温泉旅行へ行ってきます
剣地:イルシオンシャッツ近くのギルド
翌日、ミッシェルさんは昼頃にギルドへきた。無事に戻ったレクレスさんを見て、涙を流しながら抱き着いた。
「お父様……無事でよかった」
「ああ……ただいま」
レクレスさんはミッシェルさんにこう言うと、俺たちの方を見てこう言った。
「君たちのおかげでまた娘と会うことができた。本当にありがとう」
「皆様、これが依頼の報酬です」
ミッシェルさんは後ろにいるSPを呼び、持っていた黒いスーツケースを俺たちの前へ持ってきた。SPが開けると、そこに入っていたのは二十組の札束だった。
「ざっと五百万ネカになります」
「ご……五百万!」
ヴィルソルは報酬金額を聞き、白目をむいて倒れた。
「ヴィルソル!」
「報酬の額に驚いて気絶したみたい」
「まぁ、もともと貧乏な所に住んでいたからね」
その後、俺は気絶したヴィルソルを椅子に座らせ、ミッシェルさんの話を聞いた。
「今回はお金の他に、こんなものを用意しました」
ミッシェルさんが差し出したのは俺たち人数分のチケット。そこには温泉リゾートハッコネーの最高級招待チケットと、書かれていた。
「うっそ! あの温泉のチケット!」
「しかも最高級……こりゃすごい……」
ルハラとティーアはチケットを見て驚いていた。だけど、ヴァリエーレさんは申し訳なさそうに小声でこう言った。
「私、何回か行ったことがあるの……」
「どういう所ですか?」
「ちょっと気になります」
俺と成瀬がヴァリエーレさんにこう聞くと、ヴァリエーレさんは思い出しながらこう答えた。
「あそこは温泉の他にもいろんなものがあるのよ。マッサージとかスポーツジム、ショッピングセンターやゲーセンもあるわ」
「結構いろいろありますね。デパートみたい」
「最高級は部屋もすごいし、専用の温泉もあるわ。皆では入れるわね」
この言葉を聞いたルハラは、目の色が光っていた。
「クヒヒヒヒ……温泉地でフィーバーもまたいいですなぁ……」
やれやれ。一体何を考えているのだろう? まぁ、ルハラはいつもこんなんだから仕方がない。
成瀬:温泉リゾートハッコネー入口
依頼を終えて二日後、私たちはハッコネーにいた。貰ったチケットをスタッフの人に見せると、スタッフは驚きながら私たちをホテルへ案内してくれた。
「どうぞ! こちらがあなた様の部屋でございます!」
案内された部屋はとても広く、ソファーやテレビはもちろん、ちゃんとしたキッチンや洗面所まであった。
「何じゃこりゃ……本当にこんな所で過ごしていいのか?」
目が点となったヴィルソルは、周囲を見回しながらこう言った。
「ああ。しばらくはここで羽休めってことだな」
剣地は先に部屋へ入り、荷物の置き場を探し始めた。
「ここがよさそうだな。ここに荷物置こうぜ」
剣地は和室に荷物を置くと、周囲を見回した。
「しっかし、すげー部屋だな。流石最高級の部屋だぜ」
「ベッドもふかふかー」
「ソファーもふかふかだよ。これ、うちのベッドより寝心地いいよ」
ティーアがソファーに寝転がりながらこう言ったが、しばらくしてティーアの口から寝息が聞こえた。
「寝ちゃったよ、あいつ」
「まぁいいでしょ。ここまでくるのに時間かかったから」
ロイボの町から、このハッコネーまではかなり時間がかかった。車で三時間ほどかかったのだ。
剣地はベランダに出ると、大きな歓声を上げた。
「広い温泉だな、気持ちよさそう!」
と、言いながら、温泉に手を触れたが、剣地はアヅッと言って手を冷やかした。
「ここにくるの、久しぶりね。最後に来たのは三年前だったかな」
ヴァリエーレさんは昔を思い出しながら、ベランダから外を見ていた。
「ふふっ、ここからの景色も変わりはないわ」
「何回かきたのか。羨ましいの」
ヴァリエーレさんの横にいたヴィルソルが、羨ましそうにこう言った。
その後、私たちは着替えをし、外を歩くことにした。
「時間はあるし、ゆっくり見ようぜ」
出かける時に、剣地が最初にこう言った。何故なら今回は一週間ほど、ここに泊ることになるからだ。どうやら、ミッシェルさんが私たちのために用意してくれたようだ。本当にありがたい。
「じゃあ最初にどこに行く?」
「ゲーセン」
「じゃあ、ゲーセン以外の場所へ行きましょう」
私はそう言うと、皆を連れて外に出て行った。剣地は冗談だから置いてくなと言いながら、後から走ってきた。
ルハラ:外のテニスコート
ほーほー、スポーツジムがあるとは聞いていたけれど、それ以外にもスポーツできる場所はあるようだ。テニスはもちろん、周りにはサッカーボールを持ったおっさんや、バトミントンのラケットと羽を持ったカワイ子ちゃん。バスケットボールでドリブルしている少年、ダーツセットを持ったメガネの青年が歩いていた。本当にいろいろあるようだ。
「面白そうだな。何かするか?」
ケンジがこう聞いたため、私はすぐにある物がないか、周囲を見回した。そして、私の目当てのものを見つけ、すぐにこう言った。
「はいッ! 私はプールで泳ぎたいです!」
「ルハラ、鼻血」
ヴァリエーレから指摘を受け、私は急いで治療した。
「プールか……たまには泳ぐのも必要だよな」
私の考えを察したのか、ケンジはにやけながらこう言った。
「仕方ない。たまにはいいか。ねぇ、ヴァリエーレさん」
「ははは……そうね」
ナルセとヴァリエーレも承諾した。ティーアとヴィルソルはすでにプール内へ行ったようだ。
その後、私たちは水着を借りにレンタルショップへ向かった。だが、あるのはスク水のような水着ばかり。こんな色気のない水着じゃあケンジは興奮しないな。できればもっと際どいのが欲しいな。ハイレグ水着みたいなのがあればいいんだけど。そんなことを思っていたら、ナルセがため息を吐いてこう言っていた。
「はぁ……たまにはビキニとか着てみたいな……」
「おっ、ケンジを誘惑するつもりですねー」
「違うわよ。ただちょっと、せっかく遊びにきているから、たまにはいいかなーって思って」
「ビキニねぇ……」
「我も少しは羽目を外すとしよう」
ティーアとヴィルソルは私たちの話を聞き、手にしていたスク水を戻して別の水着を探し始めた。だが、ヴァリエーレは少し照れながらこう言った。
「サイズが合う水着がないわね……ケンジのためにちょっと露出度が高いのを……それでいいかな……」
「それでいいですよ、ヴァリエーレさん!」
「ルハラ……また鼻血」
どうやら、また私の鼻から血が出ているようだ。そんなことより、早くエッチな水着に着替えて、プールへ行きたいものですなぁ! ぐひひ、楽しみやでぇ。
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