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すべてを凍らせる息吹


 オノブは攻撃を仕掛けようとした時、クーマの不自然な魔力の上がりようを気にした。だが、クーマが何かを起こす前にさっさと斬り倒してしまえと思い、攻撃を続けた。


「きェェェェェェェェェェい!」


 オノブは勢いよく刀を振り下ろしたが、突如刀の刃が凍り付いてしまった。


「何じゃこりゃ!」


 凍った刀を見て、オノブは驚きながら刀を見つめた。その時、いきなり寒くなったことを感じ、体が震え始めた。オノブはクーマが何かをしたと考えつつ、大きなくしゃみを出しながら周囲を見回した。


「ぶえーっくしょい! 何じゃ? 刀が凍ったかと思ったら今度は寒くなりおったわい!!」


「禁断スキル、ブリザードブレス。全身から凍り付くような冷気を出す禁断スキルだ」


 クーマの言葉を聞き、オノブはじっとクーマの姿を見つめた。クーマの周りにはオーロラが発しており、クーマの足元が凍り付いていた。それを見たオノブは、身震いを始めた。


「本当に凍り付くような冷気を出しているの。でも、死にかけてもないのに禁断スキルを使ってもいいのか? 余計寿命が縮むぞ。早く死にたいのか?」


「このまま貴様と戦っていたら死ぬ。貴様に斬られて死ぬのなら、貴様を道連れにしてやる!」


「はっ。物騒なことを考えるのう。しかし、逝くのはお前一人じゃ。お前みたいな奴と一緒にあの世へ逝きたくない。それに、わしはまだ生きる予定じゃ」


「残念だが、貴様の予定は考えない。お喋りは終わりだ。ここで死ね!」


 クーマはオノブに向かって冷気の風を発した。見えない攻撃だとオノブは思ったが、風が通った道には氷ができていた。それを見て、オノブは攻撃を回避することができた。


「ほう。案外バカではないようだな」


「人をバカにするなよ、裏ギルド! こう見えてもお前よりかは長生きでの、どうやって戦えばいいのかすぐに理解できるのじゃ!」


 オノブは魔力を開放し、真空刃でクーマに攻撃を仕掛けた。だが、クーマは両手を叩き、オノブが発した真空刃を凍らせてしまった。


「ありゃま、空気も凍っちゃうわけ?」


「そのようだな。宙に浮く見えない空気も凍らせることができる」


 新たな攻撃方法を知ったクーマは、空気を凍らせて何本もの鋭い刃を作り出し、オノブに向けて放った。


「凍らせた空気の刃でバラバラにしてやる!」


「こんなものがわしに効くか!」


 オノブは飛んでくる氷の刃を弾き飛ばそうとしたのだが、刀の刃が氷の刃に触れた瞬間、再び凍ってしまった。


「何じゃと! さっきの真空刃を出した時に氷を弾き飛ばしたのに!」


「お望みなら、何度もその変な剣を凍らせてやるよ」


「変な剣言うな、変な男が!」


 オノブは挑発の言葉を返した後、刀に突いた氷を弾き飛ばした。クーマは小さな声で笑いながら、怒りを抑えていた。


「この期に及んでもまだ私に勝つ気でいるのか……大人しく殺された方がいいのに」


「殺される? はっ、禁断スキルを使ってくたばるのはお前だけじゃ」


「生意気な親父が! 必ず殺してやる!」


 クーマは冷気を発し、オノブを凍らせようと考えた。だが、オノブは冷気を回避してしまった。そして、高く飛び上がったオノブはクーマの頭上で魔力を開放した。


「なっ、何をするつもりだ?」


「分からないのか? 超巨大な真空刃をぶっ放すのじゃ!」


「そんなことさせるか!」


 相手が宙にいるため、簡単に回避はできないだろう。そう思ったクーマはオノブに向けて無数の氷の刃を放った。だが、オノブは体の急所を魔力で作った小さなバリアで守るだけで、腕や足に攻撃を受けてしまった。その行為を見て、クーマは驚いた。


「避けないのか?」


「このままお前を倒せるのじゃ、こんなビッグチャンス、逃してたまるか!」


「私を倒せる? ふざけたことを言うな!」


「ふざけたこと? それじゃあそのまま真空刃を受けるがいい!」


 と言って、オノブは超巨大真空刃を放った。さっきと同じように凍らせてやると思ったクーマは冷気を発して超巨大真空刃を凍らせた。


「ハーッハッハ! どうだ、お前の巨大な真空刃も凍らせてやるぞ!」


「計画通りじゃ」


「何?」


 オノブの言葉を聞き、クーマは目を丸くして驚いた。その直後、凍った超巨大真空刃はそのままクーマの元に落下し、彼の体を二つに切り裂いてしまった。




剣地:神殿内、邪神の心臓部屋前


 オノブさんはすごい。相手の禁断スキルの特性を利用して敵を倒してしまった。まぁ、倒し方は問題があるけど……それよりも、残ったのは俺一人か。戦っている相手は俺と同じように剣を使って戦う。しかも、雷を利用して戦うことも俺に似ている。


「チッ、俺と同じ動きをするのか!」


「それはこっちのセリフだ!」


 男はそう言った後、周りを見て愕然とした。他の二人が倒されたことに気付いたのだろう。


「まさか……あいつらがやられるなんて……」


「悪人の最期なんてそんなもんさ。ロクなものじゃない」


「貴様! 仲間を愚弄するな!」


 男は俺の言葉を聞いて苛立ったか、剣を持って俺に襲い掛かった。その際、雷の魔力を利用し、高速移動して俺を惑わしながら攻撃をしていた。


「どうだ、このバグズの攻撃が見えるか!」


「ああ、バッチリ見えるさ!」


 だが、相手がどれだけ早く動いても修行やこれまでの戦いで成長した俺の敵じゃない! 俺はバグズの攻撃を見切り、反撃で剣を振るった。俺の反撃は見事バグズに命中し、バグズをひるませた。


「クソ……俺の動きが……」


「悪いがあんたみたいな奴とこれまでも何度も戦った。簡単に負けるかよ!」


 俺はそう言った後、再び剣を振るった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 剣地はこれまで何度も死にかけたけど、断じて弱い訳ではないのが改めて認識出来た。
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