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この大乱戦に終止符を


ヴァリエーレ:草原中心部


 メヘーラジュードがこんなにいたとは驚いた。ざっと見で三十匹は飛んでいるだろう。


「おいおい、一匹じゃないのかよ!」


 ケンジは慌てて私たちの元へ走ってきた。その直後、ケンジの後ろにメヘーラジュードが降り立った。その数は五匹。


「やるしかねーな」


 ケンジは剣を構えてこう言った。その直後、後ろからナルセが放った炎が飛んできて、メヘーラジュードの群れを焼き尽くした。


「ティーア、一緒にあのスキル使うわよ」


 と、ナルセはティーアにこう言った。ティーアはその言葉に対し、首を振って返事を返した。


「いくよ。せーのっ」


「ブレイブソウル!」


 ナルセとティーアの声が響いた。ブレイブソウルのおかげで、私たちに力と活気が戻った。


「ありがとう、二人とも。これでまた戦える!」


「ナルセ、私たちも行くよ」


「ええ!」


「おっと、我らもまだ戦える! なぁヴァリエーレ!」


「もちろんよ。疲れていたら戦えないわ」


 その後、私たちは一斉にメヘーラジュードの群れに向かって走って行った。




「な……何ですか彼らは……」


 この状況を見ていた新人兵士は、目を丸くして驚いていた。彼自身、軍に入ってから剣地たちの活躍は噂程度で耳にしていた。この騒動で剣地たちが力を貸してくれると聞き、一体どのくらいの強さなのか彼は気になっていた。


「私の予想よりも……もっと強い……強すぎる」


「さて、ここは坊主たちに任せて、俺らは倒れた奴らを助けに行くぞ。ほら、ボーっとするな」


「は……はい」


 その後、彼は上官と共に傷を受けた兵士の治療へ向かった。




ルハラ:草原中心部


 うーん。奴らは意外と賢いなー。シムケン山で戦ったプテラモドキとの戦いを思い出す。奴らは群れを作っていろいろと動いていた。もしかして、メヘーラジュードもそうかもしれない。そう思った私は、戦いの合間に端末でモンスターの情報を見て、奴らの習性を調べた。


「よーし。分かった」


 奴らのことは分かった。私はすぐに皆から離れ、少し遠くへ向かった。


「どうしたの、ルハラ?」


「奴らをまとめて片付ける!」


 私は大声でナルセにこう答えた。何かすることを察したティーアが、私に近付いた。


「何か策があれば私も手伝うよ」


「ありがたい」


 ティーアに礼を言った後、私は息を吸って思いっきり色気のある声を上げた。


 これは私が手にした新しいスキル。ウッフンボイズ。効果は狙った相手を発情させる。最初はフィーバー目的やセクハラ目的で使おうと思っていたけど、このウッフンボイズは人以外にもモンスターにも効果がある。


 ちなみに、他に手にしたスキルは格闘能力を高めるファイティングソウルを手にした。残りはラブハートとスピアマスター、マギーアドレイン。


 私のウッフンボイズを耳にしたメヘーラジュードが、私に向かって飛んできた。おーおー、発情して我を忘れたか。


「ティーア、こっちに向かって飛んでくる奴らだけを相手にして」


「了解! そろそろ新しいスキルを使いたかったの!」


 私は大きくジャンプをし、飛んでくるメヘーラジュードに向かって飛び蹴りを放った。最初に一匹を始末した後、私に向かって飛んでくる奴に飛び移り、すかさず拳で奴の背中に攻撃した。攻撃を受けたせいで、メヘーラジュードから変な声が聞こえた。そして、地面に向かって真っ逆さまに落ちて行った。


「さーてと」


 私は周囲を見て、まだ発情している奴がいることを確かめた。どうやら発情している二匹のメヘーラジュードが、私に向かって飛んでいた。


「相手にしますか」


 私はそのうちの一匹に飛び移り、奴の羽に一撃を喰らわせた。羽に攻撃を受けたせいでバランスが崩れた。好都合。私は急いで頭付近に移動し、こっちに向かって飛んでくるメヘーラジュードに向かって飛んだ。目標である私を見失ったせいか、しばらく私が飛び移ったメヘーラジュードは飛び回っていた。しばらくし、他の奴を相手にしているティーアを見つけ、そっちに向かって飛び始めた。


「ティーア、こっちに向かっているよー!」


 私は大声でティーアにこう言った。




ティーア:飛び交うメヘーラジュードの下の地面


 どうやらルハラが飛び移った奴が、私に向かって飛んでいるようだ。発情して私に惚れたのか? 私を抱いていいのはケンジだけだよ!


「ルハラ、危ないから離れていて」


「あいあーい」


 私の声を聞いたルハラは、地面に飛び移って着地した。さーて、私の新しいスキルを見せますか!


 私が手にしたスキルはダークマジック・ゼロ。なんだかんだ手にした闇の力、使いこなさないとなんか自尊心に傷がつくから手にした。後はラブハート、マザーボディ、そしてスカイウィング。これで戦いもできるし、傷ついた皆も癒すことができる。攻めも守りも隙がない。


 私は向かってくるメヘーラジュードに対し、闇を放った。闇に気付いたメヘーラジュードは、我に戻ったのか後戻りしようとしたが、回旋が間に合わず、闇に飲まれてしまった。


「よし」


 闇が消えた後、そこには黒焦げとなったメヘーラジュードがあった。




剣地:草原中心部


 ふぅ……何発の弾丸を俺とヴァリエーレさんは放った? 確実に百は越えているだろう。


「まだいるのかしら?」


「みたいですね。まだ鳴き声が聞こえます」


 大体半分は倒したと思うけど、まだ残りの奴らが俺たちを囲っている。


「頭の悪いドラゴンが面倒なことを考えるのう……」


 鎌をしまいながら、ヴィルソルがこう言った。その時、上空から光と闇の雨がメヘーラジュードに向かって降りだした。この攻撃は見たことがある。成瀬の攻撃だ!


「これじゃあ長期戦になるわね」


 成瀬は攻撃をしながら呟いた。どうやら、この攻撃もメヘーラジュードの連中にはダメージがないようだ。くっそー、こっちは疲れているのに、メヘーラジュードの連中はぴんぴんしてやがる。


 俺がこう思っているその時だった。連中は一斉に口を上に上げた。何か嫌な予感を察したヴィルソルが、大声で叫んだ。


「魔力でバリアを作れ! 奴ら、我たちを焼き殺すつもりだ!」


「なっ!」


 成瀬は大急ぎで俺たちがいる場所へ降り立ち、バリアを張った。それに合わせて俺も成瀬に魔力を送り込む形でバリアを張った。ヴィルソルもヴァリエーレさんも魔力を発してバリアを作った。だが。奴らの火力の威力の方が上だった。しばらくして攻撃は止まった。


「うぅ……あっちぃ……」


 奴らの火炎攻撃を浴びた俺たちは、その場に倒れていた。いや、立っているのはヴィルソルだけだった。


「よくもケンジたちを……」


 ヴィルソルはメヘーラジュードを睨んでいたが、俺たちに近付いて抱き寄せた。


「ラブハートを使う。少しじっとしておれ」


「ああ……」


「分かった……」


「うう……」


 ヴィルソルがラブハートを使っている中、奴らは再び攻撃をしようとしている。まずいと思ったが、少しいいアイデアが浮かんだ。


「皆、そのまま集まれ。皆で魔力を集めてあいつらをぶっ倒そう」


「皆の魔力をぶつければ奴らをまとめて倒すことができるかもしれないわね」


「やってみよう。我もそのアイデアに賛成じゃ!」


「じゃあ、それぞれ得意な魔力を発して」


 その後、俺たちは各々の得意な魔力を発し、ぶつけ合った。その結果、俺たちを中心に闇や雷などが入った竜巻が発生した。竜巻の大きさや強さは半端なく、とんでもない大きさのメヘーラジュードの大群を浮き上げてしまった。


「このままテメーらをぶっ倒してやる! 決めるぞ、皆!」


 俺の声を聞いた後、成瀬たちは返事をして開放している魔力を強めた。このおかげで、竜巻の攻撃力が高くなっただろう。


「あ……俺限界……」


 俺の魔力が尽きた所で、竜巻は収まった。


「あいつらはどうかしら……」


 成瀬がこう言った直後、ズタズタに傷ついたメヘーラジュードの群れが、空から落ちてきた。どうやらあいつらを全員倒したようだ。


「や……やったぜ……」


 俺は勝利を確信し、その場に倒れた。


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