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木馬発進


 マスカレードファイト会場から離れた橋の上。現代日本で例えると、レインボーブリッジのような長い橋。道路を走る車の中に、ひときわ目立つ黒い高級車が走っていた。その中にセブンワーオンの会長、ブレアが乗っていた。


「何? 不審者と戦い、敗北して逃がしてしまっただと?」


 ブレアは携帯電話でマスカレードファイト会場にいる部下と連絡をしていた。普段は緊急時以外連絡するなと伝えているのだが、先ほどのティーアとヴィルソルの戦闘があったため、その戦いを目撃した部下がブレアに連絡をしているのだ。


「そうか、サキャリとメニールが捕まったか。分かった。いいか、このことは絶対に会場に知らせるな。このことが会場にいる客に知られたらパニックになる。警察が来たら非常口から逃せ。いいな? それと、この連絡が終わったら俺の部屋を調べろ。何が盗まれたか調べろ」


 その後、電話を切ったブレアは大きなため息を吐いて呟いた。


「役立たずが」


 呟いた後、ブレアは手元にあった葉巻を口にし、マッチで火を付けた。葉巻の煙を大きく吸い、ゆっくり吐いた。それを何度も繰り返したうち、ブレアは運転手にこう聞いた。


「あと何分だ?」


「このまま飛ばせば十分以内に到着します」


「よし、もっと飛ばせ。文句を言われたら俺が出る」


「了解しました」


 会話後、運転手は思いっきりアクセルを踏み込み、前の車を追い越しながら前へ進んでいった。




剣地:木馬コクピット前


 非常にまずいことになった。今から木馬の周りを探し回って鍵を見つけろか? こんな広い木馬の中で鍵を探すなんて、時間がかかるぞ!


「ヒィィィィィ! 矢が飛んできた!」


「痛い、膝に刺さった……」


 おいおい……敵が近くにいるぞ。それに、さっきよりも数が増えてねーか!


「皆、一旦下がれ! 鍵を探しに行くぞ!」


 俺はこう言ったのだが、途中で矢が飛んできた。その矢は、俺の近くにいた奴隷の頭に突き刺さった。


「ぎゃァァァァァ!」


 目の前で仲間の死を目の当たりにしたのか、他の奴隷は悲鳴を上げて気を失った。


「あっ! やべぇ!」


 落ちそうになったのを助けたのだが、まだ気を失っているのか、声をかけても返事は帰って来なかった。


「他の皆は」


 俺は近くにいた奴隷の人にこう聞いたが、その人は震えながらこう答えた。


「皆逃げちまったよ! 俺も逃げたい!」


「バラバラになったのか……どうしようか……」


 俺が悩んでいる中、敵の方から悲鳴が聞こえた。どうやら、下で弓矢を使っている皆が頑張っているようだ。敵は生きているようだ。殺すなと言われたことを守ってくれているようだ。


 だけど、状況に変わりはない。今から戻りに行っても、まだ敵はいるし、仲間も飛んでくる矢にビビっているからな。そんな時だった。


「あの……鍵と言っていますけど……鍵ってもしかしてこのことですか?」


 と、後ろにいた奴隷が俺に鍵を渡してきた。もしかしてと思い、俺は鍵を受け取ってそれを鍵穴に入れた。鍵と鍵穴は合っていて、回すことができた! ビンゴ! こいつが入り口の鍵だったのか!


「今から扉を開く! 中は安心だと思うから、先に入れ!」


 俺は扉を開いてそう言った。その瞬間に、皆はコクピット内に入って行った。この場にいる者がコクピット内に入ったことを確認した後、俺は下で戦っている皆に声をかけた。


「今扉が開いたぞ!」


「分かりました! 今行きます!」


 その後、皆合流した後で俺はコクピット内に入った。中は意外と広く、俺を含めた奴隷たちが皆入るほどだ。壁は頑丈で、弓で放った矢はもちろん防げると思うし、銃で撃っても弾丸が受け止められるほどの分厚さだ。で、木馬の操作方法がコントローラーパネルの下に書いてある。


「うーん……ライダーセンスが適応すればいいけど……」


「何か言ったかい?」


「いーや、こっちの話。さて、俺が動かしてみるよ」


 俺は操作方法に描かれている通り、木馬の作動スイッチをオンにした。すると、突然周りから煙が吐き出すような音が響き、サイレン音が鳴り響いた。


「これ、動かしちゃまずい奴なんじゃないの?」


「ちょっと待ってくれ! 作動するまでにはいろいろと準備があるらしい!」


 俺は皆を落ち着かせながら、下の操作方法を見直した。ほうほう。電源をオンにした後は数秒の待機が必要。その後で木馬の操作が可能となる。オンにしていきなり動かすことはできないのか。で、肝心の操作方法はラジコンと同じような操作だった。ただ、ラジコンと違うのは足元にアクセルペダルとブレーキペダルがある。なんだか車みたいだな。まぁ、前にレバーを倒しながらアクセルペダルを押すと進み、ブレーキペダルを踏むと動きが止まる。車と同じだな……うん。そして、もう一つ違うのはレバーの横には無数のボタンがある。そのボタンにはいろんな武器の名前が書かれていた。この武器で戦えということか。


「よし、じゃあこのミサイルランチャーってボタンを押してみようぜ!」


 近くにいた奴隷がそのボタンを押してしまった。俺はその光景を見て、大声を上げた。


「おいバカ! 適当にボタンを押すな!」


「あ、すみません」


 ボタンを押した直後、金属音がきしむ音が聞こえた。部屋の上には周りを見られるモニターがある。そのモニターには、木馬の前足部分の関節が動き出し、そこからランチャー砲のような物が現れた。おいおい、あれからミサイルが発射されるのかよ! 俺がそう思っていると、そこから無数のミサイルが発射された。


「何だよ、これ!」


 俺は慌ててミサイルを止めるボタンを探した。俺は敵味方関係無しに奴隷を助けたい。殺しちまったら皆に合わせる顔がない!


「止めるボタンを探してくれ!」


「止めるボタンはないよ!」


「生き残るにはこれしかない! それそれ!」


 その後、奴隷たちは無我夢中でボタンを押し始めた。このバカ! 俺は殺しをしたくないって言ったはずだぞ! 何勝手にやっているこの野郎!


「俺が動かす! 生き残りたかったら俺の言うことを聞け!」


 俺は魔力を発しながら怒鳴った。その時の俺が怖かったのか、奴隷たちは後ろに下がりながら返事をした。


 ふぅ、やっと動かせる。さっきの攻撃で敵は怪我をしたが、死人はいない。運がよかった。さて……この場を沈めるには……これしかないな! これなら武器を使わず、相手を殺すこともないだろう!


「お前ら、衝撃に耐えられるように何かに捕まっていてくれ」


「何をするのですか?」


「相手の木馬をぶっ潰す!」


「武器を使うことになるけど」


「武器は使わない」


「じゃあ……も……もしかして、突っ込むつもりですか!」


「その通りだ!」


 俺はレバーを前に倒し、思いっきり強くアクセルペダルを押した。その後、俺はマイクを取ってこう叫んだ。


「敵の奴ら! 死にたくなかったら避けれ! 沼に落っこちるなよ!」


 俺はそう言って、マイクをしまった。その間、俺が動かす木馬は敵の木馬に走り出した。


「ぶ……ぶつかる!」


「歯ぁ食いしばれよ! 皆!」


 俺がこう叫んだ直後、木馬同士が激突した。


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