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予期せぬ再会


成瀬:城下町


 民間人もアーサーを守るために動く。ウィリーさんはそう予測しており、城下町に入る前に私たちの簡単にこう言っていた。一番厄介なのは民間人で、下手に攻撃をしたら、命を奪ってしまう。兵士ほど強くはないから。


「アーサー様を倒そうとする奴は出ていけ!」


「お前らがくるところではない、さっさと帰れ!」


「アーサー様に手出しするな! 帰れ!」


 やはり、アーサーに手を出すなと大声で叫んできた。そう言えば、アーサーは弱い人たちのためにあれこれやって、信頼を得た男。彼自身、貧富の差を快く思っておらず、改革を行ったと話を聞いた。そして今、弱き者のために戦争を起こし、弱き者をより豊かにしようとしている。やっていることは弱い人の救済として聞こえはいい。だが、戦争は戦争だ。止めなければ無駄な血は流れ、人が死んでいく。


 仕方ない。そう私は思いつつ、剣地や皆にこう言った。


「少し力を出すわ」


「ちょっとは加減しろよ」


 剣地の言葉を聞きつつ、私は魔力を開放して周りの人たちを睨みつけた。この時の私の顔が怖かったのか、民間人は悲鳴を上げて逃げ始め、ウィリーさんは驚いた声をしていた。私は大きく息を吸い、周りに聞こえるような声量で叫んだ。


「そこをどきなさい! 私の言うことを聞かなければ、痛い目に合わせるわ!」


 民間人は私の声を聞き、悲鳴を上げながら逃げ始めた。中にはその場で倒れて、失神する人もいる。兵士たちは腰を抜かし、動けなくなってしまった。中には白目を向いて気を失っている兵士もいる。鍛えているはずなのに、気を失ってしまうとは。でも、これで敵の群れの大半は動けないはずだ。


「これで奴らに戦意はなくなったわ。先を急ぎましょう」


「は……はい……」


 ウィリーさんは少し驚きつつ、私の言葉に返事をした。すると、宿屋らしき建物から感じたことのある魔力を感じた。この魔力……奴だ。奴がいる。裏の武器屋である以上、大規模な戦争や戦いのある所では必ず顔を出すと言うことか。あの騒動があってから、長らく顔を合わせていなかったけど……まさかこんな所で会えるとはね。私は宿屋に近付こうとしたが、その前に何かが窓から飛んで逃げて行った。


「あ、あれはジョン!」


「戦争が始まるから、ここにおったか」


 ジョンの姿を見たルハラとヴィルソルが声を上げた。奴は私を見て、大慌てで城の方へ逃げて行った。




 成瀬たちがミニマコーザへくるだろうと、ジョンは一応予測していた。だが、予測よりも早く成瀬たちが城下町に到着してしまったのだ。兵士たちの足止めを喰らって苦戦するだろうと思い、少し余裕を持っていたのだ。しかし、その余裕が裏目に出てしまった。


おいおいマジかよ! 奴らが予想より早くここに到着しやがった!


 そう思いつつ、魔力を開放してジョンは逃げて行った。しかし、それよりも早い動きで後ろから成瀬が追いかけてきた。


「待ちなさい、ジョン! これ以上、あんたの武器は使わせないわよ!」


「ヒィィィィィィィィィィ!」


 鬼のような形相で迫ってくる成瀬を見て、思わずジョンは悲鳴を上げた。この三十年間でハーレムパーティーは強くなっただろうとジョンは思っていた。しかし、予想よりも強くなっており、予想よりも成瀬の恐ろしさも増していたのだ。


「ただでさえあの時から化け物並みの強さなのに、あれ以上化け物になったらどうするんだよ」


「誰が化け物よ! ぶっ殺してやる!」


 ジョンの呟き声を聞いてしまった成瀬は、かなり強い魔力を開放してジョンを追い詰めようとしていた。だが、後ろにいた剣地とヴァリエーレが大声でこう叫んだ。


「成瀬! それ以上力を使うな! ばてるぞ!」


「この後、まだ戦いが残っているのよー! ジョンのことは後回しでもいいから!」


 二人の言葉を聞き、やっと成瀬は大人しくなった。その隙にジョンは急いでミニマコーザの城へ向かった。


 ミニマコーザの城前。門番が息を切らせて歩いてくるジョンを見て慌てて駆け寄った。


「あなたは武器屋のジョン。どうしてここへ?」


「別の仕事のために宿屋へ向かったのでは?」


「ハーレムパーティーが城下町にいる。奴らと俺には因縁があるからな……」


 ジョンの言葉を聞き、門番は慌ててジョンを城内へ入れた。客間へ案内されたジョンはアーサーと会う前に携帯で仕事の連絡をしていた。そうしているうちに、アーサーが姿を見せた。


「遅れてすまない」


「いいってことよ。緊急事態だし、それに俺も仕事の連絡ができた」


「そうか。それよりも、ハーレムパーティーが近付いてきているのは本当か?」


 アーサーの質問を聞き、ジョンは落ち着きながら答えを言った。


「ああ。城下町を抜けてこっちに向かっている。城下町の兵士は多分戦意はない。あったとしても、奴らが相手じゃ太刀打ちできねー」


「ふむ……連合軍の空襲の話、そしてハーレムパーティーが近付いてきているのか……どちらにしてもこちらが不利だな」


「使える武器はまだある。ここも安全じゃない、使える武器は全て出す」


 と言って、ジョンはインフィニティポーチにある武器の一部を机の上に置いた。机の上に置かれた最新型のアサルトライフルや、違法改造された魔道武器などを見て、アーサーは思わず感激の声を漏らした。


「これさえあれば太刀打ちできるのか?」


「分からない。しかし、この城も戦場になるのが時間の問題だ。早く兵士を集めて俺の武器を渡せ。この部屋じゃあ全ての武器を出すのは狭すぎる。外に行こう」


 と言って、ジョンはアーサーと部屋から出て行った。


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