ロイボの町防衛戦
剣地:ロイボの町入口
「銃を持つ戦士や魔力を使う戦士は防衛線に立って待機せよ!」
「剣や槍を使う戦士は装備を整えろ! いいか、襲ってくるモンスターはこの周辺の奴とはレベルが違うぞ、必ず整えろ!」
「準備が終わり次第、戦いに行くぞ!」
町の門から兵士たちの叫び声が聞こえる。戦いを指揮する隊長が俺たちに気付き、声を上げながら近づいてきた。
「ケンジ殿ですか! ご活躍は耳にしております!」
「いやどうも。で、モンスターは?」
「ドラゴンの一種、メヘーラジュードです」
「何! メヘーラジュードだと? 奴はこの辺りに生息しないはずなのに!」
ヴィルソルが声を高く上げて驚いた。その反応を見た隊長が、困りながらこう返事した。
「どうしてあいつがこの辺りに現れたのは私にも分かりません」
「気まぐれでここにきたのか? 何とまぁ迷惑な気まぐれじゃ」
「そんなことより、私たちも行かないと」
「そだよー。私たちには新しく付けたスキルがあるから楽勝だよ」
と、ティーアとルハラがこう言った。その時、成瀬が俺の肩を叩いた。
「車を出して」
「車で一気に突っ込むってわけか」
「その通り!」
俺はインフィニティポーチから車を出し、成瀬を助手席に乗せ、ヴァリエーレさんたちを後部座席に乗せた。シリヨク王国で手に入れたこの車だが、よく調べると軍用で作られたのか、防弾はもちろん魔力に対しても防御力があるすごい車だ。
「うっし、行くぜ、皆!」
俺の声を聞き、皆は一斉に声を上げた。皆の声を聞き、俺はアクセルペダルを踏んでメヘーラジュードとかいうドラゴンの元へ向かった。
成瀬:ロイボの町周辺の草原
しばらく車で移動していると、変な鳴き声のような音が響いた。
「うわ! 何だ、この音!」
「ちょっと剣地、運転中だからハンドルから手を離さないでよ!」
「悪い。それよりも何だこれ? まだ響く」
「メヘーラジュードの鳴き声だよ。あいつの鳴き声はかなりうるさいから、遠く離れていても聞こえるの」
ティーアは耳を抑えながら窓から外を見た。すると、何かを見つけたのか、剣地に車を止めるように伝えた。
「いたよ」
「うし! 行くぜ!」
剣地は私たちが車から降りたのを確認した後、車をインフィニティポーチにしまった。
「さて、新しいスキルを試してみるか」
剣地はそう言うと、魔力を解放した。そして、メヘーラジュードに向かって雷を放った。
「先に行くぜ」
と、私たちにこう言って、剣地は雷の上を滑るように移動していった。
「待て、ケンジ。我も行くぞ」
ヴィルソルも水を凍らせ、道を作った。そして、スケートをするように滑って行った。
「ねぇ、二人とも先に行っちゃったけど大丈夫なの?」
「どうにかなるでしょ」
「メヘーラジュードはドラゴンの中だと弱い部類だから大丈夫だと思うわ」
「会話は後! 早く二人の後を追いましょう!」
その後、私たちは先に向かった剣地とヴィルソルの後を追って走って行った。
ヴィルソル:草原中心部
我の耳にメヘーラジュードの鳴き声が響き渡る。それとかすかに、人の悲鳴も。
「急ぐぞ、ケンジ。被害が出ている」
「クソッ、早くしねーと」
我とケンジは急いで現場へ向かった。少しして、我の目にメヘーラジュードの姿を確認した。
「あいつがメヘーラジュードって奴か」
「ああ。ふざけたような色合いのドラゴンだが、性格は凶暴、見たものを何でも食ってしまう悪食野郎だ」
「どうする?」
「普通のモンスターと戦うようにすればいい。奴はドラゴンの中で弱いからすぐに倒せると思う」
「了解!」
ケンジは我に返事をすると、スカイウィングでメヘーラジュードに向かって飛んで行った。
「おいメヘーラジュード、これでも喰らえ!」
ケンジは右手に雷を溜め、メヘーラジュードの脳天に向けて落とした。電撃を浴びたメヘーラジュードは悲鳴を発し、全身を震えさせた。だが、ダメージはないようだ。
「ケンジ、今度は我がやる」
我は両手に魔力を発し、光の魔力を放った。スキルセンターで我は以下のようなスキルを手にしている。
ライトマジック・ゼロ。成り行きで手にした光の力、使いこなすにはこのスキルが必要だ。
ドラゴンボイズ。トリガースキルの一つで、魔力を消費して龍のような咆哮を発する。龍の咆哮はかなりでかいし、耳にした相手は確実に怯むだろう。
あとはラブハート、ソードマスター、マギーアドレインの三つ。あれば便利だから貰った。
「さて、貴様を斬り刻むとしよう!」
我は放った光を刀のような形にし、メヘーラジュードに向かって飛んで行った。奴が我の存在に気付く前に、我は奴の死角になる場所へ移動し、攻撃を始めた。
「ケンジ、拳銃で追撃を頼む」
「よっしゃ、任せとけ!」
宙で待機していたケンジは、両手に拳銃を持って弾丸を乱射した。流石ガンマスター。弾丸はメヘーラジュードの首に命中した。これはかなりのダメージを与えたようだ。
「二人とも、お待たせ!」
下で勇者の声が聞こえた。
「私も援護するわ」
と、ヴァリエーレがケンジと同じように銃を構え、メヘーラジュードに向けて弾丸を放った。
ヴァリエーレ:メヘーラジュードから少し離れた所
ガンマスターは本当にすごい。このスキルを手にした時点で頭の中に銃に関する知識や扱い方が入った。今の私ならケンジと同じように拳銃はおろか、スナイパーライフルもバズーカなども使える。他に私が取得した新しいスキルはこんな感じだ。
サンダーマジック・ゼロ、ガンマスター、マジックアーマー、ラブハート。そして、マザーボディというスキル。このスキルはトリガースキルで、特に魔力とかも消費するわけでもない。効果はありったけの母性を出し、相手を優しく癒すというのも。戦いに関してのスキルも必要だけど、癒すことも必要だと思いこのスキルを選んだ。ラブハートとも併用ができるから、かなり使える。
「ヴァリエーレさん、一気に決めましょう!」
「ええ、分かったわ」
ケンジが私の近くに着地し、両手に電撃を発した。私もケンジと同じように電撃を発した。
「やるわよ」
「はい」
私とケンジは同時に電撃を放ち、一つにまとめた。巨大な玉となった電撃は、私と剣地の合図に合わせ、メヘーラジュードに向かって飛んで行った。巨大電撃玉は見事にメヘーラジュードに命中。大きな声を上げながら痺れている。
「どうやら始末したようじゃのう」
ヴィルソルがこう言いながら下に降りてきた。ドラゴンの一種が相手だから苦しい戦いになると思っていたけれど、すぐに終わってよかった。私は心の中でこう思っていた。
「皆、気を付けて」
と、ティーアがこう言った。その直後、またメヘーラジュードの鳴き声が響いた。まさかと思い、私は空を見上げた。
「嘘……でしょ」
上空にはメヘーラジュードの一群が飛んでいた。そんな、一匹だけじゃなかったの?
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