光の操り人形
家光は、自分が作ったモンスターが次々と倒されたことを察していた。ヴァリエーレがラグーン、ルハラがノコルーバを倒したことを察した家光は、少し焦っていた。
「予想外でしたね、あのパーティーは私の予想よりも力をつけていました。私が作ったモンスターが短時間で四体も倒されるとは……」
「へぇ。じゃ、あんたが早急に作ったモンスターよりも、俺を奴らと戦わせた方が片は付くと俺は思うけど?」
と、自信満々でドレノはこう言った。その言葉を聞き、家光はため息を吐いた。
「私が作ったモンスターはあなたよりも強く作ったのですがねぇ。悪いと思いますが、あなた一人でハーレムパーティーを倒せるとは思いませんが」
「関係ないさ。俺が本気を出したらあんな連中すぐに倒せる」
「はいはい、そうですか。張り切って負けないでくださいよ」
笑みを見せるドレノに半ば呆れ、家光はそっぽを向いた。
成瀬:大阪
あの操り人形みたいな奴が大阪を滅茶苦茶にした。どんな技を使うか分からない。どんな魔力を使うか分からない。とにかく、最初どんな動きをするか見極めないと。
「では参ります。閃光人形ベリオネットの力、その目に焼き付けなさい」
自ら閃光人形ベリオネットと名乗った操り人形は、人形のような動きで宙を舞い、私に接近しようとした。部位のどこかに隠し武器があるのだろう。そう思ったが、私の予想は外れた。ベリオネットの手の平には光の魔力が発していて、ビームのように飛んできた。
「グッ!」
何とかビームをかわしたが、続けてベリオネットは足の平からビームを発した。もう、体中からビームを発するなんて反則よ!
「この程度ですか? 案外弱いですね」
「あまり私を怒らせない方がいいわよ、ポンコツ人形!」
私は剣を装備し、素早くベリオネットの片手片足を斬り落とした。
「ほう。一瞬で私の手足を斬るとは、やりますねぇ」
何なのこいつ、片手と片足が斬り落とされたっていうのに余裕を見せるの? そう思う中、私は最初にこいつが名乗った言葉を思い出した。閃光人形ベリオネット。人形……そうか、人形なら腕や足が落ちても修理すれば元に戻る。それに、魔力があるならそれを利用して元通りになれる。
「元に戻すことができる。そう思いましたか? たとえ斬り落とされても、操ることはできるのですよ」
嘘でしょ。ベリオネットは落ちた手足を操作し、私に向かって飛ばした。斬って無駄なら、闇でかき消そう! そう考え、私は闇を発してベリオネットの手足を消そうとした。しかし、私が発する闇をかき消すかのようにバリアが現れた。
「残念ですね。私に闇は通じませんよ」
「こうなったら……」
私は炎を発し、ベリオネットを燃やして灰にしようとした。しかし、その前にベリオネットの手足が私に接近し、同時にビームを放った。
「グッ! またビーム?」
バリアで何とか防ぐことはできたが、次にベリオネットは私に接近して、細い光を放った。
「さぁ、捕らえましたよ」
細い光はまるで糸のように私に絡みついた。何とか細い光から離れようとしたが、皮膚に食い込んでなかなか離れることはできない。
「くっ、離しなさいよ! この変態人形!」
魔力を開放して細い光を弾き飛ばそうとしたが、私が放つ魔力よりも細い糸は頑丈だった。見た目よりもかなり頑丈だ。
「操り人形が人を操るなんて、こんな面白い話は他にあるでしょうか」
「知らなわいわよ、そんなの!」
ベリオネットはこのまま私を操るつもりだ。リバースカプセルの事件の時、ジョンのクソ野郎によって私は操られたことがあった。もう二度と、誰かに操られてたまるか! 私は気合と根性ととんでもない魔力で細い糸から脱し、大剣を装備して振り上げた。
「なんと……無理矢理糸から脱するとは……」
「残念だったわね、変態人形! これでも喰らいなさい!」
私は気合の入った声を発しながら、ベリオネットに向かって大剣を振り下ろした。何とかベリオネットを一閃することはできたが、まだ魔力を感じていた。
「やりますね。しかし、斬ってもまた元通りになりますよ」
「そう思っていたわよ。だけど、二度と再生できないように粉々にしてあげるわ」
私は二つの剣を装備し、再生しようとするベリオネットに再び攻撃を仕掛けた。今度は原型もなくバラバラに刻んだけど、それでもベリオネットは再生しようとしている。
「こんなに刻んでも、無駄ですよ」
ベリオネットは自慢げにこう言った。何度斬っても再生してしまうが、何か弱点はある。この世に無敵と言う存在はない。私はどうしようか考え始めた。難しいことを考える前に、簡単なことを思い出そう。そうだ、ベリオネットは自分で人形と言っていた。操り人形なら、どこかにこいつを操る何かがあるかもしれない。きっとどこかにこいつを操る何かがある、それをどうにかすればこいつを倒せる。
私はベリオネットが何かに操られていると考え、攻撃をかわしながらベリオネットを操る何かを探し始めた。
「何をするつもりですか?」
「教えるわけがないでしょ」
攻撃の最中、話をしてきたベリオネットに対し、私はこう答えた。するとベリオネットの頭上に糸のような物を見つけた。そうだ、こいつは上からやってきた。上に何かがある。そう確信した私はスカイウイングを発し、空を飛び始めた。すると、ベリオネットは慌てて空を飛んだ私に攻撃を仕掛けた。
「急に慌てたわね」
「別に……何も……」
あらあら動揺している。この態度、上に何かがあることを隠しているようだ。態度を見て確信が確実に変わった。私は急いで急上昇し、空に向かった。そこには、金色の巨大な両手が宙に浮いていた。
「こいつがあんたの正体ってわけね」
「グッ……」
下の人形はただの武器。上にいた巨大な両手が本体ってわけね。私はにやりと笑い、魔力を開放した。
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