表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
552/594

戦争を止めるために


ヴァリエーレ:セントラー城


 セントラー城では情報を得るため、関係者が慌てるかのように動いている。誰も動きを止めようとはしていない。一応、私たちに気付いて会釈はしているけど、すぐに作業を再開する。予想以上に大変なことになっているようだ。


「大変なことになっているね」


「当たり前じゃ。戦争が始まるかもしれないからな」


 ルハラとヴィルソルがこう話をしている。戦争が始まるとしたら、色んな人の命が奪われることになる。決してやってはいけないことだ。


 私たちは会議室へ向かい、会話中のリーナ姫に近付いた。リーナ姫は私たちに気付き、急いで駆け付けた。


「お久しぶりです皆さん。本当は余裕のある時に会いたかったのですが……」


「話は聞きました。ミニマコーザの話ですね?」


「はい。その通りです。皆様もニュースでミニマコーザの話は知っていると思いますが……とりあえず、これを見てください」


 リーナ姫は返事をすると、私たちにパソコンのモニターを見せて説明をした。


「これが今のミニマコーザの現状です。すでに兵士や武器をそろえ、数日後にこちらに向かうようです」


「向こうは戦う準備が終わっているのね」


「はい。それと念を入れているようで、第二、第三の攻撃用意をしていると情報もあります」


「相手はきっちりしているわね。どうしてそんなに武器があるの?」


「アーサー王が独自のルート……闇のルートで取得したと思われます。これは私の予想ですが、裏ギルドのつながりがあると情報があります」


 小さい国ながら、結構しっかりと考えている。敵ながらすごいと思う。しかし、今の私たちなら小さな国の軍事力で倒れるわけがない。


 だけど、私たちパーティーの力は大丈夫だとしても、戦争に巻き込まれる人たちの力が不安だ。とんでもない魔力もないし、この三十年で剣や銃に代わって魔道武器が主力になった。それに合わせるかのように兵器もより強くなっている。話によれば、町一つを跡形もなく消滅させるほどの威力がある魔道武器の大砲があるという。


 そう思っていると、リーナ姫が私たちにこう言った。


「皆様にお願いがあります」


「奴らを止めてほしいって話ですよね?」


 ケンジがこう言うと、リーナ姫は頷いた。私たちの力なら戦争を止められる。リーナ姫はそう思ったのだろう。


「本来なら私たちで止めるべきなのですが、今のセントラー王国の軍事力では防戦一方になると思います。皆様の力なら、この戦争を止められると思います」


「俺たちも何度も修羅場を潜り抜けました。なんてことないです」


「今すぐにでも行くよー」


 ケンジとルハラの言葉を聞いた後、私たちはリーナ姫に頷いた。戦争なんてものは存在してはいけない。必ず始まる前に止めなければ!




 アーサーはセントラー王国へ攻め込むための会議を行っている。会議を行っているという部屋の前では、鎧を装備し、槍を手にした兵隊が立っていた。


「いよいよセントラー王国へ攻め込むのか。我らの国が世界の中央となる日が近いのだな」


「ああ。弱き者が中央となり、この世に真の平和がやってくるのだ」


「弱肉強食の世界が過ちであることを、他の国の奴らは知らないであろう。だが、それを理解する日も近いというわけだ」


「アーサー王の正しさに、早く理解してくれればいいのだが」


 と、見張り兵は会話をしていた。一方、会議室ではアーサーと五人の妻が会議を行っていた。


「第一波の攻撃準備の方はどうだ、ソレイド?」


「もう少しで準備ができると報告があります」


 嫁のうちの一人、ソレイドはアーサーにこう言った。話を聞いたアーサーは分かったと返事をした後、別の妻からの話を聞いた。


「第二、第三波の準備はどうするの?」


「第一波の攻撃後で考える。セントラー王国にダメージを与えたなら、すぐさま第二波の準備をし、追撃。もし、第一波の攻撃が失敗したら第二、第三波の攻撃準備は中止にし、防御に回せ。シェイバー、準備班にそう連絡してくれ」


「はい」


「タナより連絡。あなたに呼ばれた人がきたと報告があります」


「分かった。会議が終わるまで待ってくれと伝えてくれ」


 アーサーがこう言った後、二人の嫁が連絡を受け、慌ててこう言った。


「アーサー様、大変です! スパイからの連絡で、セントラー王国の方で動きがあったようです!」


「どうやら、あのハーレムパーティーを呼び寄せ、何か伝えたと噂があります!」


「ハーレムパーティー?」


 剣地たちが動き出したことを知ったアーサーは、考えをまとめて返事をした。


「シャベレーロ、リーバ。二人はハーレムパーティーの動向を探ってくれ。セントラー王国とハーレムパーティーは深いつながりがあると聞く。彼らに戦争を止めるよう依頼をした可能性もある」


「分かりました!」


「私とシャベレーロに任せてください!」


 二人はそう言った後、慌てて情報を取りに向かった。アーサーは席から立ち上がり、シェイバーたちにこう言った。


「私は客人の相手をしてくる。皆は各々やれることをやってくれ」


 シェイバーたちは返事をした後、仕事の部屋へ向かってパソコン作業を行った。アーサーは客人を待たすための部屋へ向かい、扉を開けた。


「会議は終わったのですか? 長くなると思っていましたが」


 部屋の中にいた男がコーヒーを飲みながら、部屋に入ってきたアーサーにこう言った。アーサーは扉を閉め、男の前のソファに座ってこう言った。


「今終わった所です。それよりも……あなたが裏の世界で有名な武器商人、ジョンですね」


 ジョンは自身の名を呼んだアーサーを見て、にやりと笑った。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ