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アルバリークの宝


剣地:アルバリーク城一階


 翌朝……寝た所が日に当たらない場所だったから朝になったかどうか分からないけど、多分朝になっているだろう。俺たちは目が覚め、準備をした後上の階に戻ることにした。


「うわっ……まぶし……」


 俺の目に強烈な太陽の光が差してきた。どうやら朝を迎えていたらしい。


「さて、あの二人はどこに行ったのやら」


 成瀬が周りを見回しながら、ギメキとラロを探した。地下にいないとしたら、あいつらは上の階に行ったかも。


「上に行ってみよう」


「そうですね。さっさと探して先に進みましょう」


 その後、俺たちは二階へ上がって行った。二階の廊下は地下と同じように、無数の扉があった。だが、一つだけ開いている扉があった。


「あそこにいるかもね」


「開けたら閉めるってマナーを知らないのかしら?」


「でも、このおかげで場所が確定できたから、いいとしましょう」


 成瀬たちがこんな会話をしていた。まぁ確かに、あいつらがドアを閉めなかったから場所が確定できた。それだけでもありがたい。


 部屋の中には大きな絵らしきものがあった。だが、それは中途半端に開いていて、奥に隠し階段のような物があった。


「そう言えば、建物のでかさの割に、登る階段は一つしかなかったね」


「上へ行くにはあそこを使えというのだろう」


「敵をごまかすために作られた可能性もある」


 ティーアとヴィルソルの会話を聞き、俺はこう言った。その後、俺たちは隠し階段を上がり、周囲を見回した。


「扉はないね」


「ああ……」


 地下や二階と比べ、三階には扉がなかった。代わりに迷路のような廊下があっただけ。


「二手に分かれる?」


「いや、また別れたら探すのに苦労する。一緒に行こう」


 レクレスさんの言葉を聞き、俺たちは列を作って廊下を歩き始めた。だが、何度も何度も行き止まりにたどり着いてしまう。


「あれ? さっきの道を左じゃなかったっけ?」


「いやいや、このまま真っすぐだよ」


「魔王の勘が正しければ、右だな」


「とりあえず右に曲がって行けばよくない?」


「うし、今度は左に行こう」


 そんな会話をしながら俺たちは進んでいたのだが……数時間後、俺たちは元の場所に戻ってしまった。


「振り出しだね」


「もしかして、この二人もここで迷子になっているとか」


「考えられるな」


 ゴメスさんは周りを見ながらこう言った。数時間も歩いているから疲れるに決まっている。うーん……どうやってこの迷路を抜けようかな。


 それから、俺たちはもう一度迷路に挑戦することになった。ここで立ち止まっていても先に進まない。なら、行くしかないとレクレスさんが言ったからだ。


「ねぇ皆。ちょっと待って」


 と、成瀬が急に止まって小さな火の粉を地面に落とした。


「おいおい、火でも起こすつもりか?」


「目印を作っているのよ。この位の火の粉なら火事になる心配もないでしょ」


「そうだな。目印があれば迷わずに済むのだが……君の魔力が心配だ」


「大丈夫です。私、マジックマスターゼロを持っていますので」


 成瀬からこう聞いたレクレスさんは驚いてこう言った。


「そうか。君はかなり優秀な魔力使いなのだな。だから戦闘の時に魔力を乱発していたのか」


「はい。あのスキルのおかげで、戦いが楽なんです」


 と、成瀬はレクレスさんにこう言った。それから数時間後、やっと俺たちは迷路を抜けることに成功した。


「やっと迷路を抜けたみたいだね」


「ええ……」


 俺たちの目の前には、上へ昇る階段がある。見たところ、かなり長そうだ。


「よし、行こう」


 俺は皆にこう言って、階段を上り始めた。




「はぁ……はぁ……まだか……」


「まだ見たいね、お宝は……」


 ギメキとラロは一日中城の中を歩いていた。迷路の中を何時間も迷い、やっと上へ昇る階段を見つけ、登っているのだ。


「もう何時間も登っているぜ。下が見えねーよ」


「ここから落ちたら一発で死ぬわね」


「おいおい、恐ろしいことを言うなよ」


「きゃははは。ごめん」


 二人は会話を終え、再び歩き始めた。そして、二人の目の前に大きな扉が現れた。


「もしかして……」


「この先に……」


 二人は顔を見合わせ、にやりと笑った。その後、ギメキは持ってきた開錠道具で門を開け、部屋の中に入った。中には無数の金貨や宝石、最高級の素材で作られた剣や鎧が至る所に置いてあった。


「うっはー! こりゃスゲー!」


 目の前のお宝を見て、テンションが上がったギメキは金貨の山にダイブした。


「見ろよ、ラロ! 金貨のプールだぜ!」


「こっちは大きなエメラルドが入ったネックレス。そして、大きなルビーの指輪……もう最高」


 綺麗な宝石を手にし、ラロは喜んでいた。しばらく二人は宝の山を満喫していると、ギメキは元の位置に戻ってラロにこう言った。


「急いで袋に詰めるぞ。あいつらがきたら横取りされちまう」


「欲しい物はどんどん詰めないとね」


「ああ。見つけたのは俺たちだ。このお宝の山は俺たちの物だからな!」


 ギメキは笑いながら金貨や宝石を袋に詰めているのだが、ラロはそんな姿のギメキを見て、こう聞いた。


「今なんて言ったの?」


「え? 見つけたのは俺たちだ。このお宝の山は俺たちの物だ。それがどうした?」


「一つ訂正してほしいな」


「どの部分だ?」


「このお宝の山は……私の物よ」


 その直後、ラロは隠し持っていた剣でギメキの腹を突き刺した。


「ラ……ラロ……?」


「ごめんね、ギメキ。私はこれ全部が欲しいの。あんたに山分けする気なんて全然ないから」


「こ……この……泥棒女が……」


 ギメキは何とか立ち上がり、剣を持ってラロに襲い掛かろうとしたが、その時にラロは二回目の攻撃をギメキに当てていた。


「ガハァッ!」


 ギメキは吐血をし、後ろに下がった。荒く息を吐きながら、ラロを睨んでいたのだが、力も体力もない今、それしかできない。ラロは瀕死のギメキに近付き、笑いながらこう言った。


「じゃーねー。欲張りさん」


 その後、ギメキを階段から蹴り落とした。二度の攻撃を受けたせいか、弱ったギメキは悲鳴をあげることができずに上から落ちて行った。




成瀬:最上階へ向かう階段


 長い。この階段は長すぎる! 歩き続けて足が痺れてきた……。


「これは……爺には……キツイ……」


 流石のゴメスさんもこの階段には音を上げた。ヴァリエーレさんも途中で足をマッサージしながら歩いているし、ルハラは疲れを紛らわすためか、鼻歌を歌っている。そんな中、元気なのは剣地とレクレスさん、そしてティーアとヴィルソルだけだった。


「こんな長い階段初めてだなー」


「こんなの、山登りに比べたら苦でもない」


「私が先に行くの!」


「我が先に行く!」


 あの人たちは元気でいいねー。と思っていた。だが、次の瞬間何かが私の目の前に落ちてきた。


「何これ……」


 それを調べてみると……それは血だった。血は上から降ってくる! 誰の血なのかは、すぐにはっきりとした。上からギメキが降ってきているのだ。


「何であの人が!」


「分かりません。事情を聞いてみます!」


 私は水を使い、落下するギメキをすくい上げた。その後、階段の所に置いたのだが、すでにギメキの息は絶えていた。


「腹と喉に剣で刺されたような傷がある」


「もしかして……あの女性に……」


 ヴィルソルとティーアがこう言った。


「とにかく、あの人の所に行って事情を聞きましょう。歩いてなんていられない」


 私は皆に私の手に捕まるように伝えた後、スカイウィングで一気に飛び上がった。その時私は思った。最初からこうすればよかったと。


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