だと勘違いしたくせに次は苺は野菜とか言ってんの?頭沸いてんの?
イラついたので雷を落とした。
ーーーーピシャーンーーゴロゴローー!!!
苺を、返せやー!!!!
巫女は驚いて、お目苦しいものを見せてしまいましたと言ってから苺を、食べた。
食べた、だと、苺を、私の、私の苺を食べただとーー!!!!
で、その後の私は荒れに荒れ、上司が止めに来るまで三日三晩、荒れた。理由を話したら子供かと怒られた。だって、苺が食べたかったんだもん。巫女が私の苺を食べたんだもん!って言っても上司は女神である以上、手荒な行動派慎みなさいときた。私はバカ巫女のせいで苺が食べられない緊急事態なのに!苺がたべたいー!!!
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で、結果どうなったかっていうと、上司からは、「五年間、真面目にしていたのは知ってますが、暴れ回ったことに違いはありません。よって、女神のランクを1つ下げるだけにしてあげます。これだけで済んだことを有難く思い、日々を過ごしなさい」と言われた。一つのランクを下げられたことはショックだが、
それ以上にショックだったのが、女神様に苺を備えると天罰が下るというデマが巫女の口から広がり、拡散されていったことだ。巫女、ちゃんと話したはずなのに、なんで捻じ曲げるのかな?
てめぇーー!!ふざけんなよーー!!!
あの一件以降、私の供物に苺が捧げられることはない。
苺を、食わせろやーーー!!!!!