追い詰められた家光
家光は心の中で少し後悔していた。邪神の力を得たことで自分の戦闘力は底上げされたと思っていた。実際モンスターを作り出しても体に疲労感や魔力がなくなる気配はなかった。そのことを察し、家光は心の中で自分は無敵になったと思った。
しかし、予想外のことが発生した。剣地たちハーレムパーティーは修行をして再び力を得たのだ。邪神の力があればハーレムパーティーなんて秒殺できるだろうと思った家光だったのが、実際に追い詰められていたのは家光の方だった。
これは意外とまずいですねぇ。ハーレムパーティーが予想以上に強くなるとは、思ってもいませんでした。
ダメージはあまり感じてないが、体が徐々に思うように動かなくなっている。痛みを感じないだけで、体はダメージを負って傷ついているのだろうと思った時、剣地が持つ剣が家光に向かって振り下ろされた。
「ガハァッ!」
この一撃を受け、家光は察した。自分には邪神の力を操れる力がないと。邪神の力があればあの一撃は回避、あるいは防御できた。だが、手や足を動かそうとしても重い筋肉痛のような痛みと重みが手足を襲い、家光の動きを鈍らせたのだ。
「こいつはおまけだ! もらっとけ!」
剣地は左手に銃を持ち、家光に近付いて腹に向けて発砲した。家光はバリアを張ってケンジが放つ弾丸を防ごうとしたが、発したバリアは薄く、簡単に破られてしまった。
「グボォッ!」
弾丸を受け、家光はその場に倒れた。追い詰められたことを察した家光は、後ろに下がってハーレムパーティーとの距離を取った。
「後ろに逃げた。ダメージを負っているみたいだね」
「よし! 今のうち!」
家光がダメージを受けて苦しんでいることを察したヴァリエーレとルハラは、風の刃や弾丸を放ち、追い打ちを仕掛けた。二人の行動を見てすぐに攻撃に移った成瀬、ティーア、ヴィルソルは闇や光を使って追い打ちを仕掛けた。
「クソが……私を追い詰めたつもりか! とことん甘いですねぇ!」
攻撃を受けてたまるかと思いつつ、家光は体中の痛みを無視しながら魔力を開放し、襲ってくる成瀬たちの攻撃に対しバリアを張って防御した。バリアは成瀬たちの攻撃を防御し、攻撃を跳ね返した。
「危ない!」
成瀬が前に立ち、バリアを張って跳ね返った攻撃をかき消した。バリアを張った際の自分の魔力を感じて、家光はもう一段階強くなったと感じた。しかし、今はダメージを負って少し苦しい展開になっている。時間稼ぎになるかどうか分からないと思いつつ、家光はモンスターを作り出した。
「さぁ行きなさい、モンスターよ! 時間稼ぎを行いなさい! できれば奴らを殺しなさい!」
無数に作られたモンスターに対し、家光は大声を出して命令した。
ルハラ:富士山山頂
イエミツを追い詰めたのは確かだ。しかし、イエミツはモンスターを作って回復の時間稼ぎを行おうとしている。そんなことはさせないと思いながら、私は風の刃を発してイエミツに攻撃を仕掛けた。だけど、モンスターの一部がイエミツの盾となり、私が放った風の刃の攻撃を受けた。
「あいつを守るために動くとはね……」
「こうなったら早く奴らを倒して、イエミツに近付くわよ!」
ナルセは両手に剣を持ち、襲ってくるモンスターを斬り始めた。ヴァリエーレも銃を装備し、モンスターに向かって発砲を続けている。ケンジも二丁拳銃のスタイルで遠くにいるモンスターに攻撃をしている。
「面倒じゃのう」
「こうなったらまとめてやってやる!」
ティーアとヴィルソルが光と闇の魔力を開放し、同時に放った。その攻撃でモンスターの一部は消滅したが、攻撃をかわすモンスターが存在した。そのモンスターは飛び上がってティーアとヴィルソルに襲い掛かったが、私が前に出て強烈なアッパーをそのモンスターの腹にお見舞いしてやった。
「すまぬルハラ。助かった」
「礼はいいよー。それより、前を見て」
「また増えた……」
ティーアは目の前の光景を見て、呆れるようにこう言った、モンスターの数が増えている。イエミツを追い詰めている証拠だが、増え続けるとイエミツに近付くことはできない。もう、面倒だな。そう思っていると、ナルセとケンジが私に近付いた。
「力を合わせて一気に消すぞ」
「一人でやるより効率よ」
「そうだね」
会話をした後、私は風、ケンジは雷、ナルセは光を発した。私たち三人の魔力は重なり合い、周囲にいるモンスターを消していった。その攻撃はイエミツの周りにあるバリアを破壊し、イエミツの防御を崩すことができた。
「後は任せて!」
「ヴァリエーレ、援護をするぞ!」
「私も行くよ!」
ヴァリエーレたちが武器や魔力を開放し、隙だらけのイエミツに向かって一斉攻撃を仕掛けた。攻撃はイエミツに命中し、爆発して煙を巻き上げた。
「や……やったか?」
「まだよ。奴の魔力は消えてないわ」
あれだけの攻撃を受けても、イエミツの魔力は消えていない。煙が晴れると、服がボロボロになったイエミツが立っていた。傷は治っているように見えるけど、かなり疲れているようだ。
「はぁ……はぁ……」
「傷は治っても、体力は消費したようだな」
「は……ははは……予想外でしたよ。あなたたちがこんなに強くなってしまうとは……私は……邪神の力を過信していたようですね」
イエミツはそう言った後、魔力を開放して態勢を整えた。
「仕方ありませんねぇ、もう少し本気を出すしかありませんねぇ!」
イエミツは周囲にモンスターを再び発し、同時に私たちに襲い掛かった。一人じゃダメだからモンスターと同時に襲い掛かるつもりか。こうなったら返り討ちにしてやる!
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