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新たなる力を得るために


剣地:ギルドの自室


 仕事のせいだろうか、かなり疲れがたまっている。昨日は夕食を食べて早く寝たけど、まだ疲れが残っている。目が覚めて起きても、まだボーっとする。


「あぁ……こんなに疲れたの、久しぶりだよ……」


 窓の外を見ると、太陽が少し登っていた。


「シャワー浴びよ……」


 俺は立ち上がり、風呂場へ向かった。衣服を脱ぎ、シャワーを持って蛇口をひねった。少しぬるい水が俺の体を濡らす。そのせいで体の気だるさも少しは落ちた。


「朝シャワーですか旦那?」


 後ろからルハラの声がした。


「お前、いつの間に?」


「ケンジがベッドから降りた時から」


 ルハラはそう言うと、背後から俺を抱きしめた。俺の背中に、ルハラの胸の感触が当たる。


「私も一緒にシャワーを浴びよーっと」


「ははは……成瀬がこの光景見たら絶句するぜ」


「確かにねー」


「朝っぱらから何をやっているのよ」


 と、風呂場に入ってきた成瀬が俺とルハラにこう言った。


「ナルセ、おはよー。一緒に浴びる?」


「浴びないわよ、恥ずかしい」


「他の皆はどうだ?」


「まだ寝ているわ」


 どうやら起きたのは成瀬だけのようだ。ルハラは外の様子を見て、一言こう言った。


「本当に疲れているみたいだね」


「疲れた時は睡眠を優先する。睡眠よりも性欲を優先するルハラがちょっとずれているのよ」


「そりゃー私は本能で生きているから」


 と、ルハラはそう言って風呂場から出て行った。俺もシャワーを浴び終え、着替えをした。


 数分後、皆が起き、それから食事に向かった。その後、部屋に戻って皆と出かける準備をした。目的は一つ。新たなスキルを手に入れるためだ。これからセントラー王国で戦った時よりももっと難しい任務を受けることになるだろう。それに、この世界にはクァレバの連中よりももっと強い裏ギルドの奴らがいる。今後そいつらと戦うために、もっと力を付けるためだ。


 スキルを手に入れるために、俺たちはスキルセンターという場所へ向かった。どうやらそこでスキルを得られるようだ。そこへ向かう最中、ヴァリエーレさんやティーアがスキルに関してより細かくいろいろと教えてくれた。


 まず、スキルを手に入れるにはいろいろな経験が必要である。例として俺が持っているソードマスターのスキルを手にする本来の手順は、いろんな種類の剣を使いこなし、それに関するスキルを全て取得すること。そうすればソードマスターのスキルを手にすることができる。俺は神様から貰ったからすぐに取得できたけど、本来であれば取得するのにかなり時間がかかるスキルのようだ。


 それと、スキルを取得できるのは数に制限がないが、使えるスキルは十種類まで。それ以上付けると体に負担がかかってしまうため、この制限を付けたようだ。どんなタフガイでも、十以上のスキルを付けたら体がボロボロになってしまうようだ。外したスキルはまたスキルセンターで付けられることができるので、外しても問題ないようだ。


 最後にスキルの種類について。俺と成瀬は何も考えずにスキルを選んだから、これを聞いた時は驚いた。スキルには二つの種類がある。魔力などを使って発動するトリガースキル。付けた時から発動するエンチャントスキルが存在する。だけど、スキルを違法に扱う所が裏の世界にあり、それが禁断スキルと言われている。使えば凄い効果を得られるが、その代償が大きい。俺が戦ったレッジが使ったモンスターソウルがこの一つと聞いた。モンスターソウルは運動神経などをかなり発達させるスキルだが、その代償として知性と理性を失い、二度と戻らない。あのスキルのせいで、あいつは牢屋の中で何もできないでいるのか。禁断スキル、恐るべし。だけど、禁断スキルは普通のスキルセンターでは取得できないし、取得したらその場で捕まる。


 いろいろと考えているうちに、俺たちはロイボの町のスキルセンターに着いた。この世界に転生してかなり月日が流れたが、スキルセンターという場所にくるのは初めてだな。


「いらっしゃいませ」


 受付嬢の姉ちゃんが、さわやかな笑顔で俺たちを出迎えてくれた。


「ケンジたちは初めてでしょ。後のことは私がやるから心配しないで」


 ヴァリエーレさんがこう言うと、いろいろな手続きをしてくれた。数分後、俺たちは店の奥へ向かい、そこで説明を受けた。


「ではこのスキルリングを付けてください」


 と、店員の姉ちゃんが俺に腕輪を渡してきた。


「何ですかこれ?」


「スキルリングと言います。これを付けると、あなたの戦いから得られたスキルポイントが表示されます」


 なんだかゲームみたいだな。俺はそう思いながらスキルリングを付けた。すると、腕輪に付けてあった液体画面が動き出し、しばらくして数字が表示した。俺の予感が正しければ、この数値を使ってスキルを手に入れるのだろう。


「では、スキルモニターの前に立ってください。ここであなたが取得したいスキルを選んでください。説明文や消費ポイントは、詳細のボタンを押してください」


「分かりました」


 本当にゲームのようだ。似たようなことをゲームでやったことがあるから大体理解できた。さて……何を手に入れようかな。




成瀬:スキルセンター前


 数時間後、私達はスキルを選び終え、店から出た。


 剣地は以下のようなスキルを選んでいた。


 ライダーセンス。乗り物の扱いがプロ並みになるエンチャントスキル。シリヨク王国でいろんな乗り物を手に入れたから、あれば便利かもね。


 サンダーマジック・ゼロ。雷の魔法を使う時、魔力の消費がゼロになるスキル。そう言えば、剣地は魔力に関するスキルが欲しいって言っていた。


 剣地が手にしたスキルはこれだけ。本人はもっと欲しがっていたけれど、サンダーマジック・ゼロを取得した時点でポイントが空になっていた。


 私も魔力だけじゃダメだと思い、新しいスキルを取得している。


 スカイウィング。剣地が持つスキルと同じ。私はゼロマジックがあるから、実質コストなしでこのスキルが使える。


 イレーズフォース。相手の強化スキルを無効化にするスキル。ヴィルソルが厄介なスキルを使う相手との戦いに便利と言っていた。実際ヴィルソルもクァレバの団員を相手にする時に使ったと言っている。


 ウィークチェッカー。相手の弱点を調べるスキル。ヴァリエーレさんもこのスキルを持っていると話し、あれば便利と言っていた。


 他の皆も新しいスキルを手にしていた。ルハラやティーアは、早く新しいスキルを使いたいと言い、うきうきしていた。


「早く新しいスキルを使いたいのであれば、依頼を受ければいいだろうが」


 はしゃぐ二人を見て、ヴィルソルはため息交じりにこう言った。その直後、急にサイレンが鳴り響いた。


「緊急! 緊急! ただいまロイボの町に巨大モンスターが接近中! 町にいる兵士や戦士はすぐに応戦せよ!」


 何? 巨大モンスターがこっちに迫ってきているの?


「丁度いい、私の新しいスキルが活躍する時がきた!」


「さーてと、張り切って行きますかー!」


 ティーアとルハラは張り切った様子を見て、そのまま走って町の門へ向かった。


「俺たちも行こう!」


 私たちは剣地の言葉を聞き、返事をして一緒に門へ向かって行った。


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