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家光との決戦に向けて


剣地:聖域


 その後、俺たちはロメス村の人たちやヤーウに挨拶を済ませた後、聖域へ向かうことにした。聖域で俺と成瀬の傷を治した後、修行を行う。そして海の遺跡へ向かってフォーミュラーから家光がいる場所、そして邪神の弱点を聞く。その流れで今後は行動する予定だ。


 聖域へワープすると、主である白い馬が俺たちを見て少し驚いていた。


「おや。珍しいですね。久しぶりです」


「実はいろいろありまして……」


 ヴァリエーレさんが説明をしようとすると、白い馬がこう言った。


「事態は大体把握しています。邪悪な気配が強まったことであることを察しました。予想通り、邪神が復活してしまったようですね」


 どうやら、白い馬はいろいろと把握しているようだ。その後、ヴァリエーレさんが代表として白い馬に話をした。その間に俺と成瀬は治療の泉で治療することにした。


「グッ……イッテェェェェェ……」


「傷があるせいでかなりしみる……」


 修行の時は疲れた時に使っていたのだが、今は大怪我を負っている。水が傷にしみてかなり痛い。でも、これが効くだろうなと思う。


「ううう……早く傷が治ってほしいな」


「そうね。早く治して家光の居場所を調べないと」


「急いだら元も子もないよー。リラックスしないとー」


 と、いつの間にか泉に入っていたルハラが俺と成瀬の会話に割り込んだ。驚いたが、成瀬はため息を吐いてルハラにこう言った。


「どうして泉に入ったのか、理由は分かるわ。どうせセクハラのためでしょ?」


「おっ。分かっているね、ナルセ。それじゃあ……」


 ルハラはそう言って成瀬にセクハラをしようとしたのだが、その動きを察した成瀬が先手を打ってルハラの手を掴んでいた。


「あちゃー、ばれていたかー」


「ずっと一緒にいたのよ。ルハラがどう動くか察しているわ」


 呆れてため息を吐いた成瀬は、そのままルハラを俺の方へ押し付けてこう言った。


「剣地の胸でも触ってなさい。とにかく、私たちは怪我を治さないといけないから」


「しょうがないな。じゃ、ちょっと失礼します」


「おっ、おい! 成瀬の言う通りに俺の胸を触るなよ!」


 俺は胸を触るルハラを追い払おうとしたのだが、傷のせいで力が出ない。おいおい、こんなパターンが起きるなんて思ってもなかったぞ……。




ヴァリエーレ:聖域


 私は白い馬に今までのことを全て伝えた。話を聞き終えた白い馬は考えことをしながらこう言った。


「非常に大変なことが起きていますね。邪神の感じはしますが、どこにいるのかは分かりませんね……」


「ケンジとナルセの傷が治ったら海の遺跡へ向かって、フォーミュラーから話を聞こうと思います」


「海の書ですか。その方がいいですね。ですが、その前に修行を行うのですか?」


 白い馬がこう聞くと、私ははいと答えた。だが、白い馬は難しそうな顔でこう言った。


「いくらあなたたちが強さを求めても、邪神は倒せないと私は思います。ヴァリエーレ、それはあなたも思っているでしょう」


 図星だ。邪神は力任せで戦って勝てる相手じゃない。力じゃなくて魔力で戦っても、邪神の方が魔力は圧倒的に上だ。


「はい。私たちがどれだけ力を得ても倒せる相手ではありません。今回はイドナ村のように奴の体を破壊すれば何とかなるという話ではないです」


 私は悔しそうにこう言った。今回は本当に手詰まりの状態だ。どうやって勝てるかどうか分からない。フォーミュラーから話を聞ければいいなと思っているが、本音を言うと知らないかもしれないと思っている。不安そうな私の顔を見てか、白い馬はこう言った。


「ヴァリエーレ、邪神は元々ただの人間です。ただ魔力が異常にあるだけの人間です。必ず勝てる方法があります。諦めないでください」


「ありがとうございます。元は人間……か」


 そうだな、邪神も元々はウバルス・バーメンと名の付いた魔力使い。倒せないわけではない。イエミツもただのエルフだったから、それが異常なほど強くなっただけだ。ちゃんと対策や倒す方法を見つければ倒せる。私は気を取り直し、白い馬にこう言った。


「ケンジとナルセの傷が治ってからフォーミュラーの所へ行きます。それから話がつき次第、またくるかもしれません」


「ええ。待っていますよ」


 白い馬の声を聞き、私は二人の元へ向かった。その途中で、筋トレを行っていたのかばてて倒れているティーアとヴィルソルを見つけた。


「筋トレでもしていたの?」


「ああ……あぁ……久しぶりにスクワット対決をしていたら足が痛いよ」


「ヴァリエーレが話をしている間、ずっとしておったからの……いたた」


「無茶しすぎよ、少しでも強くなりたい気持ちは理解できるけどね。さぁ、ケンジとナルセの元へ向かいましょう。治っていたら、すぐに海の遺跡へ向かいましょう」


 私は倒れている二人に手を貸して立ち上がらせた後、ケンジとナルセの元へ向かった。そう言えば、ルハラも一緒に入るとか言って脱ぎながら泉の方へ向かったことを忘れていた。変なことになってなければいいが……。


「何やっているのよ! 大バカ剣地!」


「俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ! ルハラが俺を突き飛ばしたからお前の胸に手が!」


「ケンジ、ナルセの胸どうだった?」


「この前より大きくなったと思うけど。ルハラはどう思う?」


「うん。ケンジと同じ意見。順調に成長しているね。うん」


「何に感心しているのよ! この大バカァァァァァァァァァァ!」


 成瀬の雷のような叫び声の後、泉の方からケンジとルハラの悲鳴が聞こえた。これ以上傷を増やして……また治療するのに時間がかかるじゃないの。


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