ミニマコーザ城での大激突
ルハラ:ミニマコーザの城への道
ナルセがジョンを追いかけて先へ行ってしまった。予期できなかった出来事だったけど、私たちにとっていい方に状況が動いたと思う。少し離れた所にあると思うけど、ミニマコーザの城らしき建物が見えている。
「あれがミニマコーザの城です」
「へー、それなりに立派な建物じゃ」
「見た目は美しい城ですね」
ウィリーさんはあれがミニマコーザの城だと教えてくれた。あの中に戦争の発端となったアーサーがいるのだ。さっさと倒して平和的に戦争を止めないと。その後、私たちは再び城へ向かって走り始めた。ジョンの奴が大急ぎで逃げた以上、兵士たちに新たな武器が渡された可能性がある。多分……というか確実に激しい戦いになるだろう。
数分後、私たちはミニマコーザの城の前に到着した。門番はおらず、扉は開きっぱなしだった。大きな城なのに、強盗とか変人が入ったりするとか考えないのだろう。
「開けっ放しで不用心じゃ。泥棒が入ったら宝が盗まれるぞ」
「気を付けてください、罠の可能性があります」
ニッコーさんが開きっぱなしの扉を見てこう言った。確かに、この状態だとこの先に罠がありますよと教えてくれているようなものだ。しかし、敵が中にいる以上、あの中に入らなければならない。
「さて、罠があろうが何がこようが、先へ進むしかないな」
ケンジは剣と銃を装備し、戦う支度をした。それを見た私たちも戦う支度をし、開きっぱなしの門へ向かった。城の中に入ると、私たちに向けて一斉に弾丸やビーム砲が放たれた。
「予想通り!」
ティーアとヴィルソルが光と闇のバリアを張り、私たちを守った。周りを見ると、そこには無数の兵士がいる。どれもこれもアサルトライフルやビーム砲、そして違法改造されて強化された魔道武器も存在する。
「うォォォォォォォォォォ!」
「ハーレムパーティとそのおまけ、覚悟しろ!」
「お前たちはここで倒れる運命なのだ!」
一部の兵士は魔道武器の剣を装備し、私たちに斬りかかった。しかし、ティーアとヴィルソルのバリアには敵わず、あっけなく弾き返されてしまった。
「さて、やるか」
ケンジが武器を持とうとしたが、オノブさんが先に刀を持って前に走り、兵士たちに斬りかかった。
「チャンバラならわしが相手になるぞ!」
どうやらオノブさんは見たことのない武器を見て、テンションが上がっている。オノブさんを見て、タトミさんとニッコーさん、そしてウィリーさんがバリアを抜けて行った。
「私たちはオノブ様を援護します」
「雑魚の相手は我らに任せてください!」
「皆さんの腕を信じます。アーサーを倒し、戦争を終わらせてください。お願いします!」
「皆……」
ケンジは戦い始めたオノブさんたちを見て、ティーアとヴィルソルにこう言った。
「もういいぜ。ここはオノブさんたちに任せよう」
「だね。じゃあ私たちは……」
「アーサーの元へ向かう!」
その後、私たちはアーサーの居場所を探しに城内へ向かった。激しい戦いになるぞ、これは。
城の庭で戦い始めたオノブたちは、圧倒的な力を見せつつ兵士たちを一掃していた。
「ぐ……最新の武器でも敵わないとは……」
最新型アサルトライフルを構えた兵士は、オノブたちの力を見て戦意を失っていた。すると、目の前にタトミが現れた。
「ふ……いくら強くともこれだけ近ければ多少は弾が当たる! 覚悟しろ!」
近い敵なら確実に弾が当たる。そう思った兵士はタトミに向かって弾丸を乱射した。しかし、タトミは刀を振り回し、弾丸を全て斬り落としてしまった。
「嘘……」
タトミの剣の腕を見て、兵士は鼻水を垂らしながら驚いた。もう一度攻撃をしようと引き金を引いたのだが、マガジンに弾は一発も残っていなかった。
「クソ!」
「撃った時に、残りの弾を考えなかったから、こうなるのですよ」
タトミはそう言って兵士の懐に潜り、強烈なパンチを放った。兵士は短い悲鳴を上げた後、白目を向いてその場に倒れた。
オノブとウィリーは共に戦う中、あることを察していた。上空には連合軍の戦闘機が飛んでおり、しかも数が増えてきているのだ。
「そろそろ空襲が始まるかもしれませんね」
「わしらがいるのに? 戦争を止めるために戦っておるのに」
「言ったでしょ、私は奴らにとって目の上のたんこぶ。余計なことを知っていますから、奴らは私がこの世から消えるのを願っているのですよ」
「余計なこととは何ぞや?」
オノブは尋ねながら、襲ってくる兵士を斬って蹴り飛ばした。ウィリーは目の前の兵士の攻撃を剣で受け流し、蹴り飛ばした後でオノブに答えた。
「私の上司は、ミニマコーザに眠っている未開発の鉱山を手にしようとしています。そのため、私が所属している国の研究員を派遣しています」
「何でそんなことを?」
「何があるか調べさせているのでしょう。それで、何かがあればそれを手にし、私腹を肥やす」
「戦争のどさくさに紛れて金儲けか。愚かなことを考える者じゃ」
「私もそう思います。同期の戦士から裏でこの話を聞いて、告発しようとした最中、ここへ飛ばされたのでやれずじまいでしたが」
「生きて帰って奴らを告発せい。何なら、わしらがお前さんの上司をひっぱたくのに手を貸してやってもいいぞ」
「それはありがたい。きっと奴らもごまかしの一手を考えているはずです。それを覆すようなことをやってください」
「もちのろんじゃ!」
二人は会話を終わらせた後、目の前の敵に蹴りを入れて気を失わせた。しかし、無双するオノブたちは気が付かなかった。屋根の上にいる兵士がオノブたちを見ていることを。
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