摩訶不思議な刃
剣地:闘技場
俺が戦っている相手、デュロスという奴は恐ろしく強い。俺の勘がそう言っている。
「さーてと、君はどんな風に殺されたい? ズタズタにされるか、バラバラにされるか。選んでよ」
「俺はあんたを倒して生き残るよ」
「フッ、面白いことを言う坊主だ」
その後、ゴディバの周りにカッターナイフの刃が浮かびだした。
「じゃあ、君をどう殺そうか私が考えてあげよう」
奴がこう言うと、周りのカッターナイフは俺に向かって飛んできた。俺は手にしたリボルバーを使い、カッターナイフを打ち落とそうとしたが、奴はカッターナイフを操って弾丸を防いでいた。
「そんな攻撃でこいつを落とせるつもりかい? それじゃあ、次はこっちから行くよ!」
奴はカッターナイフを操り、俺の周りへ移動させた。その時のスピードは恐ろしく早く、俺の目でも動きが追い付けなかった。
「はやっ!」
「さぁ、斬り刻まれな!」
六本のカッターナイフが、俺に向かって飛んできた。俺は剣を手にし、攻撃を防いだ。
「へぇ。やるじゃないか」
「あんたに褒められても嬉しくないね」
俺は左手でリボルバーを装備し、奴に向けて発砲した。奴は魔力の盾を発し、弾丸を防いでいた。
「隙を狙ったつもりかい?」
「まーな。でも、これで倒せるわけはねーと思っていたけど」
俺はカッターナイフを弾き飛ばした後、奴に向けて走って行った。だが、俺の後ろからカッターナイフが追いかけてきた。
「こっちへきても無駄さ! すぐに斬り刻んであげるよ!」
「やっぱりそうなるか!」
俺は後ろを向き、カッターナイフを弾き飛ばそうと思い、剣を構えた。だが、俺の目には飛んでくるカッターナイフが三本にしか見えなかった。おかしい、残りの三本はどこへ消えた?
「残念。隙だらけ」
俺はやはりと思い、後ろを見た。そこには、残りのカッターナイフが飛んでいたのだ。仕方ねーな。こうなったら、魔力を使うしかない!
「ハァッ!」
電撃を発し、俺は周囲のカッターナイフを地面に落とした。その時、カッターナイフから電撃が伝わったのか、奴も少し痺れていた。
「グウウッ! こんな強力な電撃を使うとは……」
「さぁ、今度はこっちの番だぜ」
俺は剣に電撃を集め、刃全体に纏わせた。かなり強力な電撃を入れたせいか、刃からバチバチと電撃の鳴り響く音が聞こえていた。
「本気を出すようだね。それじゃあ、こっちも本気を出さないと!」
奴はそう言うと、ポケットからさらにカッターナイフを取り出し、放り投げた。おいおい、一体何本のカッターナイフが宙に浮かんでいる? 数え切れない!
「こいつを避けられる奴は今までいなかった。君はこの攻撃を避けられるかな?」
「チックショー! やってやるよ!」
俺は剣を構え、飛んでくる大量のカッターナイフを打ち落とし始めた。二度と使えないようにするために、いくつかはへし折ったのだが、それでもまだカッターナイフは飛んでくる。
しばらくし、刃に集まっていた電撃は消えてしまった。
「はぁ……はぁ……」
俺も剣を振りすぎたせいか、腕が少し痛いし、息も上がっている。さらに、カッターナイフは体に直撃はしなかったが、いくつかが体をかすって行った。そのせいで、俺の体は切り傷だらけだ。
「へぇ……あれをやり過ごすなんて……結構いい腕だね……」
かなりの魔力を消費したのか、奴は俺より疲れていた。
「自慢の技が破れて、自信を落としたか?」
「そんなじゃないよ。まだ次の手はある」
次の手がある? 俺は後ろを振り向くと、叩き落としたはずのカッターナイフが再び動き出し、一つ一つが集まって巨大な刃になっていた。
「これをかわせる奴はいなかった。防御をしてもだめだぞ、こいつの切れ味の前では防御しても無意味だ」
巨大な刃は、俺に向かって降り下りてきた。俺はその攻撃をかわしたのだが、攻撃の衝撃で地面がえぐれていた。
「さぁ、どんどん行くよ!」
奴はそう言うと、何度も何度も俺にめがけて巨大な刃を振り下ろしてきた。まずい、このままじゃあ体力が切れてばてた時に、スパってやられてしまう。考えろ。
待てよ。あの巨大な刃は、小さなカッターナイフが集まってできている。見た目は巨大だけど、簡単な衝撃で崩れるかもしれない。あいつが魔力を使って固定していると思うけど、同じ所を何度も攻撃すれば、巨大な刃は崩れるはず!
俺は逃げるのを止め、リボルバーを装備し、魔力の弾丸を装着した。
「逃げるのを諦めたか。さぁ、この一撃で死ぬがいい!」
自分の勝利を確信した奴は、大きく刃を振り上げた。振り下ろすまでがチャンスだ!俺はすぐに銃を構え、刃に向けて全弾撃ち込んだ。雷の魔力も入れたから、威力はあるはずだ。
「弾を撃っても、意味がないよ!」
「試してみないと分からねーだろうが!」
俺は奴に向かってこう叫んだ。最初の弾丸は刃の威力に負け、破裂してしまった。だが、この一撃で当たった個所が少しへこんだ。続けて二発目、三発目も一発目と同じ個所に命中した。この時点で、一部のカッターナイフが破損し、地面に落ちた。そして、四発目と五発目で巨大な刃は崩壊しかけた。
「そんな……そんなバカな!」
「さぁ、最後はどうなる?」
最後の六発目。この一撃で巨大な刃は崩壊した。いや、崩壊というよりか、この攻撃で刃を固めていた魔力が消失し、まとまっていたカッターナイフが下に落ちて行った。
「そんな……なんてこと……」
俺は奴に近付き、銃口を突き付けた。先ほど、奴との会話中に弾丸をリロードしていたのだ。
「大人しく降参しろ」
「殺せ」
「おい司会者」
俺がこう言うと、司会者のおっさんは慌てて俺に返事をした。
「勝った奴が負けた奴の処罰を考えてもいいのか?」
「え……ええ。まぁ、勝敗が付いた以上考えてもいいでしょう」
「分かった。じゃあ、お前は殺さない。そのまま帰れ」
俺がこう言った直後、観客席から声が上がった。で、司会者は汗を拭きながらこう言った。
「えー……デュロス選手が負けを認めたので、この試合はコゴロー選手の勝利です!」
剣地の試合を見終えたブレアは、笑いながらこう言った。
「面白い奴がいるな。VIPファイトへ送って正解だった」
「そうですね」
側近の返事を聞いた後、ブレアはワインを一口飲み、振り返った。
「ゴベが連れてきた仮面はどうだ?」
「言われた通りに強さを測りました。恐ろしいですよ、あいつ」
「何が?」
「試験用に捕獲したギュルールライガーを数秒で焼き殺しました」
「あの凶暴なモンスターを数秒で焼き殺したのか」
この言葉を聞いたブレアは、側近を呼び出してこう伝えた。
「次の試合に出せ。面白いことになりそうだ」
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