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家光は今どこに?


ルハラ:孤児院


 戦いが終わってから数時間が経過した。先にティーアとヴィルソルが戻ってきたらしく、すでに孤児院にいた。


「ルハラ。お帰り」


「お疲れ様じゃ。疲れたじゃろ」


「それなりにね。それより、二人は戻っていたのね」


「うむ。少し苦戦したが、早く倒すことはできた。後はケンジたちじゃ」


 会話をしていると、後ろから魔力を感じた。振り返ってみると、そこにはヴァリエーレが立っていた。


「あら。ルハラたちが先に戻っていたのね」


「私と魔王は早く終わったから戻ることができたの。今、ルハラが戻ってきたとこ」


「あとはケンジとナルセだけだねー」


 その後、私とヴァリエーレは無事をオノさんに伝えた。それからまたしばらく時間が経過した後、ケンジとナルセが戻ってきた。


「俺と成瀬が最後か」


「そのようね。皆が無事でよかったわ」


「帰りが遅いから心配したわ。強い敵だったの?」


 ヴァリエーレが二人に近付いてこう聞いた。二人は疲れた体をほぐすためにストレッチしながらヴァリエーレに答えをしていた。


「私の方は少し厄介な敵だったわ。人形かと思ったら変な両手が本体だった」


「俺の相手は火鳥モドゥルゲスって言っていたな」


「火鳥……聞いただけで熱くなりそうな名前じゃ」


「ヴィルソルの言う通りだよ。熱いし、しかも飛ぶスピード早いし。単純な奴だったけど面倒な奴だったよ」


「けど、倒すことはできたのね」


「はい。そうでなかったら、俺はここにいません」


 私たちが会話をしていると、奥にいたオノさんが、二人が帰ってきたことに気付いて慌てて近付いた。


「二人とも、無事でよかったわ」


「心配かけました」


「何とか各地を荒らす奴らは倒しましたけど……東京は……」


「テレビで見たわ。かなり酷い状況ね。まさか、東京がこんなことになるなんて思わなかったわ」


 話をした後、私たちはテレビがある部屋へ向かい、ニュースを見た。


「私は今、東京にいます。今まで東京を荒らしていた火のような鳥はもう跡形もなく消えています。話によると、十五歳位の少年が剣や銃を持って戦う姿を見たという人がいます」


「そうですか。今、速報が入ったのでスタジオに戻ります。実は、東京以外にも愛知、沖縄、長野、大阪、京都で目撃されていた変な物体も、突如姿を消したのですよ」


「誰かが倒したのでしょうか?」


「その辺の情報は入っていません。今、調査中とのことです」


 私たちの活躍がニュースで流れている。映像がないのがちょっと残念だったけど、まぁ異世界の住人である私たちがテレビに映ったら大変なことになるだろう。


「皆、今日はゆっくり休みなさい。食事もお風呂もできているから」


「すみません小野さん。急にきて、何から何までやってくれて」


「剣地君と成瀬ちゃんとその家族のためよ。私も張り切らないと」


 と言って、オノさんは食事の準備を始めた。後からナルセとヴァリエーレが手伝いのために向かった。本当にオノさんには感謝しかない。




成瀬:孤児院


 食事やお風呂を済ませた後、私たちはテレビを見ていた。ニュースでは臨時ニュースばかりやっていて、どの局も日本中で暴れているモンスターのことを流している。ただ、各地で暴れている強めのモンスターを倒した後、その数は減ったという。しかし、モンスターたちが与えた損害はまだに復旧できないようだ。


「はぁ、家光の奴がテレビに映ればいいけど」


「あいつがそう簡単にテレビの前に出ると思う?」


「あいつのことだから挑発のつもりでやると思うけど」


 剣地と会話をする中、テレビの映像は富士山に切り替わった。どうやら天気予報を流すようだ。


「うわー、綺麗な山」


「富士山と言って、日本で一番高い山なのよ」


 綺麗な富士山の映像を見て、ルハラたちは目を輝かせている。イルシオンシャッツより低いけれど、美しさで競ったら多分富士山の方が上だろう。そう思う中、映像は富士山の山頂付近に切り替わった。すると、そこに人影が写っていた。


「人がいるよ」


「こんな状況で富士山に登る道楽者がいるのか。呑気だな」


 と、剣地はせんべいをかじりながらこう言った。だが、あの人影を見て私とヴァリエーレさんは目を丸くして驚いていた。


「これ……イエミツ?」


「は……はぁ!」


 剣地は思わずテレビに直視し、富士山山頂に映る人影を見た。


「あの姿……家光だ。家光の奴だ!」


「あいつ、富士山にいたのね」


「まさかこんな方法で、奴の居場所を確認できたとは」


「我らがくるのを待っているのか、ここを拠点としているのか……」


 皆、テレビに映った家光を見てそれぞれが思ったことを口にしていた。しかし、この映像はいつ映したのか分からない。もしかしたら、奴らがどこかに行った可能性がある。そう思いつつ、私は目をつぶって魔力の探知を始めた。


「何やっているの、成瀬ちゃん?」


「俺たちが追っている犯罪者の気配を探知しているのです」


「すごい技術を身に着けたのね」


 剣地と小野さんの会話が聞こえる。そんな中でも私は家光の魔力の探知を続けた。感じる。富士山の方から奴の邪悪な魔力を感じる。


「まだ奴は富士山にいるわ。何かをしたから、奴の魔力を感じることができた!」


「うし。今すぐ行こうぜ!」


 と、剣地は張り切って行こうとしたが、私は剣地を止めた。


「止まりなさい。疲れた状態で戦えるわけがないでしょ」


「けど、あいつが何かしてきたら……」


「それもあるけど、今は休みましょう。奴に動きがあったら私が言うから」


 私はそう言って焦る剣地を抑えた。私も焦っているが、疲れた状態では戦えない。今日は寝て休んで、明日奴に戦いを挑もう。明日、すべてを終わらせよう。


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