クァレバとの大決戦
剣地:プラチナタワー
クァレバの連中がプラチナタワーに向かって走ってくる。俺とヴィルソルは武器を装備し、奴らと戦いを始めた。
「かかってこい! 姫様に手を出した奴はぶっ飛ばす!」
「この魔王に歯向かったことを後悔するがいい!」
俺の剣が奴らを斬り飛ばし、ヴィルソルの闇魔王が奴らを飲み込み、ぶっ飛ばしていった。成瀬たちはまだ姫の護衛をしているようだ。それでいい。この位の雑魚なら俺とヴィルソルで片付けられる。そんな時、俺に向かって何かが飛んできた。俺は倒れている団員を盾にし、遠くを見た。
「スナイパーか」
少し離れた森から、何かが光った。多分スナイパーのスコープだろう。俺はリボルバーを持ち、それに標準を合わせて発砲した。俺の耳にうっすらとガラスが割れたような音が聞こえ、それと同時に男の悲鳴も聞こえた。
「ヴィルソル、スナイパーがいるから気を付けろよ」
「分かっとる」
俺はヴィルソルにこう言うと、遠くにいるスナイパーに向けてリボルバーを発射し続けた。
成瀬:王家の車近く
剣地とヴィルソルが襲ってきたクァレバの連中と戦っている。雑魚は二人に任せて、私たちはリーナ姫と一緒に避難しなければ。
「皆様、ここは我ら騎士団に任せてください!」
騎士団の人が、私たちにこう言った。その時、ティーアは何か考えている顔をしていた。一体どうしたんだろう。
「あんた、本当に騎士団の人?」
「いや、何を言っているのですか?」
「じゃあさ、合言葉を言ってみてよ」
ティーアがこう言うと、騎士団の人は何が何だかわからず、困った顔をしていた。
「合言葉……すみません。合言葉が何なのか分かりません」
「そう。じゃあ分かったわ」
ティーアの言葉に合わせ、私は剣を装備してその騎士団に斬りかかった。ティーアも同時に同じように動いていた。
「騎士団との合言葉はないよ!」
「クソ……罠にはめやがったな……」
騎士団に変装していたクァレバの団員はその場に倒れた。いつの間にか、クァレバの連中の一部が、騎士団に変装しているようだ。このことを知った私は、リーナ姫にこう言った。
「これから先、私たちと一緒に動いてください!」
「分かりました。お願いします」
リーナ姫はこう返事をすると、私の腕を強く抱きしめた。
ティーア:王家の車近く
クァレバって結構団員がいるね。気配を感じていたのは二十人位だったけど、後から段々と増えて行って、今は五十人位かな。
私がそう思っていると、上から威勢のいい声が響いた。どうやら団員の一部が上から奇襲を仕掛けてきたようだ。
「そんなの意味ないよー」
ルハラが風を発し、奇襲を退けた。
「ナイス、ルハラ!」
「いえーい」
ルハラが親指を立ててサインをしたが、何かを感じたのかすぐに真剣な顔になった。
「ちょっと強いのがきたね」
「ええ……」
ルハラは何かの構えを取り、強い奴がくるのを待った。しばらくし、剣を持った女性が現れた。
「見つけたぞ、淫乱エルフ! 私のこの手で貴様の息の根を止めてやる!」
「くると思ったよ、セクシーダイナマイトさん」
「そんな名前で呼ぶな!」
ルハラはセクシーダイナマイトと呼んだ女性に飛びかかり、セクハラ攻撃をしようとした。だが、あの女性は攻撃をかわし、ルハラに斬りかかろうとした。
「お前だけは私が殺す! ぶっ殺してやる!」
「かもーん。もう一回イかしてやるよ」
泣きながらルハラを睨む女性、そしていやらしく指を動かすルハラ。この二人に何かあったのだろう。そんな時、上空から何か音が聞こえた。
「ヒャッハー! 姫様は貰ったー!」
なんと、クァレバの団員らしき男性がスカイウイングを使い、上空から襲ってきたのだ。しかも、リーナ姫をさらい、プラチナタワーの頂上へ飛び始めた。
「しまった!」
「あ、ここから先は行かせんぞ!」
チッ、新手か! 私の後ろから、剣を持った男が斬りかかってきた。
「拙者はクァレバのカグワ! お主を斬る男で候!」
カグワは名乗りを上げた後、後ろに下がって刀を構えた。
「拙者の刀の餌食になるがいい!」
「やなこった!」
私は武器を構え、こう叫んだ。
成瀬:プラチナタワー前
リーナ姫がさらわれた! 私はすぐに後を追おうとしたけど、相手はスカイウイングを使って移動している。まずい、相手の方がスピードは上だ! こうなったら、剣地に任せるしかない! 私は離れた所にいる剣地の元へ行こうとしたが、目の前にかなり大柄な男が現れた。
「ゲエッヘェッヘェ。お嬢ちゃん、ここから先へは行かせないぜぇ!」
大柄な男は手にしているハンマーを振り上げ、私目がけて振り下ろしてきた。ハンマーでの一撃はかなり大きく、大理石でできていた床がめり込んでしまった。
「あら、かわされた。まぁいいや。次は殺す」
男はのろい動きで次の攻撃に移っていた。だが、ヴァリエーレさんが現れ、男に攻撃した。
「ウゴォッ!」
「ナルセ、早くケンジと合流して! こいつは私が相手をするわ!」
「分かりました、ありがとうございます!」
ヴァリエーレさんがあの男と戦うようだ。さて、早く剣地の元へ行かないと!
剣地:プラチナタワー前
クソッ、スナイパーの数が多すぎる! リボルバーでも拳銃でも、アサルトライフルでも対処できねー! しかも、変な野郎がスカイウイングを使って空飛んで、リーナ姫をさらってしまった! 今すぐにでも行きたいけど、スナイパーが邪魔をしやがる!
「このままではリーナ姫が殺される……ケンジ、スナイパーの相手は我に任せろ」
ヴィルソルは俺にそう言うと、魔力を発して空を飛ぼうとしていた。
「姫がさらわれたのは把握しているだろ?」
「ああ」
「姫はお前とナルセに任せる。必ず助けろ」
「分かっているって。ヴィルソルも死ぬんじゃねーぞ」
「フフフ。魔王がスナイパーごときにやられるわけがなかろう」
ヴィルソルは俺に笑みを見せ、森の中へ飛んで行った。その直後、成瀬が俺に近付いてきた。
「剣地! リーナ姫がさらわれたの!」
「分かっている。俺もその光景見ちまった」
その後、俺は成瀬に背中に乗れと告げ、タワーの外へ出た。
「俺に魔力を注げるか?」
「ありったけ注ぐわ」
「了解!」
俺はスカイウイングを発動し、成瀬にもう一度こう言った。
「ぶっ飛ばしていくから! 俺から離れるなよ!」
「うん!」
成瀬の返事を聞き、俺は勢い良く地面を蹴り、空を飛び始めた。
待っていてくれリーナ姫! 絶対に救い出してやるからな!
剣地と成瀬がプラチナタワー頂上へ飛び始めたと同じ時刻、タワーから少し離れた高い木の上で、レッジはこの様子を見ていた。
「連れてきたか」
スカイウイングを使う団員が頂上へ降り立つ光景と、剣地と成瀬が頂上へ飛んでいる光景を見て、レッジはにやりと笑っていた。
「くるがいい小僧、貴様が守る者を奪った後、貴様の命を奪ってやるからな」
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