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エリート飛行部隊出撃!


 ミニマコーザ王国の城の一室で、ジョンは深いため息をしていた。ジョンはハーレムパーティー、特に成瀬とは関わらないように仕事をしていた。この三十年間は、ジョンにとって平和な時間だった。うまく姿をごまかして仕事をしていたため、ハーレムパーティーと関わることを防いできたからだ。しかし今、久しぶりにハーレムパーティーと関わる仕事をしてしまい、少し後悔していた。


「金のためとはいえ……奴らと関わるのはねぇ……」


「どうかしたか、ジョン殿? 深いため息を出していますが」


 そう声をかけてきたのは、アーサーだった。ジョンは近付いたアーサーに対し、こう答えた。


「この三十年間、ハーレムパーティーと関わらないために動いてきたのに、まさか連中がこの戦争で動くとは思いもしなかったってことですよ」


「ハーレムパーティー……あなたは、彼らと因縁があるのですか?」


「まぁね。昔に下手に動いて、そのせいで命を狙われているよ。きっと、今でも命を狙うつもりだよ」


 そう答えた後、ジョン軽く深呼吸をして気を取り直し、アーサーにこう聞いた。


「で、また何か欲しい物でもあるのか?」


「戦闘機を三つほど。ついさっき、飛行部隊から戦闘機が全て大破したと連絡が入った」


「三つねぇ。インフィニティポーチがあるからすぐに出せるが、金はあるのか?」


「先払いですか」


「ああ。先にいくらか払って、残りは後払いでもいいぜ。値段は一機一千万ネカ。これでも安い方だ」


「分かりました。手持ちがあるので、準備が終わり次第払います」


「結構」


 その後、ジョンは外に出て、インフィニティポーチから戦闘機を出現させた。アーサーは戦闘機を見た後、通信機具を使ってこう言った。


「呼び出しだ。カイス、ラーソ、クルーズ。出撃を行うので、すぐに外に出てくれ」


「誰ですか、その三人は?」


 通信機具をしまった後、質問をしたジョンに対し、アーサーは少し自慢げにこう答えた。


「我が国軍が誇る、エリートパイロットだ。操縦の腕もそうだが、剣の腕も素晴らしい。皆、ソードマスターのスキルを取得している。ガンマスターもあるぞ」


「ハーレムパーティーのケンジとほぼ一緒のスキルを持っているのか。それで、戦いの経験は?」


「それなりにあると本人は言っている」


「そうか」


 しばらくすると、呼び出されたカイス、ラーソ、クルーズが姿を現した。三人とも男で、立派な体系をしていた。


「あらまー、見事に鍛えられた体。筋肉ムキムキだねぇ」


「カイス、ラーソ、クルーズ、実は飛行部隊がやられた。ハーレムパーティーの一部が空から襲ってくる可能性がある。見つけ次第、撃墜してくれ」


「了解」


「分かりました」


「任務、始めます」


 三人は返事をした後、各々の戦闘機に乗り込み、飛び立った。ジョンは飛び立った三機の戦闘機を見て、あいつらがハーレムパーティーを倒せるのかどうかと心の中で思っていた。




剣地:オハリの飛行船


 戦闘が終わって数時間が経過した。俺は横になって寝ていたが、ルハラが上から抱き着いて猫のように俺に甘えている。


「ルハラ、重いからどいてくれ」


「ええ? こんな美少女に抱かれて嬉しくないの?」


「見た目は美少女だけど、実年齢は……」


「それだけは言っちゃあかん」


 年齢の話をするとルハラは黙る。まぁ、気持ちは分かる。見た目は若いけど、実年齢はおっさんおばさんなのは、俺たち皆そうだからな。そう思っていると、ヴァリエーレさんが慌てて俺とルハラの元へやって来た。


「二人ともすぐにきて。敵がいるわよ!」


「敵?」


 俺は窓を見て、敵の姿を確認しようとした。かなり前の方だけど、戦闘機らしき影が三つほどある。


「新しい敵か」


「でも三機だけだよ。他の連中はいないみたい」


「自信があるのかしら」


 俺たちが話していると、オノブさんが部屋に入ってきた。


「敵がきたぞ。戦闘準備じゃ!」


「なんだかうれしそうだね」


「さっきの戦いで出番がなかったから、ようやく戦うことができてうれしいのじゃ! 強い奴だといいなー」


 と言って、オノブさんは嬉しそうに走って行ったほんと、戦うのが好きな人だな。その後、俺たちはタトミさんとニッコーさんの元へ向かい、話を聞いた。


「距離はどんどん縮まっています」


「おそらく最新の戦闘機でしょう。どうやって奴らが手にしたか分かりませんが、返り討ちにしてやりましょう!」


「じゃあ戦闘機を……」


 俺は戦闘機に乗って戦おうとしたのだが、タトミさんが止めた。


「あの戦闘機の速さでは、私たちが持つ戦闘機では太刀打ちできません。それに、さっきの戦いで傷が付き、燃料も減っています。魔力で空を飛びながら戦うしかありません」


「そうですか……分かりました!」


 その後、俺たちは飛行船の後部へ向かい、戦いの支度を始めた。タトミさんから連絡用のイヤホン型の通信機を借りて装備し、電波のチェックを行った。隣を見ると、オノブさんも似たような物を付けていた。今度はオノブさんも戦うようだ。


「オノブさんも戦うのですね」


「おう! この三十年で強くなったのは剣地たちだけではないぞ、わしも強くなったのじゃ。おかげで魔力を使って空を飛ぶことができるようになった!」


「それは心強い。オノブさん、よろしくお願いします」


「奴らの戦闘機をズバッと斬っちゃってねー」


「任せておけ、ワッハッハッハ!」


 と、オノブさんは上機嫌で笑い始めた。その後、外への扉が開いたため、俺たちは魔力を開放して空を飛び始めた。


「どうかご無事で!」


 飛び出した俺たちに向かって、タトミさんが手を振って大声でこう言った。俺たちは返事の代わりに手を振ってタトミさんに合図をし、向かってくる戦闘機の方へ飛び始めた。


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