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美しき炎は醜く燃え散る


ヴィルソル:神殿内


 勝負あったな。我が持つ魔王の剣はバオに命中し、刃はバオの腹を貫いた。フレイムドレスとか言っているが、炎であることには変わりはない。防御力はゼロのようだ。


「が……はぁ……」


「終わりだな。これ以上戦ったらお前は死ぬ。もう動くな」


 我は血を吐いて倒れているバオに向かってこう言った。バオはまだ、自分が敗北したことを信じたくないような目をしている。刃が腹を貫いたのに、頑丈な奴だ。


「ま……だ……まだ……終わって……な……い……」


「止めとけ。もう動くなと言っている」


「終わってない……終わってなァァァァァい!」


 やはり、他の団員と同じように禁断スキルを使うつもりだ! ロストジャスティスにはプライドが多い奴しかいないのか? そんなことを思っている暇はない、もうバオは禁断スキルを使ってしまった。そのせいで、弱弱しかったバオの魔力が一気に強くなった!


「ホーホホホホホ! いい気分だねぇ、これが禁断スキル、バーニングボディか!」


 バーニングボディ? 聞いたことのない禁断スキルだ。ロストジャスティスが作った禁断スキルか。名前から察すると、炎の体になるってことか?


「さぁ、今まで受けた痛みを返してあげるわ。くたばりなさい!」


 バオは腕を伸ばし、我に攻撃してきた。バオの腕は炎のような形となり、遠く離れた我に向かって飛んできた。我は攻撃をかわしたが、その動きを見切ったかのように先手を打ったバオが、足を延ばして我を蹴り飛ばした。この攻撃を受けてしまった我は後ろに吹き飛んだ。その衝撃で、壁に激突してしまった。


「ゲホッ!」


 少し咳き込んだが、大きなダメージではない。しかし、炎の体になったため、腕を炎にして遠く離れた我の所に攻撃することができる。接近戦も遠距離もできるようになったというわけか。厄介なスキルだ。


「さぁ、ここから逆転タイムだ! 行けぇ! ダンシングフレイム!」


 この状況下で、バオはダンシングフレイムを放ってきた。ただでさえきつい状況なのに、あんなのを出されたら不利になる! 我はどうしようかと思いながら、ダンシングフレイムの攻撃をかわしていた。


「そらよ! この攻撃を避けられるかしら?」


 我がダンシングフレイムの攻撃をかわしているのに必死なのに、バオは遠くから腕を伸ばして攻撃をしている。しかも、手には炎の爪を発しており、攻撃力も攻撃範囲も増えている。クソッ! このままじゃやられてしまう! さっさとバオを倒さねば我が不利になる。そう思っていると、ダンシングフレイムが突如光出した。


「何をするつもりだ?」


「見れば理解できる。木端微塵になるがいい」


 その直後、ダンシングフレイムは大きな音を出して爆発した。我は悲鳴を上げながら、大きく吹き飛んだ。


「グァァァァァァァァァァ!」


 よ……予想外だ……ダンシングフレイムが爆発するとは……思ってもいなかった。よくよく考えれば、炎を爆発させて敵を攻撃するという選択もあったな。グ……そんなことを思っても……無駄だな……。


「ウフフフフフ。傷を負った姿がとびっきりセクシーね」


「黙れ、変態野郎。そんなことを言われても嬉しくないぞ」


 我は血を吐きながらこう言った。だが、奴の言う通りだ。爆発を受けて我の体は傷だらけ。服も一部焦げている。あー、半裸の一歩手前だ。この状況でルハラがいたら、間違いなくセクハラの餌食にされる。


「さぁ、終わりの時間よ。大人しくあの世へ逝きなさい」


 バオは勝ち誇ったかのように微笑みながら、我に近付いてきている。バーニングボディと言うからには、体が炎になったというわけだ。最近、あの魔力を使っていないから自信がないが……自分の腕を信じよう。


「ん? 何をするつもりなの?」


「久しぶりに闇以外の魔力を使う」


「闇以外? 面白い、何を使うっていうわけ?」


 無駄なあがきだと思っているのか、バオは笑っている。今がチャンスだ。我は水の魔力を発し、バオに向かって水を放った。


「み……水!」


「闇以外の魔力で、我は水を使える。貴様、かなり運が悪かったな」


「な……今まで闇しか使ってこなかったのに……」


「前から使うことができたのだ。戦いの時に使っていないだけだ。闇の方がすぐに戦いが終わるから便利だったからの」


 我が発した水を浴び、バオは悲鳴を上げながら転げまわった。やはり炎だから水に弱いのか。立場が逆転したな。


「ま……待ってくれ! 私はまだ死にたくない! こんな所で朽ち果てたくはない! こんな姿で死にたくない、醜い姿で死にたくない!」


「禁断スキルを使った以上、貴様は元の姿に戻れない。貴様がこれ以上どうなろうが我の知ったことではない」


 我はそう言って、ため息を吐きつつ外に出ようとした。爆発のダメージも残っているし、服もボロボロになってしまった。半裸のままで神殿の中を歩きたくない。そう思っていると、バオが後ろから追いかけてきた。


「敵に背を向けるとは愚かだな! このまま殺してやる!」


 炎の体が濡れて力が抜けているのに元気な奴だ。そう思った我は呆れつつ、振り返ってバオに一撃与えようかと思ったが、バオは床にあった罠のボタンを押してしまい、そのせいで床が開き、そのまま落ちてしまった。我はこの場所に罠があることは把握していたため引っかからなかったが、バオはそのことを知らなかったようだ。下を見ると、そこにはすごい勢いで流れる川が流れていた。


「終わったな。醜い奴にお似合いな最期だな」


 そう呟いた後、我は落とし穴から下がった。しばらくして、落とし穴から火を水で消したような煙が発していた。




ルハラ:神殿内


 ヴィルソルの戦いが終わったようだ。すごい爆発音もしたし、かなり激しい戦いだったのだろう。そう思っていると、オノブさんが大声で叫んだ。


「避けるのじゃ!」


 声に合わせて私たちはしゃがんだ。その時、私たちの頭上に何かが通った。多分、敵が私たちに気付いて攻撃してきたのか。先手必勝って奴か。こりゃー卑劣な奴がいそうだねー。


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