消去する光
ヴァリエーレ:富士山山頂
イエミツが邪魔をしたせいで、ドレノが禁断スキルを発動してしまった。ドレノから感じる魔力が強くなり、体中から光が発している。これは禁断スキルの影響なのだろうか?
「禁断スキル! イレイザーライト!」
ドレノがそう言った直後、目に見えない衝撃波が私たちを襲った。何をするか分からないため、下手に接近戦を挑むのは止めよう。私はそう思っていたが、ドレノの方からケンジに接近してきた。
「やる気か?」
「お前から始末してやる!」
ドレノはこう言って右手から大きなビームを発した。ケンジは何とかビームを回避したが、ドレノが発したビームは地面をえぐり、遠くにある山の一部をかき消し、そのまま空へ昇って雲の一部を消してしまった。
「何もかもを消してしまう光を出すイレイザーライト。こりゃーいいスキルだぜ」
「物騒なスキルを使うな……」
圧倒的な力を見た私たちは後ろに下がり、ドレノの様子を見た。どんな強力な武器でも、ドレノが放つビームに命中したら消されてしまう。多分、バリアを張っても無駄だろう。
「くたばれ! ハーレムパーティー!」
イレイザーライトの威力を知ったドレノは私たちに両手を向け、拡散するビームを放った。
「上に逃げろ! あの光を浴びたらまずい!」
私たちはケンジの声に合わせて高く飛び上がり、ドレノのビームをかわした。何とかビームをかわすことができたが、ドレノは魔力を開放し、空に飛んだ私たちを追いかけてきた。
「逃さねぇぜ。一人ぐらいあの世へ送らないと俺の気が済まないのでねぇ」
そう言って、ドレノは私たちに向けてがむしゃらにビームを放ってきた。私たちは何とかビームを避け、反撃をしようと試みた。しかし、ドレノに向かって放った弾丸や魔力はビームを浴びて消えてしまう。しかも、光と闇までも消えてしまった。
「そんな、私の光が!」
「闇までも消してしまうのか。何でもありかあの光は!」
「ハーッハッハ! 俺は圧倒的な力を手に入れた! これで貴様らを追い詰めることができる!」
そう言いながら、ドレノは再び私たちに向けてビームを放ち続けた。一体どうすればドレノを倒すことができるの?
ヴィルソル:富士山上空
ドレノの光は何でも消してしまう。勇者の光も、我の闇も。イレイザーライト、恐ろしい禁断スキルがこの世に存在していたとは。
「死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ねェェェェェェェェェェ!」
確実に我らを始末することができると知ったドレノは、無我夢中で光を出している。そのせいで近くの山や上空の雲に穴が開いてしまった。攻撃をかわしていると、空から光が差した。我は一瞬奴の光かと思ってびっくりしたが、すぐにこの光が太陽の光であることを察しホッとした。しかし、ホッとしてはいられない。どうやってドレノに近付いて一撃を与えるか考えないと。そう思った直後、いきなりドレノが苦しみだした。
「グワァァァァァァァァァァ! な……何だ……体が……熱い! いきなり……どうしてだ?」
突如、体に熱さを感じたようだ。苦しむくらいの熱さじゃから、かなり熱いのじゃろう。しかし、今は曇っているせいかそんなに気温は高くない。まぁ、雲から指す太陽の光が少し暖かい程度じゃが。しばらくすると、雲が動いたのか、少し周囲が暗くなった。
「く……何とか元に戻った……」
まずい、体調が元に戻ったのか! ドレノは再びビームを発し続けた。
「おいおい、これマジでやばいって! イエミツの奴と戦う前にやられる!」
元気になったドレノを見て、ケンジは慌てながら逃げていた。ナルセは逃げる中で火や風を発して攻撃しているが、ドレノのビームに対しては、ナルセの魔力も効果はない。あっという間に消されてしまう。ヴァリエーレが放つ弾丸も、勇者が放つ光も同じようにドレノのビームによって消されている。そんな中、ルハラが我に近付いた。
「奴が苦しみだした理由が分かったよ」
「何? 早く教えてくれ」
「私、この目で見たの」
ルハラはそう言うと、魔力を開放して風を上に向かって放った。ルハラの風によって、上に広がっていた雲は散らばり、辺りに太陽の光が差し込んだ。これが一体どんな関係があるのだ?
「どうするつもりじゃルハラ?」
「あいつが太陽の光が浴びた時、急に苦しみだしたの。だけど、雲が太陽の光を遮って暗くなった時に元気になった。それを見て、イレイザーライトの弱点が日の光に弱いのかなーって思ってさ」
と、ルハラは我にこう説明した。もし、ルハラの勘が当たれば、これでドレノは苦しみだすはず。どうなるのかと思い、我はドレノの様子を見た。
「雲を散らばしても変わるはずがないだろう……ガッ……ガァァァァァ!」
どうやらルハラの勘は当たっていたようじゃ。日の光を浴びたドレノは苦しみだしている。この様子をケンジたちも、ドレノの弱点が日の光ということを察したようじゃ。
「どうやらイレイザーライトにも弱点があったようだな」
「何でも消す光の弱点が太陽の光だなんて、変な話ね」
ケンジとナルセはドレノに近付いてこう言った。二人に続き、我や勇者、ルハラとヴァリエーレも追った。
「く……俺に近寄るな……頼む……見逃してくれ……」
おいおい、さっきの強気な態度はどこへ行ったのじゃ? 逃してくれと命乞いを始めておる。醜いのぉ。
「俺たちがお前みたいな奴を見逃すか?」
「まぁ、見逃してほっておいてもこの状態じゃああんたは死ぬだろうけど」
ナルセの言葉を聞き、ドレノは涙を流し始め、命乞いを続けた。
「頼む……俺は……まだ……死にたくねぇ……」
「無駄じゃ。どれだけあがいても、禁断スキルで背負った代償は消えぬ」
「そ……そん……な……」
ドレノは絶望したような表情でその場で固まった。すると、ドレノの皮膚が渇いた地面のようにひび割れた。そこからドレノの体中にひびが入り、そのまま衣服を残して砂となった。最大で最強の裏ギルド、ロストジャスティスのリーダーがこんなあっけない最期を遂げるとは、誰も思ってもなかっただろう。
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