戦争の残した爪痕
ミニマコーザの戦争から一週間が経過した。ハーレムパーティーやオノブたち、ウィリーやその部下たちは懸命にミニマコーザ城下町の復興作業を行っていた。彼らが素早く動いたため、城下町の復興は予想以上に速い作業となった。
そんな中、一人の子供連れの女性が町にやってきた。町の門番は現れた女性を見て、不審に思った。
「あなたは一体誰ですか? すみませんが、不審者は今入れない状況です」
「知り合いがこの場で命を落としたと話を聞きました。真実を確かめるべく、ここへ来ました」
「亡くなられた方の知り合いですか……すみません、少しお待ちください」
門番は女性の子供を見て、亡くなったのが女性の夫かもしれないと判断し、剣地たちに連絡をした。しばらくして、その兵士は女性にこう言った。
「今回だけは特別です。一応ケンジさんたちには伝えましたので、彼らや町の兵士の指示を聞いて動いてください。今、火事場泥棒対策で、警備を厳重にしていますので」
「分かりました。ありがとうございます」
女性はそう言って頭を下げた。その後、彼女の見張り役として成瀬とルハラが姿を現した。
「私たちが遺体安置所までご案内します」
「知り合いの人がいたら声をかけてねー」
「はい」
その後、三人は戦争の犠牲となった人たちが眠る場所へ向かった。
ルハラ:遺体安置所
黒いローブで羽織っているが、この人から魔力を感じる。大分前に感じた魔力だ。この人は三十年前に遭遇したダークエルフだ。ローブで姿を隠しているようだけど、私には分かる。エルフの魔力は少し違うからね。だけど、今はそんなことを言う状況じゃない。この人は旦那に会いにきたのだから。
だけど、ここには何百もの遺体がある。それに、空襲のせいで遺体が丸焦げになり、遺品も遺体も訳が分からないものも存在する。探すのは難しいだろう。
探し始めて数分後、女性はある遺体を見つけた。
「あなた……」
どうやら、旦那の遺体を見つけたようだ。よかったと思う。すぐに見つけることができたからと、最期の別れがしっかりできるからかな? しかし、ダークエルフの嫁さんを残して命を落としたのは一体どんな男なのだろう。私はそう思い、遺体を見た。旦那を見た私とナルセは驚き、ダークエルフにこう聞いた。
「あなた、ジョンの嫁さんだったのね」
「ええ。私はナジュ。武器商人、ジョンの妻」
話を聞き、ナルセは少しの間を開け、口を開いた。
「あの、ジョンはその……多分、爆撃に巻き込まれて……」
「気にしなくていいのよ。ハーレムパーティーの最終兵器と言われるあなたも、ためらうこともあるのね」
「ええ……はい」
「ジョンも言っていたわ。仕事をやる以上、命を落とす可能性がある。危険だから、いつも安全じゃないって。でも……そういう日がくるのが突然すぎるわ」
そう言いながら、ナジュさんは涙を流していた。ジョンのような野郎でも、ちゃんと愛してくれる人がいる。私はそう思いながら、安置所の役員に話をした。ジョンの遺体はちゃんと家族の元に返してあげよう。私はそう話をしたのだ。
その後、ナジュはインフィニティポーチを使ってジョンの遺体をしまい、帰る支度を始めた。ナジュの後姿を見て、私たちは話を始めた。
「あいつにこんな小さな子供がいたなんて思わなかったよ」
「予想外じゃ。こんなかわいい子を残して逝くとは……」
ティーアとヴィルソルはジョンの子供の世話をし、ケンジとヴァリエーレは帰路に就くための飛行船の手配をしていた。
「オッケーよ。これですぐに帰ることができるわ」
「本当にありがとうございます。まさか、ハーレムパーティーの人たちにいろいろとしてもらえるなんて思ってもいませんでした」
「困っている人は見過ごせないので。これで、ジョンの奴も浮かばれるでしょう」
ケンジは電話をしまいながらこう言った。それから少しし、私たちが手配した飛行船がやってきた。
「これで、すぐにあの人を埋葬することができます。本当にありがとうございます。そして、ジョンが今まで迷惑をかけました」
「もういいですよ。奴との因縁も終わりました」
「後は悪い人に捕まらないように暮らしてねー」
私たちはそれぞれの言葉を駆けながら、ナジュさんの帰りを見送った。
ヴァリエーレ:ミニマコーザ城下町
ナジュさんを見送った後、私たちは復興作業を再開した。にしても、空襲での爪痕が酷い。建物は木端微塵に破壊され、跡形もなくなっている家もある。町の人も空襲で発生した暴風で飛んできた物に当たったりしたのか、怪我人が多い。
「戦争は終わったが……」
「これで弱い国へ逆戻りか……」
一部の町の人は、小さな声でこう呟くときがあった。確か、ミニマコーザはアーサーが王として君臨する前は、とても治安が悪いと話を聞いた。アーサーが王になって改善されたのだけど、それでも社会的地位は低かった。だから戦争を起こした。
「納得がいくわね、アーサーが戦争を起こした理由が……」
「そうですね……」
私はそんな話を隣にいるケンジと話をしていた。ケンジは私の言葉には返事をするが、視線は荒れ果てた町を見ていた。ケンジは何か思うところがあるのか、真剣な目をしていた。
「いままでのやり方じゃ……ダメなのかな?」
「どうしたの、ケンジ?」
私がこう聞くと、ケンジは少し慌てて返事をした。
「何でもないですよ、独り言です」
そう返事を返すケンジだが、心の中では何か考えているようだ。また、別の機会にその考えを聞かせてもらおう。
この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!




