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ヴァリエーレの決死の戦い


ヴァリエーレ:セブンワーオン本社、入口


 ルリは普通の女性だと思っていたけど、私の予想は外れていた。爪による攻撃と格闘術を使いこなしている。相当戦いの経験を積んだのだろう。そして、私から離れている時に火の魔力を使ってくる。


「オラッ! そろそろくたばれ!」


 私に向かって炎を纏った爪で攻撃を仕掛けたのだが、私は雷を発し、ルリに命中させた。


「ギャアッ!」


「それがあなたの本性なの? 思ったより凶暴ね」


「勝ち誇るなよ、牛女が!」


 私の雷を振り払い、ルリは体を回転させながら私に向かって突進した。私は上に飛んで攻撃を回避したのだが、ルリは方向を変えて私に向かって突っ込んだ。


「ズタズタになっちまえ!」


「そうはさせないわ!」


 宙にいる私は銃を構え、ルリに向けて発砲した。弾丸は爪で割れてしまったのだが、その破片がルリに命中した。


「チッ!」


 破片が顔にでも当たったのだろうか、ルリは回転を止めた。今がチャンス! 私はレイピアの刃に電撃を集中させ、ルリに向けて突き刺した。レイピアの刃に集まっていた電撃は、ルリに刺さったことで破裂した。


「うわァァァァァァァァァァ!」


 感電と共に、ルリは悲鳴を上げた。死なない程度に手加減はしたと思うけど、正直これで戦いが終わったとは思いにくい。


「は……ははははは……ハーッハッハッハ! やるじゃねーか……私をここまで追いつめるとは」


 やっぱり。これで倒れる女じゃないか。そんな時、ルリの方から何かの音が聞こえた。それに気付いたルリはポケットを探り、携帯電話を取り出した。


「何だ? いま取り込み中だ」


 その隙を奪い、私はレイピアで攻撃を始めた。


「ウワッ! お前、話をしている最中に攻撃するか!」


「隙があれば誰だって攻撃するわ」


「何かあったのですか?」


「今戦っている!」


「もしかして、あの小娘の仲間ですか?」


 相手の声が私の耳に聞こえた。あの小娘……ナルセかティーア、ヴィルソルのことだろう。ナディさんが捕まったかもしれないと言っていたが、最悪の予想が当たってしまったようだ。


「あの小娘って?」


「マスカレードファイトの裏にいた二人の小娘です。今、パトカーの中で調べています」


「ヴァリエーレの仲間を捕まえたのか。素晴らしいぞ」


 私はルリに接近し、レイピアの刃を突き立てた。


「私の家族はどこ? 教えなさい」


「連絡は後でする。今は会話ができる状況じゃないからな」


 ルリはそう言って、通話を切った。そして、私を蹴り飛ばした。


「ハッ! 誰が教えるかよ! 探したければご自分でどうぞ。しかし、生きて帰れると思うなよ!」


 少し本気を出そう。ティーアとヴィルソルが捕まった。それに、ナルセからも連絡が取れない。私が救わないと!


「なっ……何だ、この魔力は……」


 ルリは私が発している魔力の強さを感じ、驚いている。自分でも、こんな魔力が出せるものだと驚いていた。


「手加減はしないわ。本気であなたを倒す」


 私はそう言うと、周りに発生している電撃を左手に装備した拳銃に集中させた。アルバリーク城のゾンビを倒した時も同じような技を使ったけど、今度はそれよりももっと大きくてもっと強い魔法だ。


「な……何でそんな魔力が……」


「教えるわけがないじゃない」


 私はそう言って、大きな雷の塊をルリに向けて発射した。塊に命中したルリは、全身を震えさせながら悲鳴を上げていた。


 電撃が消え、少し焦げたルリがその場に倒れた。私はルリに近付き、こう聞いた。


「ティーアとヴィルソルはどこ?」


「ぱ……パトカーの中……」


「ナンバーは?」


「258の119」


「じゃあ、ナルセはどこ? あなたなら気付いているはず。天井裏にいた女の子よ」


「し……知らない……」


「仕方ないわ。白状するまでちょっとあれをするわ」


「あ……あれって……」


 その後、私はルリの衣服を剥ぎ取り、いつもルハラにやられていることをルリにやった。ルリは声を出しながら、その場で暴れだした。


「止めてほしければ、話しなさい」


「し……しらにゃいんれしゅ……あへぇ……」


「本当に?」


 私がもう少し手を動かすと、ルリはさらに悲鳴を上げた。


「本当です、本当です! もう止めて、体がおかしくなっちゃう! らめぇ!」


 この反応を見て、私はもう一度手を動かした。その後すぐにルリは悲鳴を上げ、力が抜けたように倒れた。


「ら……らめ……あへぇ……」


「ちょっとやりすぎたわ」


 その時、下での騒ぎを聞きつけたルリの仲間が、下での惨状を目の当たりにした。


「おい、ルリさんがやられてしまったぞ!」


「すぐにあの女を追え!」


「その前に今のルリさんを写真に撮っていいですか?」


「好きにしろ、後で高画質にして私にそのデータを渡すのだ!」


 あいつらに追いつかれる前に、私は入り口のドアを破壊して外に出た。だが、すでにバイクに乗った黒服の男性たちが私を待ち構えていた。


「チェックメイトだ」


「大人しく捕まれ」


「大人しく捕まると思う? 逆に好都合よ!」


 私は近くにいた男に攻撃した後、バイクを奪い取って逃げ始めた。


「逃げたぞ!」


「追え! 追うのだ!」


 その後、私は盗んだバイクでセブンワーオン本社から逃げた。




ヴィルソル:マスカレードファイト会場から離れた橋の下


 う……ん……一体何があった……なっ? 何で我と勇者は縛られている? まさか、奴らの仲間の仕業か!


「おや、気付いたようだねぇ」


 あの運転手が、気持ち悪い笑顔で我と勇者を見つめた。


「君たちのことを調べさせてもらったよ。今話題のハーレムパーティーの一員だね」


「だからどうした、この変態野郎!」


「はぁ……もっと罵ってくれ。興奮する」


 まずい……こいつ、マジでやばい変態だ! この変態野郎は勇者に近付き、下品な笑顔で勇者の体を見始めた。


「キレイな体だな……こんな体を好き勝手にいじくる男がいるのかい?」


 変態野郎は勇者の手の甲にある婚姻の紋章を見て、我にこう聞いてきた。


「はっ、貴様なんかに教えるか!」


「状況を察知しようよ。俺の気分次第で君とその子の運命が決まるのだから」


 クッ……まずいことになってきた。周りを見ると、我と勇者の装備がそこに置いてあった。さらに、丁寧に我らがマスカレードファイトの会場で手に入れた書類もそこに置かれていた。だが、この危機的状況をどう乗り切るか。




ヴァリエーレ:セブンワーオン本社から離れたハイウェイ


 ハイウェイで逃走中、私はナディさんと通信をしていた。


「ヴァリエーレさん! 無事でよかった」


「今は無事って言える状況じゃあないわ。本社から脱出したけど、ナルセは見つかってないし、ティーアとヴィルソルも連絡が取れない。捕まった可能性があるわ」


「ナルセさんも? ティーアさんとヴィルソルさんの行方は探していますが……」


「そうですか……ナディさん、お願いがあるの。通信機に発信機能ってある? それを察知して皆の居場所を特定できる?」


「何とかやってみます。ヴァリエーレさんはこの後どうします?」


「皆を助ける! それと、一応このことをルハラに伝えて。皆を助けたら私も会場へ向かうことも!」


 私はそう言って通信を切り、アクセルを思いっきりひねった。


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