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窮地に陥る者は?


成瀬:神殿内、邪神の心臓部屋前


 互いに傷を負った私と相手のズルーオ、回復を終えて私はズルーオに攻撃を仕掛けようとしたのだが、その前にズルーオが放った弾丸が宙に浮いていた。


「さぁ、このまま貴様を貫いてやる!」


 どうやら先手を打ったのはズルーオの方だった。先に回復を終えて、私に弾丸を放ったのだ。だが、そうなるだろうと私は予測していた。


「ふん、簡易的なバリアを張っても俺の弾丸は防げないぞ。それをお前は知っているはずだが?」


「やれるならやってみなさいよ」


 少し挑発するような感じで私は言葉を返した。その言葉を聞き、ズルーオはにやりと笑って攻撃を始めた。


「調子に乗るなよ、死んでも後悔するなよ!」


 ズルーオの攻撃が始まった。私の狙い通り、ズルーオの弾丸は私のバリアに向かって飛んで行った。そのまま貫くと思っているのだろう。だが、そうはいかない。何故なら今作ったバリアにはさっきの物とは別の物だからだ。ズルーオの弾丸は私のバリアに当たり、激しい電流を流して回転しながらズルーオに向かって飛んで行った。よし、計画通り!


「何! 俺の弾丸が跳ね返されただと! 何故だ!」


「あんたの魔力より強いバリアを張ったのよ。それに、跳ね返るように電気や光の魔力を込めたのよ」


「何だと? そんなことで銃弾が跳ね返るのか?」


「跳ね返るわよ。それが今の光景に繋がっているのよ。ほら、弾丸を見なさいよ。自分が撃った弾丸に撃ち抜かれるわよ」


 驚いたせいで隙が発生し、ズルーオは防御できずに跳ね返った弾丸を受けた。弾丸は回転しているから傷が広がっただろう。この予想外の攻撃を受けたズルーオには、両肩に大きな傷を負った。これでもう攻撃はできないだろう。


「グガァァァァァ!」


「痛そうに見えるけど、あんたみたいな奴に情けは必要ないわね」


 私は剣に持ち替え、ズルーオに接近して何度も斬りかかった。両肩が傷ついたため、防御のために腕は動けないだろう。


「ガァァァァァ! グッ……クソガキが! 勝ったつもりでいるなよ!」


 ズルーオは私を蹴り飛ばして攻撃を止めたのだが、その前に私の攻撃を受けたため傷が増えたようだ。自分でやってこんなことを思うのもあれだけど、腹から流れる血が痛々しい。


「やりすぎたわね。でも、これで倒れないなんて化け物ね」


「化け物はお前だろうが……グッ……」


 こんな状況でもズルーオは治療を行おうとした。私は治療の邪魔をするため、風の刃で攻撃を仕掛けたが、ズルーオは雷の衝撃波を発して私の風の刃をかき消していた。これじゃあ回復されると思った私は水の矢を作り、ズルーオに向かって放った。これならズルーオの炎をかき消せるし、ズルーオが放つ電気を吸収してそのまま水と雷が混ざった矢が作り出され、そのまま攻撃できる。


「クソが……この俺が……負けるのか……」


 ズルーオは回復を止め、慌てながら私の水の矢を回避し始めた。何本か矢は回避されたけど、後から放った水の矢がズルーオの足や脇腹を貫いた。


「グググッ……クソッたれがァァァァァ!」


 嘘でしょ! やけくそに放ったズルーオの炎の渦が私に向かって飛んできた。しかもかなりのスピードで。私は攻撃を受けてしまったが、途中で何とかバリアを張ることができた。しかし、火傷を負ってしまった。


「ウッ……」


 火傷を負った私は、魔力を使って回復をしようとしたが、ズルーオが私に接近した。


「治療はさせねぇ! テメェも俺と同じ目にあってもらうぞ!」


「そう簡単に……やらせないわよ!」


 こうなったらこのまま決着を付けてやる。私は魔力を開放し、奴を吹き飛ばした。その際、水をズルーオに付けて後で動きを封じるようにした。


「これがお前の本気か……」


「ええ。さぁ、このまま倒してやるわよ!」


 私は宙に魔力で作った刃を作り、ズルーオに向かって斬り付けた。無数の刃が奴を襲い、無数の傷を作る。その後、一部の刃をビームに変えてズルーオに襲わせた。無数の刃とビームの攻撃を受け、ズルーオ続けてダメージを受けた。


「グッ……俺はとんでもない化け物を相手に……」


「運がなかったわね。私を本気にさせたのがあんたの敗因よ」


 私はそう言った後、巨大な魔力の塊を作り出し、全属性の魔法が入り混じった巨大なビームをズルーオに向けて放った。




 オノブはクーマと戦いながら、成瀬の戦いの様子を見ていた。


「相変わらずぶっ飛んだ戦い方をやっているの」


「おい! 他の奴の戦いを見るな!」


 叫ぶクーマの声を聞き、オノブは迫るクーマの攻撃を回避した。その後、クーマは成瀬の攻撃を受け、宙を舞うズルーオを見てにやりと笑った。


「ズルーオがやられたか……だが、奴はまだ禁断スキルがあるぞ」


「フン。最後の手段か。そんなことをしても成瀬には勝てぬぞ」


「確かにそうだ。でも、相打ちにはできる」


「無駄じゃと思うけどなー。ま、やれるものならやってみろ。後悔してもわしは知らん」


 オノブはこう言って刀を握り、クーマに斬りかかった。だが、クーマは斧の刃で攻撃を防御し、オノブに反撃を仕掛けた。


「おっと、斧でよくここまで戦うことができるの。褒めてやる」


「貴様のようなオッサンに褒められてもうれしくはない」


「あっそ」


 その直後、ズルーオが悲鳴を上げながら地面に倒れた。クーマは大声で叫びながらズルーオにこう言った。


「ズルーオ! このまま負けるのか?」


「グッ……負けるわけねーだろ。クーマ、巻き添えになるなよ。あれを使ったらどうなるか分からねーからな」


「ああ……」


 クーマの返事を聞き、ズルーオは魔力を開放した。


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