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戦いの地へ


ティーア:シーアの海賊船


 結局、あれ以降ミニマコーザの連中が襲ってくることはなかった。空の上の方で激しい戦いがあったようだけど、すぐに終わったようだ。私は横で見張りをしている魔王に話しかけた。


「私たちがくること、奴らは知っているのかな?」


 私の言葉を聞き、魔王は頷いて私の方を振り向き、答えた。


「かもしれぬ。できるだけの戦力を保ち、我らを倒してからセントらーに攻め込む考えかもしれぬ」


「あいつら、私たちを簡単に倒せると考えているわね」


「だな。ま、戦いになったら力の差を教えてやろう」


 私と魔王が話をしていると、シーアの連絡が入った。


「おーい皆、そろそろミニマコーザに到着するよ!」


 そろそろ到着か。私はそう思いながら外へ出て、ミニマコーザがある大陸を見た。魔力を感じず、とても戦争を始めようとする国には思えない。その後、ナルセと合流してその後のことを語り合った。


「油断するなよ、皆。最初に考えるのはケンジたちとの合流。それから一気に攻めて、奴らの戦力をそぎ落とす!」


「ヴィルソルの作戦に賛成。さっさと終わらせて戦争を止めましょう」


「私も同じ意見。その前に、ケンジたちとどこで落ち合うか連絡しないと」


 私はそう言った後、ケンジたちに連絡をしようとした。だがその時、突如船員の一人がラジオを持って慌ててやってきた。


「大変です! セントラー王国以外の国が、勝手に連合軍を作ってミニマコーザの方へ向かっているようです!」


「何!」


 最悪な展開になった。もう、私たちが戦争を止めようとしているのに、なんで勝手に戦争を始めようとするのかなー? そう思っていると、ナルセの端末に連絡が入った。


「誰から?」


「リーナ姫から。連合軍のことだと思う」


 ナルセはリーナ姫からの連絡を取り、私たちに聞こえるように話を始めた。


「リーナです。ニュース速報を聞きましたでしょうか?」


「今聞きました。どうして連合軍なんかできたのですか?」


「セントラー王国が滅びたら困る国々が勝手に集まり、勝手に軍を作ったのです。私たちの方から争いは止めろと言いましたが、私が話をする前に出軍してしまったようです」


「愚かなものじゃ……リーナ姫の言うことを聞かずに、勝手に暴走しおって」


「ヴィルソルさんの言う通りです。戦いが終わり次第、勝手に軍を作った国々は私たちの方で処分します。皆様は戦いに巻き込まれないように注意してください」


「分かりました。剣地たちの方にも連絡をお願いしてもよろしいでしょうか? ニュースを聞いて慌てていると思います」


「はい。任せてください」


 と言って、リーナ姫は電話を切った。やれやれ、これから戦いが始まるというのに、自分のことしか考えていない勝手な奴らが勝手に軍を作って勝手に攻め込む、本当に呆れた連中だ。リーナ姫がバカな連中をしっかり裁くことを期待しよう。




ルハラ:オハリの飛行船


 速報を聞き、私は呆れてため息を吐いた。戦争を始めて、戦争を止めようだなんて、ほんとバカみたいな考えだ。互いに犠牲者が出るというのに。お偉いさんたちはそこまで考えていないのか? それとも、自分たちは戦わないから、適当に考えているのか?


「分かりました。俺たちの方も十分気を付けて行動します。姫もミニマコーザのスパイや侵入者に気を付けてください」


「はい。皆様の無事を祈ります」


 ケンジとリーナ姫の会話が終わり、オノブさんはため息を吐いた。


「こっちが働いとるっつーのに、何勝手にやっているのだか」


「我々は目立たないように活動をしています。それが裏目に出てしまい、連合軍ができたことも予想できます」


「どちらにしろ、激しい戦いになる可能性があります」


 タトミさんとニッコーさんの言葉を聞き、オノブさんは唸り声を上げた。


「こうなってしまった以上、さっさとミニマコーザへ向かわないといけないな。剣地、ルハラ、ヴァリエーレ。我らも戦地へ向かい、戦いをする」


 オノブさんの言葉を聞き、私たちは驚いた。送ってくれるだけで十分なのに、一緒に戦うとしたら、かなり疲れてしまうだろう。


「いいですか? 疲れとかありませんか?」


「まだまだ若者には負けん。わしはまだまだ現役バリバリじゃ! ハッハッハ!」


「確かにあの時、エリートさんの一人を倒したしね」


 ここまで言うならオノブさんを信じよう。戦いになったらオノブさんなら自分から飛び込んで暴れまわるだろう。そう思っていると、突如アラームが鳴り響いた。


「後ろから戦闘機らしきものが飛んできます!」


「後ろからじゃと? 回り込まれたのか!」


「いえ、ミニマコーザ王国の戦闘機ではありません」


 話を聞き、私たちは窓から外を眺めた。そこには青と黒の色で塗られた無数の戦闘機が物凄い速さで飛んできた。その戦闘機は私たちのことを気にせぬかのように飛んで行き、ミニマコーザの方へ向かった。


「あれは……」


「連合軍の戦闘機か? 連合軍を作って時間が経っていないのに、行動が速い」


「戦闘になる前に到着は難しそうですね」


 タトミさんの言う通りだ。私たちが早く現地に到着して戦争を止める作戦が、できなくなってしまった。


「最悪のことが起こることを考えつつ、俺たちの方で動きます。とにかく、アーサーをどれだけ早く倒せるか考えます」


「おそらく敵もボスを守るために必死じゃ、直接奴らの城へ向かうのは難しい。成瀬たちと合流して攻め込むのが一番じゃ」


 その後、私たちは今後のことについて話し合った。そんな中、シーアの海賊船にいるナルセから連絡が入った。きっと、ナルセたちの方も今後のことについての話が出ると思う。大変な状況になったけど、これまで何度もこんな状況になり、覆してきた。何があっても無理矢理突き進んでやる。私は心の中でこう思った。


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